末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

「やおファミリー・サポート・センター事業の重篤事故に対して事故調査を求める請願」採択の討論

2011-12-24 16:52:36 | 議会闘争
12月21日の本会議での討論(その4)です。

請願4号「やおファミリー・サポート・センター事業の重篤事故に対して事故調査を求める請願の件」に採択の立場から発言を行います。

 まず、今回の痛ましい事故についてご家族のやるせないお気持ちをお察しします。同時に援助会員さんの驚きと悩みも大きいものがあると思います。お子さんが早急に回復されることを願い、このようなことが起こらないためにどうすべきか、私も議員として医師として、制度を導入した八尾市と市議会の責任、そして制度そのものを徹底して検証したいと思います。
 
 議会議事録によると、1999年(H11年)に現原副市長が当時の保育長として「市民パワーを活用した労働省所管のファミリーサポート事業を導入して待機児童の解消に努めて行きたい」と発言しています。
制度の導入は2002年(H14年)ですが、議事録からは、安全対策、事故が起こったときの責任についてはまったく説明も議論もされていないことがわかります。「事故があっても3種類の保険にはいっているから安心、国の制度だから、八尾市がかかわっているから安心」このことだけが一人歩きしてきたと思います。
ところが、事故が起こって、ご両親が八尾市の対応におかしいと立ち上がり、マスコミにも取り上げられて、はじめて「安全対応マニュアル」が委員会資料として出されてきました。これ以外のマニュアルが議会に出されたことは一度もありません。  
 
 八尾市の今回の対応は、市立病院で起こった医療事故のときと全く同じだと思いました。医療事故に対しても「マニュアルをつくった、電子カルテのプログラムを変えた」ということで終っています。詳しい原因を知ろうと質問してもプライバシーを理由に答えられませんでした。現場労働者の責任、すなわち個人の力量や知識や経験のなさの責任にしてしまうありかたでは、八尾市の責任はとわれず、決して再発を予防することにはなりません。医療事故がどうして起こるのか。ある調査では「医療・看護事故が続く大きな原因」は「慢性的な人手不足による医療現場の忙しさ」「交代制勤務による疲労の蓄積」「看護の知識や技術の未熟さ」「看護職と医師との連携の悪さ」の順になっています。未熟さを補う助け合い、時間と体制すら保証されてない、つまり労働現場の団結が破壊されているのです。これは介護や保育でも同じことが言えるでしょう。

 国と八尾市は、経費削減とリスクの回避を優先して、人を減らし、公的施設を株式会社、指定管理者、PFIなどへ民営化を徹底的に進め、さらにそれを支えるために自給700円でボランティアを採用し、責任だけは現場に押し付けるという公民協働のファミリーサポートセンターを導入したのです。子どもの安全と現場労働者の安全など全く考えていないから、マニュアルをあとから作るということも起こっているのです。これでは安全が損なわれるのはあたりまえ。事故が起こっても不思議ではありません。

 さらに、ファミサポを保育全体に拡大する、子ども子育て新システム、幼保一体化が出されてきました。公的保育をなくして、行政は斡旋だけをおこない、親は事業所と直接契約する。そのために保育労働者を一旦全員解雇して労働組合を解体する。とんでもありません。医療や介護や保育といった、本来利益を追求してはならないとされた分野を、聖域なき構造改革で市場原理を導入していく新自由主義、医療も介護も子育ても金儲けの道具にする新成長戦略の極限の姿です。
電力9分割と国鉄分割・民営化で、御用組合を使って安全無視と外注化・9割非正規職化を推し進めた結果起こったのが福島原発事故と尼崎事故です。労働組合が健全なときに安全が守れます。だからこそ子どもの安全を守るためには、保育の民営化と徹底的に闘うことが必要だと思います。国や行政が資本の金儲けを優先し、公的保育の責任をかなぐりすて、事故が起これば、すべて現場の労働者と市民の責任にすることなど絶対に許せません。
 
 今回の事故を真相究明にとどめることは、一切の責任を現場労働者におしつけることになります。国と八尾市の民営化=外注化・非正規化、労組破壊にこそ全責任があるという立場から「被害者の意向を考慮しつつ、保育・医療・法律などの立場で検証できる第三者を加える」本請願採択に賛成して発言を終ります。


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