末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

第3誘導路裁判、更新意見で成田空港の違憲性を主張

2016-01-04 09:27:22 | 三里塚闘争

■第3誘導路裁判、更新意見で成田空港の違憲性を主張
前進 速報版 2016年1月 3日 17:03

 12月22日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟、顧問弁護団、支援の労働者・学生は、激闘の2015年を締めくくるこの日の裁判闘争をともに闘いぬいた。
 わずか数日前にこれまでの廣谷裁判長から阪本裁判長に交代したことが通知された。この日は更新手続きとして弁護団が急きょ意見陳述を行ったが、冒頭に葉山岳夫弁護士が「次回期日においてはあらためて十分な時間をとって更新意見陳述を行う機会を与えよ」と強く求めて、陳述を開始した。

  成田空港は、位置決定と建設において憲法第29条(財産権の保障)、31条(適正な法定手続き)に著しく違反し、地元農民・住民を敵視して機動隊の暴力を差し向けてきた。そして、国際空港としての要件を欠き、軍事空港としての性格を持つ。この成田空港の根本的違憲性を本件においても強く主張し立証する。
 同じ民事第3部だった多見谷裁判長は農地法裁判一審で、成田空港会社(NAA)の主張を全面的に認め、さらに違法にも自分独自の主張まで加えて、天神峰の市東孝雄さんに対する強制的な農地収奪にお墨付きを与える反動判決を下した。今、市東さんは自宅をB'滑走路と第3誘導路にはさまれながら、天神峰で農業を続けている。裁判所が憲法に反して国策に屈し、その手先となることなど断じてあってはならない!
 三里塚闘争の大義をかけた陳述が、国・NAA側を圧倒した。裁判長は、「原告側の主張はそろそろ完結するのか」などととにかく手続きを早く進めたい意図をあらわに示したが、弁護団はそれを打ち返し、次回以降あらためて更新意見を述べ、さらに新たな主張を展開することを予告した。次回期日を3月15日として閉廷。
 千葉県弁護士会館で報告集会が伊藤信晴さんの司会で開かれた。最初に葉山弁護士が法廷を振り返りながら、新たに着任した裁判官にきちんと記録を読ませ十分に理解させ、「国策裁判」を粉砕する仕切り直しとして闘うことが必要であることを強調した。さらに弁護団全員が発言し、勝利への決意を述べた。
 質疑応答の後、動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、「反対同盟が毎月の周辺地域一斉行動を一回も欠かさずやりぬいて32回を数え、住民との関係を築いていたことは偉大な地平。第3滑走路攻撃を"来るなら来い"の意気込みで迎え撃ち、来年必ず粉砕しよう」と訴えた。
 最後に司会の伊藤さんが「来年、改憲攻撃が本格化するが、激動を闘いのチャンスとしてがんばろう」と呼びかけて報告会を締めくくった。
 午後から反対同盟と支援連は、千葉市繁華街での最高裁へ向けた緊急5万人署名の情宣活動に立ち、師走の街を行き交う労働者市民に農地死守・戦争反対・安倍政権打倒を訴えた。(TN)

2016年三里塚新年旗開き
◎1月10日(日)午前10時30分、天神峰・市東さん宅南側の東峰開拓組合道路に集合。敷地内をデモ。
◎午後1時から団結旗開きをレストラン「ハナマサ」で開催。(成田市並木町字大久保台219‐304)
〈主催/三里塚芝山連合空港反対同盟〉

三里塚一坪共有地裁判、鎌倉証言で「物流事業」破産の実態暴く

2015-12-19 20:28:33 | 三里塚闘争



■三里塚一坪共有地裁判、鎌倉証言で「物流事業」破産の実態暴く
前進 速報版 2015年12月19日 18:37

 12月17日、千葉地裁民事第5部(鹿子木康裁判長)で、一坪共有地裁判が開かれ、3人目の証人として鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授(経済学)が証言を行った。
 この裁判は、三里塚芝山連合空港反対同盟の鈴木幸治さん(故人)、いとさん夫妻が共有権を持つ駒井野の一坪共有地について、2006年に千葉県が「成田国際物流複合基地事業」のために明け渡しを求めて起こした訴訟である。だが、そんな事業と成田空港自体に「公共性」があるのかをテーマに、今回の証人調べが行われた。
 反対同盟顧問弁護団の質問に答えて鎌倉証人は、12月15日に天神峰を訪れた時の印象を語った。「土地はわが命」という考えをもとに、空港施設に囲まれながら手塩にかけて作った土で市東孝雄さんが農業を続けていることに感銘を受けた。そして成田空港が掲げる「公共性」は、企業に利益にもたらす意味でしかなく、労働者人民の生活を豊かにするものではないことを批判した。「経済大国にふさわしい一流の国際空港を持たねばならない」との宣伝で造られた成田が、現実には社会の生産基盤である農地を破壊し、地域の経済を過度に空港に依存させる構造を作り出した。
 そしてその空港を中心とした「物流事業」の計画なるものは、千葉県企業庁が空港周囲の土地を買収し造成して空港会社(NAA)という営利企業に転売するというものであり、証人は「県は地上げ屋に転落した」と厳しく指摘した。
 そしてこの大仰な計画は根本から破産し、2015年度に企業庁は清算され「後継組織」が引き継ぐとされているが、実際には何の見通しもない状態で、「清算期にはいっている事業がなぜ、土地の買収にのりだすというのか。全面的価格賠償方式を使ってそんなことをする"特段の理由"は成り立たない。地域経済の活性化などという目標はうそだ」と厳しく断じた。
 そうした背景として、戦後高度経済成長とその終息、80年代の国鉄分割・民営化に始まる新自由主義の登場、証券ブームやバブル経済とその崩壊、今日の新自由主義の全面的展開などへの経済分析を随所に織り交ぜ、資本主義がすでに歴史的生命力を失っていることを明らかにした。
 そして鎌倉証人は一坪共有地運動の意味について、「農業・生活を破壊する成田空港に対抗し、破壊を食い止め、生存権・生活権を防衛するための運動」と明確に述べ、「拒否している人に土地を売れと強要することは、法を逸脱した権力行使。暴力と言わざるをえない」と弾劾した。
 この容赦ない批判に打ちのめされた原告・千葉県は、卑劣にも反対尋問を一切放棄した。そして裁判長から今後の立証計画、とりわけ証人の人選や尋問事項の予定について質問されると、県の代理人弁護士は互いに顔を見合わせながら「今から検討して......」などとしどろもどろの対応に終始し、失笑を買った。
 次回期日を2月18日として閉廷した。
 近くの会場で報告集会が開かれた。最初に2時間近い証言をやりきった鎌倉さんが笑顔であいさつし、事前に三里塚現地を訪れたことが大きな力になったことを語った。さらに葉山岳夫弁護士が「成田空港と県企業庁の破産の実態について、経済学的分析にもとづいて暴露した今日の証言は、県側を完全に粉砕し、対応不能に追い込んだ」と完勝を宣言した。さらに弁護団全員が勝利の手応えと決意を述べた。
 司会の伊藤信晴さんは、この日までの集計で最高裁へ向けた農地を守る緊急5万人署名が1万400筆を超えたことを発表した。参加した労働者・学生・市民一同は確信を一層固め、「農地死守・第3滑走路粉砕」を誓い合った。(TN)

市東さん耕作権裁判、NAAの違憲違法を全面的に暴く

2015-12-16 07:16:12 | 三里塚闘争



■市東さん耕作権裁判、NAAの違憲違法を全面的に暴く
前進 速報版 2015年12月16日 00:22

 12月14日、千葉地裁民事第2部(岸日出夫裁判長)で、市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が開かれた。市東さんを先頭に三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、全国から支援に駆けつけた労農学市民は、農地強奪攻撃への怒りを一層かきたて闘った。
 前回9月の弁論で弁護団は、原告の空港会社(NAA)=空港公団の違法・脱法を以下の5点にわたって明らかにし、断罪した。①耕作者である市東東市さん(孝雄さんの父・故人)に無断で南台農地の底地を買収し、転用計画もなく15年も保有し続けたことは、不在地主による小作地所有を禁じた農地法第6条に違反、②財産権を保障した憲法第29条に違反、③対象地の位置特定の誤り、④時効取得成立、⑤農地法第3条違反。

 今回は農地法の理念を一層掘り下げる観点で、⑤の続きから陳述が行われた。もともと農地法第3条は、地主が農地を小作人以外の者に売ることを禁じていた。小作地を解消し自作農にすることが目指されていた。地主が無断で交代し小作人が不安定な地位に置かれるようなことを、農地法第3条は想定していない。小作人の同意のない耕作地の売買は無効だ。
 ⑥この農地取得の一連の手続きは公用収用、すなわち「公共の利益となる特定事業のため、正当な補償のもとに、私人の財産権を強制的に取得する」ことだ。補償のない収用は成り立たない。NAAは賃借権がある市東さんを完全無視して地主と契約した。これはとんでもない違憲違法だ。
 ⑦農地法施行規則第7条11号では、成田空港にかかわる農地転用のための土地買収に限っては「県知事許可必要なし」としている。こんな「例外規定」は、農地法の理念を踏みにじる憲法違反だ。
 ⑧市東さんの南台の耕作地には、告示区域外、つまり空港の敷地にかからない部分が3274平方メートル、全体の4分の1も存在する。NAAは敷地内外の土地が「一体的に運用される」から知事の許可は不要などと言うが、そんなデタラメは通じない。
 以上すべてから、NAAの土地取得は違法、無効であり、土地を明け渡しを求める資格は一切ない!
 傍聴席から感動の大きな拍手が湧いた。NAAの代理人弁護士は無表情を装っているが、おのれの罪状を全面的に暴かれておののいている。
 次回期日を2月29日として閉廷したあと、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。伊藤信晴さんが司会を務めた。
 最初に市東さんがあいさつに立った。「裁判が進むほど、空港側の違憲違法が暴かれる。5万人署名の年内1万達成まであと一息。力を蓄えて、来年も一層がんばりましょう」
 続いて葉山岳夫弁護士が弁論を振り返りながら、「NAAは底地の買収を十数年隠し、市東東市さん、孝雄さんに地代を元の地主に払わせ続けてきた。それ自体、農地を農地として取得したということであり、耕作者の同意と県知事の許可は不可欠だ。次回以降もさらにNAAをギリギリと追いつめる」と勝利的前進を確認した。さらに葉山さんは、「市東さん農地法裁判一審で反動判決を下した千葉地裁の多見谷寿郎が、福岡高裁那覇支局長に就任し、沖縄・辺野古埋め立て代執行訴訟で裁判長をやっている。その上この訴訟では、国側の代理人の代表として、法務省訟務局長の定塚誠が出ている。定塚は、東京高裁での農地法裁判控訴審で主任裁判官として控訴棄却判決を書いた者だ。三里塚と沖縄の連関性がますます明らかになった」と解説した。
 弁護団全員のあいさつに続き、動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、市東さんの農地を守る沖縄の会、全国農民会議が次々と連帯発言を行った。動労千葉執行委員の中村仁さんは、労農連帯を強化し外注化阻止の闘いを進める決意を表した。全国農民会議共同代表の小川浩さんは、安倍農政を批判し、「市東さんの農地の取り上げとの闘いは日本農民自身の闘いだ」と訴えた。
 最後に萩原富夫さんが発言に立った。「反対同盟は全国に市東さんの農地を守る闘いを押し広げ、沖縄と連帯してこの1年間力強く前進した。来年は50周年。第3滑走路粉砕へ向けさらに闘おう」と呼びかけ、参加者の奮闘をねぎらった。
 集会終了後、反対同盟と支援連は千葉市街での5万人署名情宣活動に立ち、年内1万筆達成へ向け全力で闘った。(TN)

民主労総ソウル本部が三里塚を訪問

2015-11-05 06:14:36 | 三里塚闘争





■民主労総ソウル本部が三里塚を訪問
前進 速報版 2015年11月 4日 17:13

 10月31日、韓国民主労総ソウル地域本部の労働者29人が来日し、三里塚現地を訪れた。一行は正午過ぎに成田空港に降り立つと、ただちに動労千葉の案内で天神峰の市東孝雄さん宅離れに到着した。現闘の同志の案内で、市東さんの畑など天神峰と東峰の各地を見て回り、50年の三里塚闘争の地平を確認した。
 夕刻、三里塚闘争の歴史を記録したビデオ「三里塚大地の乱」が上映され、一同は逮捕・流血を恐れぬ実力闘争の記録を固唾をのんで見守った。そして、現闘の同志たちが用意した心尽くしの食事に舌鼓を打った。
 反対同盟が到着し、動労千葉の川崎昌浩書記長が司会を務め、交流会が始まった。
 反対同盟の萩原富夫さんの音頭で乾杯。動労千葉の田中康宏委員長があいさつし、「反対同盟との連帯を貫き、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を闘い、動労本部から独立した。その力で分割・民営化攻撃と闘い、民主労総の同志たちとも出会えた」と、三里塚労農連帯の意義を語った。
 反対同盟の北原鉱治事務局長は、「韓国の皆さんが毎年三里塚を訪れるのはすばらしいこと。世界平和のために、民主労総と手をつなぎ、三里塚は闘う」とあいさつした。市東孝雄さんは、「軍事空港と農地取り上げに反対してこの地で農業を続けている。韓国の皆さんとともに闘います」とあいさつした。
 民主労総ソウル本部事務処長のソンホジュンさんは心尽くしの歓迎へのお礼を述べ、「三里塚現地を見て、権力と資本による攻撃のひどさは同じと感じた。自由と平和をわれわれの闘いの中でかちとろう!」と力強くアピールした。さらに反対同盟の萩原さん、宮本麻子さん、伊藤信晴さん、民主労総の各労働者があいさつと自己紹介を行った。現闘、全学連行動隊の同志も交え言葉の壁を越えて和やかに語り合い、記念品を交換して、時間を忘れて交流を深めた。
 最後に全員で「トジェン!」のかけ声で記念撮影し、11・1労働者集会の成功を誓い合った。

三里塚新やぐら裁判、NAAの農地法違反を徹底追及

2015-10-20 21:36:10 | 三里塚闘争






■三里塚新やぐら裁判、NAAの農地法違反を徹底追及
前進 速報版 2015年10月20日 16:11

 10月19日、新やぐら裁判の第3回弁論が千葉地裁民事第2部(岸日出夫裁判長)で開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生は、農地取り上げ攻撃への怒りに燃えて、この日も全力で闘いぬいた。
 この裁判は、農地法裁判(現在上告審)で市東さんが明け渡しを求められている天神峰の耕作地、その一角に建つ反対同盟所有のやぐら、看板など四つの工作物の収去を求めて、成田空港会社(NAA)が反対同盟を不当に提訴した裁判である。
 開廷を前に原告NAAの代理人が、被告席に反対同盟の萩原富夫さんが座っていることに難くせをつけてきた。言うまでもなく萩原さんは現在、反対同盟事務局の中心を担って闘いの先頭に立っており、北原鉱治事務局長が不参加のこの日は反対同盟代表として被告席にいるのは当然だ。それにいちゃもんを付けるとは何事か! 弁護団(被告代理人)は猛然と抗議し、傍聴席からも次々と弾劾の声が発せられた。裁判長はNAAの肩を持ち、「反対同盟の組織構成などについてはあらかじめ知っているわけではないので、事前に伝えてほしかった」などと言うが、そのくらいのことは当然にも把握しておけ、ということだ。萩原さんが堂々と被告席に座り続ける中で開廷した。
 弁護団は、NAAの主張に反論する準備書面(2)を陳述した。
 NAA=空港公団は、1988年に市東東市さん(孝雄さんの父・故人)の耕作地の底地を旧地主から「空港施設に転用する目的で買った」と言い張るわけだが、東市さんが反対同盟の一員として「空港絶対反対」を貫いて畑を耕し続けている以上、実際の転用のめどはまったく立っていなかった。公団は市東家に秘密で買収し、その後十数年間賃借地として市東家が耕作し続けることを認めてきた。こんな「買収」は違法・無効だ。
 主観的には「転用目的」と言いながら、つごうがつかないから放っておくなどというのは、農地法第5条違反だ。
 実際には、農地を農地として売買しており、耕作者である市東さん以外の第三者が地主から農地を買い取るというのは、農地法第3条違反だ。
 また、空港公団本社は96年まで東京にあった事実から、不在地主が農地を所有することを禁じている農地法第6条に違反している。
 つまり、農地を守り耕作者の権利を守り自作農を推奨している農地法の根本精神に、ことごとく反する違法を重ねたということだ。
 そして、空港公団の用地事務取扱規定38条には、「取得しようとする土地に賃借権=耕作権などがあるなら、所有者、関係者にこれら権利を消滅させること」と書いてある。つまり、同意を得て損失補償しろということだ。ところが原告NAAは「これはうちの内規だから違反してもかまわい」などと恥知らずにも居直った。これは明らかに憲法29条違反だ!
 NAAが地主の顔をして、農地ややぐらの明け渡しを迫る資格はまったくないのだ。
 陳述を終えると弁護団はすかさず追撃を行った。NAAが、農地法裁判ではやぐらの所有者を市東孝雄さん個人とし、この新やぐら裁判では所有者を反対同盟としている矛盾を指摘し、「どう整合的に説明するのだ!」と鋭く追及した。
 上野至を筆頭とするNAA代理人は「訂正したんじゃないですかね」(何を?どう?)「本件と別件は関係ない」などとしどろもどろの弁解をする。「説明になってないぞ!」「いい加減なことを言うな!」と怒号が傍聴席から浴びせられた。上野はかつて千葉地裁裁判官としていくつかの三里塚裁判で反動判決を下し、退官後にNAAの雇われ弁護士に成り下がったという最低の男だ。
 岸裁判長はこの「先輩」の窮地を見かねてか、「書面で提出を」とNAA側に促し、廷内の怒りを抑えることに腐心した。
 次回期日を1月25日として閉廷した。
 近くの会場で、伊藤信晴さんが司会を務めて報告集会が開かれた。最初に萩原富夫さんがあいさつし、NAAのケチつけを一蹴しながら10・11三里塚全国集会への結集へのお礼を述べ、農地法裁判上告審の奮闘を訴えた。
 さらに葉山岳夫弁護士を始め弁護団一人ひとりが、法廷での追及内容をていねいに解説しながら、裁判勝利への決意を明らかにした。
 最後に各支援団体が連帯発言を行った。全学連三里塚現地行動隊長は10・11全国集会、10・18反対同盟一斉行動の成功を踏まえ、農地死守の闘いに勝利する決意を述べた。
 集会終了後、反対同盟と支援連は千葉市繁華街に繰り出して、最高裁へ向けた5万人署名の情宣活動に立ち、軍事空港粉砕、安倍政権打倒、農地死守を訴えた。(TN)

10・11三里塚全国集会、市東さんとともに「軍事空港粉砕・農地死守」誓う

2015-10-13 20:35:52 | 三里塚闘争















■10・11三里塚全国集会、市東さんとともに「軍事空港粉砕・農地死守」誓う
前進 速報版 2015年10月12日 18:36

 10月11日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で、成田市東峰で「最高裁による強制収用許すな! 第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒!」を掲げる三里塚全国総決起集会が開催された。
 会場は、天神峰の市東孝雄さん宅の南に位置する、東峰の萩原富夫さんの畑。開拓組合道路と一体で成田空港敷地のど真ん中を食い破って存在している。この畑を東西からはさむ2本の誘導路にはひっきりなしにジェット機が走行し、さらに暫定滑走路B’からの離陸も後を絶たず、一帯が激しい騒音地帯となっている。目の前には、機動隊の宿舎が建っている。
 心配された雨は午前中ですっかり上がり、適度に湿った黒い肥沃な土が、全国から結集した930人の参加者を迎えた。
 全学連は独自集会を前段に開催した。森幸一郎書記次長が基調報告を行い、4人の仲間への「監禁致傷」デッチあげ逮捕・弾圧への怒りをたたきつけた。東北大、広島大、沖縄大、京都大の学友が発言し、4人の奪還と三里塚連帯の決意を表した。
 開会を前に演壇では、「浪花のパギやん」こと趙博さんが弾き語りライブを行い、反戦・反原発・反権力の歌を熱唱した。
 正午を過ぎて開会し、冒頭に司会の伊藤信晴さんが二つの報告を行った。「①この日午前に、北原鉱治事務局長宅前に右翼が宣伝カーなど4台の車両で押しかけ、30分間にわたり三里塚闘争と北原さんを誹謗中傷する演説を行った。②この東峰の集会場を蹂躙し武装制圧しようとする国家権力・警察に対し、萩原富夫さんを先頭に反対同盟が決起し、実力で開拓組合道路を解放した」。伊藤さんは、右翼と権力の反動に対し、労農学連帯の力で大反撃することを呼びかけた。
 北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、三里塚闘争が今日まで50年続いてきたことに感慨を述べながら、戦争へと向って進む世界情勢に懸念を示し、「市東さんの農地を奪うことは命を奪うことと等しい。ならばわれわれもこの闘いに命をかけなければならない。世界の平和を目指し、成田を廃港に追い込もう」とアピールした。
 続いて東峰の萩原富夫さんが「反対同盟事務局からの報告」を行った。「この地で全国集会を開催したのは、市東さんの生活環境を実感してもらいたいから」と述べ、数々の空港施設や走行する大型機によって包囲され、警察が常時監視する状況のもとでの営農が、一つの闘いであることを訴えた。そして、「農地裁判上告審闘争の中で最高裁に向けての5万人署名を推進している。現在は約7千筆。市東さんを支援する力がもっと必要だ。第3滑走路は戦争法制のもとで、成田が軍事空港としての姿を現したものだ。周辺住民の安倍政権への怒りは本当に強い。私たちはこの地で市東さんの農地を守り、軍事空港建設を阻止することが人民の未来を切り開くと信じて闘いぬく」と、反対同盟の闘いの方向を鮮明に示した。
 続いて連帯のあいさつの最初に、動労千葉の田中康宏委員長が、新たに書記長となった川崎昌浩さんを伴って登壇した。田中委員長は、検修外注化阻止を掲げた10・1~2ストを報告し、「このストは総非正規職化攻撃との闘いであり、安倍政権による戦争法強行への回答でもある」と、ストの意義を強調した。そして、「安保国会闘争で日本の労働者階級がいよいよ本当の力を見せ始めたこの時、反対同盟が半世紀にわたり守りぬいてきた反戦の砦としての三里塚の位置がどれほど大きいかを感じた」と述べた。そして国鉄1047名解雇撤回闘争において、「分割・民営化は不当労働行為」との判決が最高裁で確定したことを受け、「闘いは今から、ここからだ! 11・1全国労働者総決起集20151012a-05.JPG会で、労働者・農民一人ひとりが歴史を動かす力を持っていることを示したい」と、一層熱を込めて11・1への大結集を要請した。
 関西新空港反対住民に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員の西山直洋さんが連帯のあいさつを行った。西山さんは関生支部も結成以来50年を迎えることを紹介し、三里塚との連帯を誓った。そして9・11ストに立ち上がったことを報告し、安倍戦争政治を絶対に止めるとの決意を明らかにした。
 ひときわ大きな拍手に迎えられ、市東孝雄さんが登壇した。市東さんは、農地法裁判控訴審での東京高裁の不当判決を弾劾し、「農地を取られたらここで農業を続けることはできない。猫の額のような小さな畑だからよそへ移転してもやれるだろうと言う人もいるが、祖父の代から100年以上耕し続けてきた土地。そこが私のいるべき場所だと思っている。安倍政権の安保法制強行を見て、〈軍事空港反対・農地死守〉の反対同盟50年の闘いは間違っていなかったと実感できるようになった。動労千葉・動労水戸を先頭とする労働組合、市民運動、学生とともに、そして沖縄・福島で国策と真っ向から闘っている人たちと連帯し、私はこの地で一日でも長く農業を続けたい。そのために、もう一度みなさんの力を貸してください」と熱烈に訴えた。
 反対同盟顧問弁護団が登壇し、最初に事務局長の葉山岳夫弁護士が発言した。葉山さんは、空港公団=成田空港会社(NAA)が耕作者である市東東市さん(孝雄さんの父・故人)の同意なく秘密裏に旧地主から市東さんの南台耕作地の底地を買収した違法・不正を、ひときわ強い怒りで糾弾した。そして裁判勝利へ全力で闘うことを誓い、「道理を道理として認めさせるために、正義の力を結集し最高裁を追いつめよう」と呼びかけた。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」と各地の「農地を守る会」が壇上に並んだ。群馬・市東さんの農地を守る会からは、動労千葉の闘いを知り群馬合同労組に加入した交通労働者が発言し、9・13高崎集会での市東さんの発言に感銘を受け、職場で団結を強化して闘う決意を述べた。「市東さんの農地を守る会・茨城」からは、小竹運輸グループ労組副委員長の野澤英人さんが発言し、「言葉よりも行動で、市東さんとともに闘うことを誓います」と気概を示した。
 全国農民会議のメンバーが緑色ののぼりを林立させて、壇上に勢ぞろいした。共同代表の小川浩さんがマイクを握り、「TPPの“大筋合意”で今後農家をやめざるを得ない人が続出するだろう。TPPは日米帝国主義の生き残りをかけた、中国をにらんでの経済ブロックであり、安倍戦争法と一体のものだ。農民会議は5万人署名にも全力で取り組み、市東さんの農地を必ず守りぬく」と決意を表した。
 福島からは、動労福島を結成した郡山工場の橋本光一さん、3・11反原発福島行動実行委の椎名千恵子さんが発言した。椎名さんは、「三里塚、動労千葉、星野さんの闘いが続く限り“命の闘い”は勝利する」と高らかに宣言した。さらに市東さんの農地を守る沖縄の会、経産省前テント広場の代表が発言した。
 婦人行動隊の木内敦子さんのカンパアピールをはさみ、集会後半の司会を婦人行動隊・宮本麻子さんが務めた。全国水平同盟委員長の久原正子さん、婦人民主クラブ全国協議会代表の三浦正子さん、「星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、動労水戸書記長の木村郁夫さん、都政を革新する会事務局長の北島邦彦さんなどが次々と発言し、それぞれの闘いの現場の報告と三里塚連帯の決意を明らかにした。
 全学連の斎藤郁真委員長が登壇すると、集会の熱気は最高潮に達した。斎藤委員長は、デッチあげ容疑で逮捕された4人の仲間の奪還を誓い、「札束で人のほおをたたき、人間をスパイに堕落させる安倍政権、国家権力のやり口を絶対に許さない。全学連は、この秋に東北大、京大で反戦ストに立つ。安倍政権の朝鮮侵略戦争を、われわれの行動で止める。その力で三里塚に必ず勝利する!」と行動力を伴った荒々しい決意表明を行った。
 集会最後に、太郎良陽一さんが集会宣言の読み上げ、スローガン採択を行った。この中で、来春成田市での3・27全国集会、来夏7月の東京での三里塚闘争50周年記念集会の開催が明らかにされた。
 団結ガンバローを三唱し、直ちに反対同盟を先頭にデモに出発した。宣伝カーには宮本麻子さんが乗り込み
 大量動員された公安刑事と機動隊による弾圧態勢を打ち破り、長蛇のデモは開拓組合道路から旧県道に出て、市東さんの家と天神峰耕作地を右手に見ながら、第3誘導路のトンネルをくぐり、力強く進んだ。
 さらに小見川県道に出て交差点を右折し、市東さんの南台耕作地に着いた。完全無農薬の有機農法で丹精込めてつくられた土に、作物が育っている。ここは、農地法裁判、耕作権裁判の対象地であり、B’滑走路に平行する誘導路をへの字に曲げている現場だ。あらゆる違法・脱法を使って土地収奪を狙う国家とNAAへの怒りが、あらためて参加者に広がった。そして、団結街道の破壊以降、その3倍もの道のりのこのデモコースと同じルートをたどって、日々家と畑を往復する市東さんに思いを致した。
 デモ隊は程なくそこから行進を再開し、出発点である東峰の開拓組合道路に回帰する一周デモを貫徹し、反対同盟とともに「軍事空港粉砕・農地死守」を固く心に誓った。(TN)

三里塚一斉行動、住民との対話が進む

2015-09-23 13:45:30 | 三里塚闘争



■三里塚一斉行動、住民との対話が進む
前進 速報版 2015年9月23日 10:07

 9月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は、通算で29回を数える月例の成田空港周辺地域一斉行動に立ち上がった。
 午前8時30分から天神峰の市東孝雄さん宅離れで朝の打ち合わせを行った。最初に市東さんが、前日の国会での戦争法案強行採決を弾劾した。さらに、17日に第3滑走路計画推進のための4者協議(国土交通省、成田空港会社、千葉県、地元9市町の会合)が開かれたことに触れ、反撃の闘いとして今日があることを確認し、「みんながひとつになって安倍を倒すような闘いをやろう。そのために反対同盟はがんばっていることを知ってもらおう」と檄を飛ばした。
 この日用意された「反対同盟ニュース」第24号は、10・11全国集会への参加を呼びかける市東さんを前面に出し、耕作権裁判、戦争法反対の成田駅前行動、群馬集会などの報告記事を載せている。「地域住民の声」欄には、北原鉱治事務局長の著書『大地の乱――成田闘争』を成田図書館で借り、感動をもって読んだとの投稿が寄せられている。
 この日は特に、10・11への参加を住民一人ひとりに積極的に誘うことを確認し、それぞれ自分の担当地域へと飛び出して行った。
 北原事務局長は元気に宣伝カーに乗り込み、川上地区や多古町での辻立ち演説に立ち、「第3滑走路が造られたら、この地域にもたらされるのは殺人的な騒音と農業破壊です。農地を守り闘っている市東さんと同じ気持ちで、皆さんも反対の声を上げてほしい」と訴えた。
 それぞれが訪問した先で、住民の生の声に接した。現闘の同志がある家を訪ねると、「いつもビラを置いてってくれるのはあなた? 毎回読んでたよ」と言われ、いきなり3千円のカンパと缶コーヒーを渡された。この日やっと初めて会えた人だ。「国会前にも行きたかった」と言うので、「私は昨日行ってきました」と答えると、「それはえらい!」とさらに話がはずんだ。
 ほかにも、「代執行の時は私も応援に行った」「市東さんの農地を守るたたずまいに感動した」「坊っちゃん育ちの安倍のために自衛官が戦場で殺されるなどということは許せない」などの意見が続出した。
 夕方に再び市東さん宅離れに集合し、この日の活動を集約した。合計で署名84筆、賛同が6人。数字には表れない共感や支持も含めて、この地道な闘いの前進が力となっていることを全員が実感し、今後の行動計画を確認した。
 最後に萩原富夫さんが「集会まであと1か月を切った。宣伝を強化して、いい集会になるようにがんばろう」と一日を締めくくった。(TN)

市東さんを招き「市東さんの農地を守ろう群馬集会」

2015-09-16 06:21:00 | 三里塚闘争





■市東さんを招き「市東さんの農地を守ろう群馬集会」
前進 速報版 2015年9月15日 12:27

 9月13日、高崎市労使会館で「原発・TPP・改憲反対、市東さんの農地を守ろう/大地は私たちの命9・13群馬集会」が実行委員会の主催で開かれた。
 集会はスパングルズのあでやかな歌とダンスで幕を開け、県内の闘う運動団体、労組、議員などが次々とあいさつに立ち、安倍政権打倒、三里塚連帯の気概を表した。
 千葉県成田市天神峰から駆けつけた三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんは、軍事空港に反対して農地を守り裁判に勝利する決意を込めて、緊急5万人署名への取り組みと、10・11三里塚全国総決起集会への大結集を訴えた。
 最後に「群馬・市東さんの農地を守る会」の青柳晃玄さんが、「安倍とともに資本主義を倒そう!」と力強くアピールして市東さんに集会カンパを手渡し、参加者全員で10・11への群馬からの総決起を誓い合った。(TN)

三里塚一斉行動 〝第3滑走路阻止〟訴え 5万人署名方針決定

2015-07-25 06:20:10 | 三里塚闘争

■三里塚一斉行動 〝第3滑走路阻止〟訴え 5万人署名方針決定
前進 速報版 2015年7月24日 13:35

 7月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟の27回目を数える空港周辺地域一斉行動が闘われた。朝8時30分、いつも通り市東孝雄さん宅離れに約30人が集合した。(写真)
 冒頭萩原富夫さんから、農地法裁判の上告審闘争について方針が発表された。「7月12日に事務局会議の論議で最高裁にむけた緊急5万人署名運動に断固取り組むことを決めました。いつ判決が下ろされるか分からないのが最高裁です。年度内ではないかという予想もあります。判決が下りれば、すぐ実力闘争を構えるという緊迫した状況です。今度の署名はそうした決戦陣形を築く運動の一環としてやりたい。そのために、大々的に賛同団体を募る方式へと拡大させたい」と述べた。
 市東さんは「高裁段階で3万人署名をほぼ達成した。闘いはいよいよ正念場です。断固たる気構えで取り組もう」と檄を発した。伊藤信晴さんは「農地死守の決戦陣形を築く闘いとしてがんばろう」と呼びかけた。
 この日の重要課題は、石毛博道、相川勝重(芝山町長)らの「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」7月設立策動との対決だ。打ち合わせを終え、それぞれが担当地域へ飛び出した。
 北原鉱治事務局長は、この日も辻立ち演説を行った。成田市旧大栄の川上地区で声を上げた。「反対同盟員だった石毛らが、第3滑走路を誘致する運動を開始した。許せません。この静かなすばらしい川上地区をいっそうの騒音地獄にたたき込もうとする第3滑走路を阻止しましょう」。さらに多古町の島でも力強く訴えた。
 真夏の暑さと闘って、各支援の担当者が各戸に次々と「反対同盟ニュース」第22号を配布し、アピールして歩いた。
 夕刻に市東さん宅離れに戻って、報告を持ち寄った。芝山町の東部のでは「第3滑走路なんていらない。結局金目当てだろう。先日、国会前の行動に行ってきたよ」と話す人がいた。
 多古町南部のでは元労働者の男性が、第3滑走路計画を激しく批判した。さらにあちこちで安倍政権の戦争政策に怒りが渦まいていることが報告された。
 旧大栄町吉岡では、日ごろから騒音に苦しめられている人が深夜の着陸を批判し、「反対同盟にはがんばってほしい」と激励した。
 伊藤さんが回った芝山町北部のでは、反対運動を裏切っただけではなく、利権あさりまで始めた石毛らに対する批判が高まっていることが明らかになった。
 2年7カ月にもわたる周辺一斉行動の成果が、住民の声に表れている手応えを全員が感じた。最高裁5万人署名達成に向けて、新たなリーフレット作成に取り組むことなどを確認して、この日の闘いを締めくくった。(O)

三里塚一坪共有地裁判、3人の証人採用をかちとる

2015-06-22 11:17:23 | 三里塚闘争

■三里塚一坪共有地裁判、3人の証人採用をかちとる
前進 速報版 2015年6月22日 07:33
 
 6月18日、千葉地裁民事第5部(鹿子木康=かのこぎやすし=裁判長)で、一坪共有地裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生がともに闘った。
 この日は裁判長の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見表明を行った。
 この裁判は反対同盟の鈴木幸司さん(故人)、いとさん夫妻が共有権を持つ駒井野の一坪共有地について、2006年に千葉県が、明け渡しを求めて起こしたものだ。千葉県企業庁は「新産業三角構想」による「成田国際物流複合基地計画」の一環として、一帯の土地を造成し成田空港会社(NAA)に譲渡するので、この一坪共有地を明け渡せというのだ。
 だがそんな大げさな事業計画は、提訴から9年たち、とっくに破綻している。130億円という膨大な債務を残し、県企業庁は今年で解散と決まっており、それを引き継ぐ事業体も明らかではない。県側はその事実を再三指摘されながら現状説明すら行わず、関連する文書の提出要求にも応じず、訴訟を継続している。
 この一坪共有地は、空港反対運動の中でつくられた「三里塚地区周辺に土地を持つ会」の組合所有であり、共有者個人から買収することはできないものだ。県はそれを、「全面的価格賠償方式」を適用し、拒んでも、金銭補償の形をとって共有権を強奪するというのである。まさに市東さんの農地裁判と同様の、裁判所を使っての事実上の公用収用であり、とんでもない違憲・違法だ。ただちに却下されなくてはならない。
 以上のような弁護団の鮮明で鋭い意見表明に対し、県の代理人弁護士らは一言も反論できず、陰鬱(いんうつ)な表情でだんまりを決め込んでいる。
 さらに今回、弁護団の7人の証人申請に対し、専門分野を持つ以下の3人の証人が採用された。
 ①清水和邦・福井県立大学教授(「土地を持つ会」の民法上の性質などについて証言)、②小長井良浩弁護士(土地を持つ会の会則の作成、成立の経過などについて証言)、③鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授(経済学的観点から成田空港の“公共性”の虚構について証言)。
 次回期日を9月3日午後1時30分開廷とし、清水証人への尋問を行うことを確認してこの日は閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に司会の伊藤信晴さんが、市東さん農地法裁判での突然の控訴棄却に対する激しい怒りをこめて、反対同盟の「弾劾声明」を読み上げた。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団が発言し、3人の証人採用をかちとったことを重要な前進として確認した。そしてさらに、県企業庁役人や元NAA幹部などの敵性証人を採用させなければならないことを強調した。
 最後に伊藤さんがあらためて、元反対同盟・石毛博道などの第3滑走路建設誘致策動を弾劾し、空港周辺住民と結合して闘いを進めることを明らかにし、この日の闘いを締めくくった。(TN)

成田市栗山公園で歴史的な3・29三里塚全国総決起集会

2015-04-08 07:19:26 | 三里塚闘争

前進 速報版 2015年4月7日

 3月29日、成田市の栗山公園で三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する「市東さんの農­地取り上げを許すな! 戦争とめよう!」全国総決起集会が開催された。市東さん農地裁判控訴審の3・4弁論打­ち切り・結審強行に対し怒りに燃えて、全国の労働者・農民・学生・市民920人が結集­し、安倍戦争政治と対決して農地を守る決意を示した

3・29三里塚闘争

2015-04-05 22:50:43 | 三里塚闘争
■市東孝雄さんの農地を守るぞ!世界戦争へ突き進む安倍打倒!
全国水平同盟ブログ 2015年4月5日

 3月29日、成田市の栗山公園で三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する「市東さんの農地取り上げを許すな! 戦争とめよう!」全国総決起集会が、全国から920名が結集して闘われた。全国水平同盟も西郡支部、杉並支部が決起しました。本集会でのフリートークで久原正子委員長代行が発言に立ち、市東孝雄さん農地裁判控訴審の3・4弁論打ち切り・結審強行を怒りを込めて弾劾し、市東さんの農地を守るために全国水平同盟は全力で闘う、と決意を述べた。そして全国水平同盟として全力で闘っている西郡支部の国賠闘争と高槻支部の植木団地闘争を紹介、とりわけ4月15日に第1回口頭弁論を闘う植木団地裁判への総決起を呼びかけた。

*4・15植木団地裁判  大阪地裁202大法廷
 4月15日(日)15時~  午後2時半から傍聴券の配布・抽選があります。



北原三里塚反対同盟事務局長と握手をする久原正子本部役員


交流センターの独自集会で発言


本集会のフリートークで発言する久原正子委員長代行