■住宅着工、急減78万戸 45年ぶり低水準 09年
朝日新聞 2010年1月29日23時21分
2009年の新設住宅着工戸数は前年比27.9%減の78万8410戸と、1964年の75万1429戸以来45年ぶりの低い水準になった。国土交通省が29日発表した。減少率も、現在の統計方法となった51年以降では、74年(30.9%減)に次ぐ2番目の大きさ。雇用不安や所得の目減りなどで記録的な落ち込みとなった。
年間100万戸割れは67年以来42年ぶり。ピークだった73年(約190万5千戸)の半分以下となった。マイホーム購入は家電や家具などの需要も呼び、波及効果が大きいと言われるだけに、住宅市場の冷え込みは今後の景気回復の足かせにもなりかねない。
住宅の種類別にみると、分譲マンションの着工戸数は前年比58.0%減の7万6678戸で、統計を取り始めた85年以来最低。一昨年の金融危機以降、不動産業界向け融資が抑制され、建設資金不足から着工が激減した。貸家は30.8%減の32万1469戸。投資家から資金を集め、賃貸マンションなどに投資する上場不動産投資信託(Jリート)市場で、資金繰り悪化から新規投資を控えるファンドが相次いだ影響とみられる。
建売住宅は21.2%減の9万1255戸、注文住宅が10.6%減の28万4631戸と、戸建ても低迷した。
地域別では首都圏が29.3%減、中部圏が30.1%減、近畿圏が26.7%減だった。
住宅着工戸数は戦後から高度成長期にかけ、政府が進めた「持ち家政策」もあって急増。68年に100万戸を突破した。石油危機やバブル崩壊で落ち込む時期もあったが、住宅ローン減税の効果などで100万戸台を維持してきた。
だが、少子高齢化で住宅購入層が細ったうえ、金融危機や景気低迷の影響で市場が一気に冷え込んだ。08年末以降、相次いで景気対策が打ち出されたが、09年12月まで13カ月連続の前年割れとなった。ただ、減少幅は4カ月連続で縮まっている。
★当面する闘争方針