■来春の大卒求人、2年連続悪化 01年の就職氷河期並み
朝日新聞 2010年4月21日22時5分
2011年3月卒業予定の大学生・大学院生に対する民間企業の求人倍率が1.28倍で、前年比で0.34ポイント低下したことが、リクルートが21日発表した調査でわかった。2年連続の悪化で、「就職氷河期」といわれた01年卒以来の低水準となっている。
景気は回復基調にあり、1日発表の日銀短観では、大企業・製造業の景況感が4四半期連続で改善した。ただ、正社員の過剰感はあり、新卒採用の抑制は続いている。
求人倍率は、比較できる1987年3月卒以降で、過去6番目の低水準。就職希望者は前年比1.9%増の45万6千人だった。
求人数は58万2千人で前年比で19.8%と大きく減った。ただ、採用数の減少には底打ち感もみられる。09年秋に調べた10年3月卒の大学生の採用数最終見通し(60万4千人)と比べると、減少幅は3.7%にとどまっている。
従業員5千人以上の企業では、採用数を増やす企業も多い。リクルートは「一部の大企業では採用に回復の兆しがある」と分析しているが、多くの企業が学生の質を重視する「厳選採用」の姿勢を崩していないという。
企業規模別の求人倍率は、従業員1千人以上が0.57倍と前年比で0.02ポイント改善。1千人未満の中堅・中小企業は、2.16倍と前年より1.47ポイント下がった。10年春の卒業生は大企業志向が強く、2月1日時点の内定率が80%にとどまった。11年の卒業予定者には、中堅・中小企業に目を向ける学生が増えている。
調査は2~3月に実施し、従業員5人以上の企業4460社、学生1万4685人から回答を得て推計した。
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