末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

韓国 政府・資本家と全面激突 〝政経癒着の歴史終わらせる〟

2017-02-20 17:43:34 | 世界の闘い

■韓国 政府・資本家と全面激突 〝政経癒着の歴史終わらせる〟
前進 速報版 2017年2月20日 12:45

 韓国・労働者民衆の闘いは完全に新たな段階に入った。
 パククネの弾劾をかちとって完全に打倒するのか、それともパククネが卑劣にも延命・復活することを許すのか――起こっているのは労働者階級と政府・資本家との全面的な激突であり、始まった革命を最後までやりとげる闘いだ。主導権を握っているのは、民主労総を中心とした労働者民衆の側だ。

サムスントップの拘束かちとる
 17日、ついにサムスングループの事実上のトップであるサムスン電子の副社長・イジェヨンが贈賄容疑などで逮捕された。先月19日に1回目の逮捕令状請求が却下されたことを受け、労働者民衆の怒りが爆発したことが生み出した情勢だ。これにより、主犯であるパククネは崖っぷちに追いつめられている。
 民主労総は声明を出し「(創業以来)79年間治外法権が与えられていたサムスンは、政経癒着と有銭無罪(「無銭有罪」とともに、資金力に応じて罪の有無が決まる現実を皮肉って言う語)、汚辱の歴史を恥じるべきだ」とした上で、「イジェヨンの拘束は、財閥と権力の癒着の歴史を清算する信号弾にならなければならない」と、この闘いをさらに前に進めていくことを訴えた。
 18日にはソウルに80万人が結集し、「弾劾引き延ばしなんてとんでもない!」を掲げた第16回汎国民行動が開催された。
 この集会は前日のイジェヨン拘束を受けて勝利感にあふれつつも、パククネの弾劾と財閥の解体、労働改悪の阻止に向かって闘おうという新たな決意がみなぎるものとなった。サムスンの悪名高い「無労組経営」を突き破って4年前に結成された金属労組サムスン電子サービス支会の副支会長も発言に立った。
 またこの日には、米軍が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)配備を狙う慶尚北道ソンジュとキムチョンから住民たちがソウルへ駆けつけた。サード配備反対の決意大会を開催した後、デモを行って光化門での集会に合流した。全国100カ所でもキャンドル集会が行われた。
極右勢力動員しあがくパククネ
 追いつめられたパククネはこの間、労働者の闘いに敵意をむき出しにし、延命のために徹底的に居直ってきた。特別検事の対面聴取から逃げ続け、憲法裁判所の審判を引き延ばしたあげく、大統領府の家宅捜査も拒否。ネット上で公開されたインタビューではなんと、チェスンシルゲートはデッチあげであり、自らは陰謀の被害者だと主張した。そればかりか、弾劾が棄却されたら検察やメディアを粛清するとまで言い出したのだ。労働者の怒りは限界を超えて爆発している。
 大統領府はこの間、政府に批判的な文化人ら1千人あまりのブラックリストを作成する一方で、サムスンや現代自動車などの財閥から極右団体に巨額の資金を出させて官製デモを組織してきた。
 これらを指示したのは、拘束中の前大統領秘書室長・キムギチュン(金淇春)だ。キムギチュンは70年代に軍事独裁政権の治安弾圧機関の中心にいて労働者や学生を弾圧し、残虐な拷問を行ってきたことが暴露されている。こうした人物が今に至るまで居座り、労働者を抑圧・支配してきたことに、根底的な怒りが爆発している。
 毎週のキャンドル集会に対抗し、極右勢力が星条旗を振って弾劾棄却や戒厳令の宣布を求める集会を行っているが、これは労働者の怒りの火に油を注ぐものでしかない。
 さらに、戦争絶対反対の怒りは全土でますます激しく燃え広がっている。米海軍が済州基地への最新鋭ミサイル駆逐艦の配備を提案したことに対しても、地元の住民が直ちに「東北アジアの軍事的緊張を一層高める」と抗議に立ち上がった。「少女像を守れ」「日韓合意を破棄しろ」の声も全土にこだましている。
 2月25日にはソウルにすべての怒りを結集し、200万人規模の民衆総決起集会が開催される。
核戦争宣言した安倍政権倒そう
 米日帝国主義、とりわけ日帝・安倍政権は、この決起を圧殺するために東アジアを戦争へとたたき込もうとしている。韓国の支配階級は今や、これと一体となって戦争に突き進む中に唯一の延命の道を見いだしているのだ。
 安倍打倒はまさに、韓国の地で立ち上がる労働者民衆の勝利をかけたテーマそのものだ。韓国の闘いに応え、核戦争を宣言した安倍を倒そう。

写真〕サード配備予定地で闘いを続ける住民たちがキャンドル集会にあわせて上京し、デモと集会を行った(2月18日 ソウル・光化門広場)

パククネ完全打倒へ80万人が決起

2017-02-17 06:17:03 | 世界の闘い


■パククネ完全打倒へ80万人が決起

前進 速報版 2017年2月16日 19:08

 2月11日、「パククネ・ファンギョアンの即時退陣と迅速な弾劾のための第15回汎国民行動の日」として全国で80万人が行動に立った。マイナス9度まで冷え込んだソウルの光化門広場には、今年に入って最大の75万人が集まり(写真)、釜山・光州など全国100以上の地域でも延べ5万人が決起した。スローガンは、2月中のパククネ弾劾実現・特別検察による捜査期間の延長だ。
 パククネはこの間公然と居直り、大統領府の捜索も拒否した。捜査期間が切れるまで時間を稼ぐことで起訴を免れようと逃げ回るのみならず、弾劾棄却後には検察やメディアに報復するとまで口にしている。これへの激しい怒りと危機感から、初参加の人びとも多く駆けつけ、声を上げた。(2月11日 ソウル)

韓国 旧正月前に宣伝戦 サード反対の闘い続く

2017-02-02 16:12:09 | 世界の闘い


■韓国 旧正月前に宣伝戦 サード反対の闘い続く
前進 速報版 2017年2月 2日 13:37

 韓国は1月末、多くの労働者が故郷で過ごす旧正月を迎えた。しかしこの中でも、パククネ完全打倒・革命完遂に向けた闘いが継続されている。
 「今回の旧正月は変わる大韓民国について語り、働き暮らす人びとがよりよく生きられる国をつくろうという希望を語ろう」「パククネ政権に追従し、大統領就任の機会をうかがう首相ファンギョアンをはじめとする財閥トップを、旧正月の民心で追い出そう」――パククネ政権退陣非常国民行動は1月26日、ソウル駅前で宣伝活動と記者会見を行い、故郷へ帰省する労働者に直接マイクで訴えかけた。全国で10を超える主要な鉄道の駅でも宣伝戦が行われた。

 民主労総は2017年、生きていくことのできない状況に追い込まれている非正規職労働者の怒りをひとつに束ね「最低賃金1万ウォン」を掲げたゼネストの実現に向けた挑戦を開始している。「最低賃金6470ウォン(約660円)のアルバイトを転々とする若者たち、非正規職の悲しみと差別に向き合う労働者たち、希望と未来を放棄して生きているヘル(地獄)朝鮮のすべての国民に、『今回はわれわれがきちんと変えよう』という約束と希望を語ろう」(記者会見文)という訴えはその決意だ。
 退陣行動はこの日、セウォル号惨事をめぐる真相究明法の制定、サード配備撤回、成果退出制などの労働改悪推進停止、財閥体制の改革などを訴えた。旧正月が明けた2月4日には再びソウルの光化門広場で第14回汎国民行動が行われる。
星州の闘いが200日超す
 慶尚北道・星州(ソンジュ)では28日、サード配備に反対する住民たちのキャンドル集会が200回目を迎えた。
 住民には一言の説明もないまま、韓国国防部がソンジュを配備地域として発表したのが昨年の7月13日。この暴挙に対し、小学生から若者、子どもをもつ母親、80代の女性にいたるまで、あらゆる人びとがパククネ政権への怒りを燃やして実力の闘いに立ち上がった。
 キャンドルを掲げた抗議行動は、その日の夕方から1日も途絶えることなく続けられてきた。住民たちはこの中で団結を固め、自らの闘いがもつ意義を確信していった。スローガンは「ソンジュ配備反対」から「朝鮮半島のどこにもサードはいらない」へと変わった。「北朝鮮の核」を持ち出して闘いをつぶそうとするパククネ政権の攻撃をはね返し、戦争反対を掲げて発展してきたのだ。
 追い詰められた国防部は、配備候補地域をソンジュの中心部から郊外にあるロッテ系列のゴルフ場の敷地に変えた。首相ファンギョアンはサードの早期配備を狙い、ロッテとの敷地交換契約締結を強行しようとしている。住民や議会の同意なしに新たな米軍基地を造ろうというのだ。
 しかしながら住民の闘いは不屈に続けられ、野党の屈服をのりこえて前進している。日本でもこの闘いに応え、朝鮮戦争を阻止する労働者の闘いを巻き起こそう。

韓国 サムスンTOPの拘束求め 雪のソウルに32万人

2017-01-26 20:41:08 | 世界の闘い




■韓国 サムスンTOPの拘束求め 雪のソウルに32万人
前進 速報版 2017年1月26日 13:20

拘束令状棄却で怒りの決起拡大
 「すでに国民の要求は単なるパククネの退陣を超えた。今回の機会に間違った社会を変えなくてはならない」「根本的に解決されたものがひとつもない。パク大統領が弾劾されても、権力が入れ替わるだけだ。財閥の問題を解決できない政権交代は何の意味もない」(1月23日付ハンギョレ新聞が報道した1・21集会参加者の声)
 21日に開催された「下野しろパククネ、変えようヘル朝鮮」第13回汎国民行動は、19日にソウル中央裁判所がサムスン電子副会長イジェヨンへの拘束令状請求を棄却したことへの怒りに満ちたものとなった。雪のソウル・光化門広場には前週の3倍にあたる32万人が駆けつけ、全国でも3万人以上が声を上げた。

 イジェヨンの容疑は、チェスンシルの支配する2財団への贈賄だ。見返りにパククネがグループ会社の合併に賛成するよう大株主の国民年金公団に圧力をかけ、イジェヨンがサムスングループの経営権を継承できるように取り計らったのだ。
 しかし結果は「大統領は弾劾できても、イ副会長の拘束令状は棄却される。『国の上にサムスンがある』」(同)というものだった。
 民主労総のチェジョンジン委員長代行は集会で「罪を問われていない財閥こそが本当の『陰の実力者』だ。財閥共和国を解体することが真の勝利だ」「大統領の顔だけを換えて終わりではない。財閥体制を終わらせ、皆がともに生きる社会をつくることがキャンドルの命令だ」と訴えた。
 サード配備撤回ソンジュ闘争委員会の代表も登壇し、配備予定地の住民たちが不屈に闘い続けていることを報告。サムスン電子サービスの労働者もイジェヨンの拘束を求める発言をした。また、パククネがセウォル号惨事を契機に自身に批判的な文化・芸術界関係者のブラックリストを作成させていた問題(主導した文化体育観光部長官と金淇春〔キムギチュン〕元大統領秘書室長は21日に拘束)をめぐり芸術家も発言に立った。集会後は青瓦台と憲法裁判所、財閥の本社や拠点に向けてデモが行われた。

革命に直結する財閥解体の闘い
 「財閥解体」のスローガンが多くの労働者民衆をとらえ、怒りをひとつにしているのはなぜか。財閥が巨額の収益を上げる一方で、労働者階級の誰もが「ヘル(地獄)朝鮮」の生きられない現実にたたき込まれ、すさまじい階級社会の矛盾を肌で感じているからだ。
 この現実は、労働者の闘いへの徹底的な弾圧を通じて生み出された。GDPの20%を占める韓国最大の財閥であるサムスングループは、70年以上も暴力的に「無労組経営」を貫き、偽装請負などの法律違反を好き放題行ってきた。サムスン電子は白血病の労働者への治療や補償を放棄し、労災認定も行わずに79人もの命を奪ってきた。
 こうした財閥によって社会が牛耳られる中で起こったのがセウォル号惨事であり、今回の「チェスンシルゲート」事件だった。「財閥解体」は、1%が99%を支配する社会を根底からひっくり返したい、そして地獄のような職場を変え、労働者が人間らしく生きられる社会をつくりたいという思いの詰まった革命のスローガンそのものだ。
 韓国の財閥は政治的にも経済的にも日帝と深い結びつきをもっている。改憲と労働法制改悪を狙う安倍を倒し、韓国の革命完遂へともに闘おう。

全米で数百万が反トランプ・デモ 大統領就任式を直撃 学校でピケット、港湾も停止

2017-01-24 06:11:01 | 世界の闘い

■全米で数百万が反トランプ・デモ 大統領就任式を直撃 学校でピケット、港湾も停止
前進 速報版 2017年1月23日 13:08
労組を先頭に怒りが爆発
 1月20日のトランプ米大統領就任式は出席者も少なく、かつてなく低調なものとなった。
 他方、"ダンプ・トランプ (トランプを放り出せ!)〟の掛け声でワシントンは席巻された。首都でも全米各地でも、60年代ベトナム反戦闘争時をも超える大きな結集となった。
 ランク&ファイル(現場労働者)の労働運動の新たな潮流がこの闘いを力強く牽引(けんいん)した。既成指導部をのりこえて労組執行部を次々に奪取していった全米の新たな教育労働者運動がその核となった。また、30年代のゼネスト以来戦闘的な団結を守り続けてきたILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)も就任式当日にオークランド港を停止させ、労働者の団結がもつ巨大な力を見せつけた。

教職員組合が統一行動闘う
 この全米統一行動の拠点であるロサンゼルスでは、UTLA(ロサンゼルス統一教組)の呼びかけに応えて、ホテル・レストラン労働者の組合UNITE―HEREローカル11(縫製・繊維・ホテル・レストラン労組第11支部)などの労働組合、保護者・生徒など1万人が各学校前でピケットを張り、デモ行進をした。「移民を拘束させるな!」「トランプ、デボス、ブロウド、ウォルマートと闘おう!」が主要なスローガンだ。
 デボス新教育長官は、兄がイラクのファルージャ大虐殺や拷問などで悪名高い民間軍事会社ブラックウォーターの経営者だ。労働者人民の血と汗を搾り取って築いた莫大(ばくだい)な一族の資産を使って学校の民営化を推進してきた実績を買われ、教育長官に任命されたのだ。
 ブロウドは、労働者を追い出して都市再開発を進めることで暴利を得てきた不動産王で、ロサンゼルスの学校民営化計画の中心人物だ。巨大スーパーチェーンであるウォルマートの経営者一族も教育民営化の主役だ。この資本はバングラデシュなどに生産を外注化し、工場火災や工場ビルの崩壊、ヤクザを使った労組活動家襲撃などで悪名高い。国内での労働者酷使・労組破壊とこうした海外生産が密接に結びついている。
 ILWUローカル10では、もともとクリントンを支持したAFL―CIO(米労働総同盟・産業別労働組合会議)既成指導部への批判が大きく、19日の総会での討議にもとづいて20日にオークランド港での就労を拒否し、貨物の取り扱いがストップした。
 クリントン支持のAFL―CIOの統制を破って闘ってきた全国統一看護師労組(NNU)も15日、「皆に健康保険を!」「プライス厚生長官任命反対」「セッションズ司法長官反対」などを掲げてトランプ政権反対の全米統一行動に立ち上がった。プライスはメディケア(高齢者医療制度)の民営化論者で、セッションズは露骨な差別主義者だ。
式典への入場を実力で阻止
 就任式を警備するために、当局は大量の警察官だけでなく州兵部隊を動員し、河川には沿岸警備隊の艦船を配置した。式典会場には検問所を通らないと入場できない。
 ところが、この検問所が反トランプ闘争のターゲットになった。「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」運動などが呼びかけた20日の行動は、スクラムや座り込みで各検問所の前を塞ぎ、トランプ支持者の入場を数時間も阻止した。鎖で体をバリケードに縛り付けた人もいた。
 これによって、ただでさえ少ない出席者がさらに削られ、会場はガラガラになったのだ。
 労働者人民の団結の固さを前に、トランプ支持者たちの中からスクラムを突破しようという者はほとんど現れなかった。マスコミは「トランプ現象」を「巨大な恐るべき力」と描いてきたが、現実には労働者人民の団結と戦闘性が圧倒した。
 翌21日の「女性たちの行進」では、主催者が計画した「20万人」をはるかに超えて50万人がワシントンに結集し、ロサンゼルスでは75万人がデモ、シカゴでも25万人が抗議行動に立った。全米各地、さらに世界各国でも行動が行われた。
 アメリカ労働者階級人民は自分たちの巨大な力を自覚した。〈政権発足後100日間の闘い〉は、さらに深く広く労働者の組織化に向かっている。労働者国際連帯をさらに発展させ、トランプ、安倍、パククネを葬り去ろう。


韓国 セウォル号惨事から1000日 〝財閥トップ拘束を〟

2017-01-20 06:11:38 | 世界の闘い


■韓国 セウォル号惨事から1000日 〝財閥トップ拘束を〟
前進 速報版 2017年1月19日 12:47

 1月7日、本年第1回目、のべ11回目となるキャンドル集会がソウル・光化門広場で開催され、60万人が集まった。2014年4月16日のセウォル号惨事から1000日目となる9日を前に、「パククネは下野し、セウォル号は揚がってこい」を掲げて事件の真相究明と責任者処罰を求める集会となった。
 本集会に先立って行われた「4・16セウォル号惨事国民調査委員会発足式」では、生還した学生9人が初めて登壇して自らの思いを訴えた。代表は「後で友人と再会したときに、君たちに恥ずかしくないよう頑張って生きてきたと、私たちと君たちを引き離した人たちを全員見つけ出して責任を問い、十分に罰を受けさせたと、堂々と話せるようになることを望みます」と述べた。

今日のパククネに対する怒りの決起の発火点こそ、セウォル号惨事をめぐる遺族の闘いだ。規制緩和による老朽船の利用、外注化による救助体制の崩壊に加え、パククネ政権は迅速な対応を放棄し、助かるはずだった命を見殺しにした。これは単なる事故ではなく、新自由主義が極限まで推し進められる中、大資本と政府の癒着により引き起こされた国家による虐殺だ。船体引き揚げを要求する遺族の声は無視され続け、犠牲者304人のうち9人は、今なお冷たい水の中に沈んだままとなっているのだ。
 民主労総は全教組を先頭に、遺族に寄り添って闘ってきた。人の命よりもカネもうけを優先させる新自由主義を告発するセウォル号遺族たちの人生をかけた闘いは、鉄道労組のストライキと並んで韓国の労働者民衆の闘いを根底で支えてきた。
高まる財閥への怒り
 この冬一番の冷え込みとなった14日にも、パククネの即刻退陣・早期弾劾、財閥トップ拘束を求めて第12回汎国民行動が行われ、ソウル13万人、全国各地1万6千人が行動に立った。
 本集会では、サムスンLCD工場に勤務し脳腫瘍(のうしゅよう)をわずらった労働者の母親が「カネと権力でランク付けする世界ではなく、人間の尊厳と価値が尊重される世界でなければならない」と訴え、現代自動車非正規職支会のイソンデ代議員は「財閥をなくし、正規職と非正規職を分断している境界線をなくさなければならない」と決意を述べた。
 光化門広場に隣接する米大使館の壁には「NO THAAD(サードはいらない)」の大きな文字が映し出された。集会後のデモは青瓦台や首相官邸、憲法裁判所などに加えて財閥を直撃するコースも設定され、都心のSK、ロッテ、ハンファ、GSなどの財閥資本の建物前では「パククネ退陣」「早期弾劾」「ファンギョアンは辞めろ」のコールが響き渡った。
 これに先立つ9〜14日には「財閥トップ拘束集中行動期間」として連日、現代、サムスン、ロッテなどの財閥本社を直撃する行動が行われた。
 14日にも、サムスン電子の半導体工場で働いていたキムギチョルさんが急性骨髄性白血病で31年の生涯を閉じた。サムスンは労災とも認めなかった。これまでサムスンの工場で命を奪われた労働者は79人に上り、その多くが青年労働者だ。労働者たちの命と引き換えに巨額の富を築いてきたのが巨大財閥サムスンだ。このような社会が続いていくことなど、どうして許せるか! サムスン労働者と家族たちの怒りと悔しさこそが、贈収賄をめぐってサムスングループの事実上のトップであるイジェヨンをパククネ同様に引きずり出し、拘束令状を出させたのだ。
 「1987年の6月抗争は憲法を変えたが、2017年のキャンドル市民の闘いは世の中を変える闘いだ」(14日キャンドル集会での発言)という決意をともにし、安倍打倒―ゼネスト実現の2017年決戦を闘おう。

写真〕「イジェヨンを監獄へ」と訴えるサムスンの労働者


ロンドン 〝一人乗務反対〟掲げ 地下鉄・南部鉄道で連続スト

2017-01-19 19:40:49 | 世界の闘い


■ロンドン 〝一人乗務反対〟掲げ 地下鉄・南部鉄道で連続スト
前進 速報版 2017年1月19日 12:36

「安全守れ」と訴え
 EU(欧州連合)離脱問題で揺れるイギリスで1月9日、RMT(鉄道海運運輸労働組合)とTSSA(運輸従業員組合)に所属する4千人のロンドン地下鉄労働者が24時間ストライキに突入した。ロンドン地下鉄の11路線中8路線が10日の夕方まで遮断された。
 労働組合は「安全を守れ」をスローガンに人員削減反対、切符窓口閉鎖反対、無人駅反対などの要求を掲げて闘っている。さらにRMTは、交渉が決裂したら2月6日から新たなストを組織すると宣言している。

 この間、ロンドン地下鉄では1人乗務あるいは車掌・駅員がプラットホームに出ないことを原因とする事故が頻発している。ベビーカーがドアに挟まれたまま列車が発車したり、障害者が突き飛ばされたりしたことをマスコミが大きく取り上げ、問題になっている。その中で「安全」を掲げるRMTのストのピケットには障害者団体が参加するなど、労働組合と乗客との交流・連帯が進んでいる。
 さらに南部鉄道では、ASLEF(鉄道運転士組合)が1月10、11、13日に1人乗務に反対してストに入り、続いて1月24、25、27日にもストを行うとしている。
RMTが運輸省批判
 RMTは昨年からのストについて、次のような見解を発表し、運輸省を批判した。
 「今回提出された運輸省の文書は、公共交通に次のような危険をもたらす。業務の水準の低下、乗客への安全対策の後退、運賃の値上げ、1人乗務の導入、人員削減、安全基準の引き下げ、雇用条件の悪化、年金の削減、鉄道業務の機動性とアクセスの低下、車両・保守への新規投資の制限、非正規職労働者の頻繁な採用」
 RMTはまた、五つのスローガンを闘争の柱に据え、乗客にもストへの理解と支持を訴えている。「①鉄道業務(サービス)を守ろう②車掌を守ろう③駅職員を守ろう④検修労働者を守ろう⑤清掃労働者と保守労働者を守ろう」
 こうした鉄道ストの波に対して、保守党のメイ首相は「無意味なスト」と非難し、ロンドン市長のサディク・カーンは労働党だが「スト弾劾」を表明した。政治家の反動を打ち破って、ストは闘いぬかれている。
低賃金の「混合部隊」
 さらにイギリスでは、1月10、11日に英国航空(ブリティッシュ・エアウェイズ)の客室乗務員が低賃金に抗議してストを行った。
 ストに立った客室乗務員は「混合部隊」(ミックスト・フリート)と呼ばれている。経営者が昨年のストへの対策として新たに採用を開始した低賃金・短期雇用・無権利の非正規職労働者である。業務は長距離便と短距離便の両方にわたり、賃金は従来の客室乗務員の半分以下で、時間給・成績給などを組み合わせた構造になっている。客室乗務員の間に分断を持ち込む格差賃金である。この「混合部隊」の労働者の大半はダブルジョブをやらなければ生きていけないと訴えている。
 「1人乗務反対」「安全を守れ」「非正規職反対」は世界共通の課題だ。イギリス、韓国の鉄道労働者と連帯し3月ダイヤ改定阻止へ闘おう。

写真〕昨年、街頭で「車掌を残せ。安全を守れ」の横断幕を掲げる南部鉄道のRMT組合員

ファン首相退陣へ 韓国で闘い続く 100万民衆決起、年を越す 国家保安法弾圧と全面対決

2017-01-14 06:44:03 | 世界の闘い




■ファン首相退陣へ 韓国で闘い続く 100万民衆決起、年を越す 国家保安法弾圧と全面対決
前進 速報版 2017年1月12日 15:49世界の闘い民主労総, 韓国

 韓国では、パククネ政権打倒の闘いの真っただ中で年が明けた。パククネは弾劾訴追され、大統領職務を停止されたが、民衆が要求したことはまだ何も解決していない。パククネの代行として登場したファンギョアン首相のもとで、政権の延命を狙う必死のあがきが強まっているからだ。これとの一層激しい闘いが始まった。

「反国家文書」の流布で逮捕
 1月5日、「労働者の力」代表であり、鉄道労組の組合員であるイジニョンさんが、国家保安法違反の容疑で逮捕・拘束された。イジニョンさんは、昨年11月国際共同行動でほかの民主労総組合員とともに来日し、11・6労働者集会に参加して一緒に闘った仲間だ。また鉄道労組ソウル本部の一員として、74日間のストライキをその先頭で闘った活動家でもある。この弾圧は、民主労総の闘いと日韓労働者の国際連帯の発展に恐怖したパククネ―ファンギョアン政権が、民主労総の中心に立つ鉄道労組つぶし、国際連帯つぶしを狙って仕掛けたものだ。断じて許すことはできない。
 逮捕の理由も本当に許しがたい。イジニョンさんはネット上に電子図書館を開設して、マルクス主義の文献や社会科学の本を労働者が無料で読めるようにしていた。それが国家保安法7条の「利敵表現物の配布」に当たるというのだ。国家保安法は「反国家活動」を取り締まる法だが、「利敵表現物」とはそうした活動を宣伝・扇動する文書や絵などを指している。
 公安警察はマルクスやレーニンの文献はもとより、『資本論』の解説本や、イギリスの歴史学者E・H・カー著の『ロシア革命』まで押収した。どれも今まで書店で普通に売られてきた本だ。カーの本の押収理由について検察は、韓国の学生たちに「ロシア革命と同じやり方が必要だ」と思わせる余地があり、「左翼的な革命方法を学ぶ目的で悪用される本」だと説明したという。
 ここに明らかなようにファンギョアンは、パククネ打倒の闘いを韓国における労働者革命の始まりと感じ、その圧殺のために必死で動き出している。だがこんな歴史の歯車を50年前、100年前に巻き戻すような弾圧は、人民の怒りの火に油を注いでいる。
 イジニョンさんは5日に記者会見を開いて逮捕令状発布を真っ向から弾劾し、徹底的に闘う決意を表明した後、拘束された。記者会見には鉄道労組ソウル本部のパクチョンソン本部長も同席し、「国家保安法は悪法中の悪法だ」「労働運動をしばり、政治活動と思想・表現の自由を抑圧する策動を絶対に許すな」と訴えた。
 民主労総本部と公共運輸労組はそれぞれ6日に声明を出して不当逮捕を弾劾した。公共運輸労組は「公安勢力は生き残るために国民との戦争を宣言した」とし、権力の抑圧機構の解体こそが必要だと提起。民主労総の声明は、「キャンドル革命で一掃すべき積年の弊害が山積している」と、イジニョンさんの即時釈放とともに国家保安法の廃止へ向けて、今こそ全力で立ち上がろうと呼びかけた。
必死の延命に走るパククネ
 1・5弾圧の背景には極限まで追いつめられたパククネとファンギョアンの姿がある。パククネ弾劾のキャンドル集会とデモは国会での弾劾訴追決定後も続き、怒りはますます高まっている。
 ソウルの光化門前に集まった人の波は、12月3日の170万人(全国232万人)を頂点に、弾劾決議可決後の12月10日80万(全国104万)、17日65万(同77万)、24日60万(同70万)と途切れることなく続いた。大みそかの12月31日には再びソウル90万(全国100万)に拡大し、昨年10月末以来10回に上るキャンドル集会の参加者はのべ1千万人を超えた。
 新年のカウントダウンは広場を圧倒する「パククネを拘束しろ!」の声で迎えられた。ファンギョアン首相にも「パククネの共犯者」として即時退陣を求める声が続々と上がった。その先頭には労働者とともに、10代、20代の青年・学生が立っている。
 財閥と国家が一体となって99%の労働者人民を搾取し抑圧し支配してきたその実像が、今や次々と暴かれているのだ。パククネと韓国支配階級はもはや、むきだしの国家暴力の発動以外に、民衆の怒りを抑え込むのは不可能なところに立たされている。
 1月3日から始まった弾劾裁判でパククネは憲法裁判所への出廷を拒否し、ついに公然と開き直りを開始した。5日の法廷で、パククネの弁護人はキャンドルデモを「親北朝鮮系の労働組合が主導しており、民意ではない」と主張した。民主労総の闘いへの恐怖の吐露であり、語るに落ちるとはこのことだ。
 労働者人民による政権批判や反政府運動を「北朝鮮の手先」と言いなして、極右勢力をも動員して弾圧する。これが南北分断後の韓国における支配階級の伝統的手口だった。しかしこんなインチキで卑劣なやり方はもう通用しない。時代は完全に変わったのだ。
財閥のトップも拘束しろ!
 民主労総は1月2日、今日の韓国労働運動の原点を築いたチョンテイル青年とその母イソソンさんが眠るソウル郊外の墓地で新年の旗開きを行った。チェジョンジン委員長代行を先頭に「再びハチマキを締め直し、パククネ政権とその共犯者全員を退陣させ、『ヘル(地獄)朝鮮』を根底から変革する社会革命へと思い切って踏み出そう」「キャンドルの灯をさらに大きくし、民主労総がその先頭に立とう」と誓い合った。
 民主労総と民衆総決起闘争本部は、パククネの職務停止後も「変わったものは何もなく、抗争はまだ終わっていない」とあらためて宣言した。次の目標は「パククネなきパククネ体制」であるファンギョアン内閣の退陣と、パククネ政権が推進してきた全政策の廃棄、そして最大の核心問題である財閥の解体だ。「財閥の総帥を拘束しろ!」はすでに全人民の叫びとなっている。
 労働者革命の道に踏み出した韓国労働者人民に学び、連帯し、日本でのゼネスト実現と安倍政権打倒へ向けて、2017年の闘いを始めよう。

写真上〕「パククネ拘束!」「ファンギョアンも退陣しろ」と叫ぶ90万人のキャンドルの波。先頭にセウォル号遺族
      が立った(12月31日 ソウル)
写真下〕記者会見で国家保安法弾圧を弾劾するイジニョンさん(前列左から2人目)(1月5日 ソウル)

釜山に少女像設置 日本政府の圧力をはねのけ「慰安婦合意」破棄へ闘おう

2017-01-13 12:31:29 | 世界の闘い


■釜山に少女像設置 日本政府の圧力をはねのけ「慰安婦合意」破棄へ闘おう
前進 速報版 2017年1月12日 15:38

 パククネ政権の腐敗した正体が暴かれた今、パククネが推進した政策をすべて廃棄しろとの要求が全人民の声となった。その中でも労働改悪攻撃の中止やサード配備の撤回と並んで最大の課題に浮上したのが、一昨年末に日韓両政府が当事者の意思を踏みにじって強行した日本軍軍隊慰安婦問題での「日韓合意」の破棄である。
 昨年12月28日、釜山の日本総領事館前に新たな「平和の少女像」が登場した。「合意」に怒った釜山の労働者や学生、市民が、慰安婦とされた女性たちの苦難の歴史を二度と繰り返させないという決意を込めて、基金を集めて建立したものだ。行政当局がいったん強制撤去したが、すぐさま市民の抗議が殺到し、2日後の30日には民衆の手で実力で再設置された。

 これに対して許せないことに、日本政府は少女像の即時撤去を要求し、対抗措置として駐韓大使の引き上げや日韓経済協議の中断を強行した。宣戦布告にも等しい行動であり、むき出しの脅しで韓国側の屈服を迫るものである。
 安倍首相らは「合意違反」と非難するが、そもそも日韓合意とは、慰安婦問題の「最終的・不可逆的解決」と称して韓国政府を10億円の金で買収し、日帝の戦争犯罪への怒りの声を二度と上げさせまいとしたものだ。そして今、「金を出したんだからもう黙れ、碑など建てるな」と迫ること自体が実に盗っ人たけだけしい。そこには加害者としての反省などかけらもない。安倍に同調し、翼賛する既成の全政党やメディアも同罪だ。
 安倍政権のこの凶暴な対応は、朝鮮侵略戦争の準備と一体であり、韓国で始まった革命が日本に波及することへの恐怖の現れである。韓国人民の安倍政権への激しい怒りを共有し、日韓合意の破棄を求めて闘おう。

「ファンギョアンも退陣しろ!」ソウルで60万のキャンドル集会続く

2016-12-28 22:38:52 | 世界の闘い






■「ファンギョアンも退陣しろ!」ソウルで60万のキャンドル集会続く
前進 速報版 2016年12月28日 12:52

 ソウルでは厳寒の中、パククネ政権の完全打倒を求める労働者民衆の闘いが依然として続いている。12月初め、ソウル170万、全国232万にまで上り詰めた怒りの大決起はパククネを弾劾訴追と大統領職務停止に追い込んだ。だがその後、パククネに代わって大統領権限代行に就任したファンギョアン首相のもとで、パククネの居直りと延命への必死のあがきが激化している。これへの新たな怒りの爆発が、「パククネ即刻退陣、共犯処罰・弊害清算」を掲げた第8次・第9次のキャンドル行動として闘いぬかれた。

 12月17日の第8次行動にはソウルで65万人(全国77万人)が決起し、大統領官邸や首相官邸、憲法裁判所を包囲するデモを展開した。隊列の先頭には、救命胴衣を身につけたセウォル号遺族が立った。24日のクリスマスイブに行われた第9次行動では、日中の最高気温でも1・1度という寒さの中、光化門広場に再び60万人(全国70万人)が集まった。「ファンギョアンはパククネだ!」「ファンギョアンは退陣せよ!」の叫びがソウル都心に鳴り響いた。
 民主労総はパククネが延命を求めて極右勢力の再結集にのりだしているとし、パククネ政権の息の根を止めるためにはファンギョアン内閣と全財閥を「共犯者」として処罰し一掃する必要があると訴えている。労働改悪やサード配備など、パククネ政権が行ってきた全政策の即時廃棄も不可欠だと要求している。12月21日には各組合の中心的活動家約2000人を集め、財界団体である全経連の前で、「パククネ即時退陣と政策廃棄!犯罪者・財閥総帥拘束!違法組織・全経連解体!パククネの共犯政党・セヌリ党解体!」を求める決意大会を開いた。その場でチェジョンジン委員長代行は、「財閥が変わらなければ、私たちの社会は何も変わらない。財閥がある限り、富める者と貧しい者への社会の二極化は続いて、独占資本による搾取構造は強化されるしかない」」と提起した。そして「私たちは100万民衆総決起の力で与党を少数派に転落させ、抗争のキャンドルで国会をも覆した。今では世界を変えるキャンドルで、民主労総が中心に立つ」とし「民主労総が何を求めて、何を生かして、何をすべきか悩まなければならない時が来た」と訴えた。
 12月22日には、現代重工業労組が全組合員1万4500人の総投票により76・3%の賛成を得て民主労総・金属労組への加入を正式に決定した。
 民衆総決起によるキャンドル集会は、大晦日の12月31日にも続けられる予定だ。闘いは年を越し、2017年にさらに質量ともにより大きな発展を遂げていこうとしている。日本のわれわれも、これに続いて総決起していこう!(S)

パククネと全面対決した鉄道労組スト74日の地平 成果給・民営化攻撃粉砕へ 不動の団結築き闘い継続

2016-12-20 07:11:52 | 世界の闘い






■パククネと全面対決した鉄道労組スト74日の地平 成果給・民営化攻撃粉砕へ 不動の団結築き闘い継続
前進 速報版 2016年12月19日 11:05

 12月9日午後2時、韓国・鉄道労組は無期限ストを終結した。9月27日からの74日間にわたる偉大なストライキは、民主労総ゼネストを支える最大の支柱となり、ついにパククネを大統領職務停止に追い込んだ。そしてソウル地方本部を先頭とする闘う鉄道労組組合員は、職場に復帰したその日から直ちに新たな闘いに入った。成果年俸制の全面廃棄とパククネ「労働改悪」の完全粉砕へ向けて、第2ラウンドの一層決定的な激闘が始まった。

●「成果主義と競争は悪」への価値観の転換かちとる
 パククネを弾劾に追い込んだ力は、韓国の労働者人民の内部に積もりに積もった新自由主義への怒りの大爆発である。社会の大多数を占める労働者階級や農民、都市の零細自営業者など働く人民のすべてが「もはや生きていけない」状態にたたき込まれる一方で、一握りの財閥大資本が人民大衆の貧困を逆に食い物にして肥え太ってきた。この財閥と国家権力との結合のもとで「命より金」という腐敗が全社会に強制され、社会全体の崩壊を生んできた。もう我慢できない! この現実を根底から覆さずにはおかないという怒りと決意が、パククネ政権打倒の決起となって一斉に噴き出したのである。
 それを可能にしたのは民主労総の9月末からの大ゼネストだ。その最大の牽引(けんいん)車となったのが、鉄道労組の無期限ストライキだ。
 パククネ政権は新自由主義をさらに極限まで推し進めるために、全労働者への雇用・賃金破壊と総非正規職化の攻撃を推進した。民主労総は昨年来、何波にもわたるゼネストでこの「労働改悪」攻撃を粉砕してきた。追い詰められた財界と政府は今年に入って、公共部門への大民営化攻撃を仕掛けた。その突破口として、成果主義賃金の導入を就業規則の一方的変更によって押し付けようとしてきたのだ。
 これに対して民主労総は鉄道労組・公共運輸労組を先頭に、「成果年俸制・成果退出制絶対阻止」を掲げて9月27日からこれまでを上回る大ゼネストに突入した。同時に連日、街頭に出て、全人民にストの正義性を真正面から訴えて闘った。
 とりわけ決定的だったのは、鉄道労組を先頭にしたこのストライキが、「成果を挙げた者が報われるのは当然」というブルジョア・イデオロギーを真っ向から打ち破る闘いとして展開されたことである。逆にストライキ労働者の「成果主義と競争は隣の仲間を蹴落として自分だけ生き残ろうとすることだ。人間社会の共同性を根底から破壊するものだ」という訴えが、全労働者、全人民の魂を急速につかんだ。
 さらに、「私たちは社会のために働いてきた。その労働を資本の金もうけの手段に転落させるなど許さない」という公共部門労働者の誇りに満ちた闘いが、ストへの圧倒的共感を呼び起こした。この支持と共感は「不便でも大丈夫」という声となり、壁新聞となって街中に貼り出された。鉄道労組のもとには2カ月の間に、50億ウォンにも達する巨額のスト支援カンパが寄せられた。
 2013年末に闘われた鉄道労組の23日間のストライキも、民営化反対の圧倒的世論をつくり出した。だが今回の74日間のストはそれをも超え、資本主義の競争原理そのものを否定しその粉砕を求めるという価値観の巨大な転換を、全社会的な規模で生み出したのだ。
 そして今、100万、200万の民衆がパククネ打倒とともに「財閥解体」を掲げ、社会の根底的変革へ向けて総決起するという、歴史的な革命情勢を引き寄せるに至っている。
全組合員が心を一つにし賃金も分け合って闘った
 9・27の無期限スト突入は、鉄道労組にとって簡単な闘いだったわけではない。それはまず13年末の23日間ストへの報復攻撃の嵐と対決するところから始まった。指導部への刑事弾圧、活動家の大量解雇をはじめとした重処分、そして巨額の損害賠償請求との格闘である。その中から一歩一歩、職場の団結を打ち固め、再び大闘争をやりぬく力をつちかい、満を持して今回の決戦に突入したのである。
 74日間のストを特徴づけたのは、何よりも一人ひとりの組合員の主体的で自己解放的な決起と、そこに生まれた比類のない団結だ。ストライキが長期化するに従い、組合員の戦闘精神は弱まるどころか逆にますます高揚した。
 鉄道公社は、ストが4週目に入ろうとした時点でスト参加者全員に、10月20日までに業務復帰しなければ処分するとの最後通告を行った。管理者を総動員して家族をも脅迫した。だが21日朝も7330人がストに入り、通告に応じたのはわずか31人にとどまった。10月25日の集会で、組合員は闘いへの確信を次のように語った。「私の人生の中で最も意味のある幸せな1カ月、職場の大切さを悟って、同僚との信頼を強固にした1カ月。時間がたつにつれ、私たちを疲れさせるのではなくよりたくましくした1カ月」と。
 窮地に立った公社と政府は、スト破壊のために軍の兵士をも代替要員として投入した。その結果起きた事故の続発、安全の一層の崩壊は、鉄道労働者と全社会の怒りをさらに燃え立たせた。
 とりわけ重要なのは、ストに入った組合員と必須維持業務に従事する組合員とが、完全にひとつに団結して闘いぬいたことである。
 韓国では、「必須維持業務」とされた職場の労働者がストに入ることはあらかじめ禁止されている。鉄道の場合、その範囲は車両整備や線路の保守、電気・信号・通信、施設管理などきわめて広い。鉄道労組の組合員1万8600人のうち、実際にストに入れるのはその半分でしかない。今回の無期限ストはこの分断を圧倒的に突破して闘われた。無賃金を強いられるスト参加者の生活を支えるために「賃金公平基金」が設けられ、ストに入らない組合員が自己の賃金を削って拠出するという闘いが全職場で展開されたのである。74日間もの超長期のストを一糸乱れず闘いぬいた力の源泉はそこにある。
 12月9日をもってストはいったん終結したが、組合内には「あと2カ月でも3カ月でも闘える」という確信と決意がみなぎっている。もはやどんな手段を使っても、この団結を切り崩すことは絶対にできない。
動労千葉との国際連帯を強め社会の全面的変革へ
 スト終結を導いた12月7日の労使合意は、成果年俸制には一言も触れていない。このことをめぐって組合内では激しい議論が交わされた。この激論を経て鉄道労組は、成果年俸制導入絶対阻止を再確認し、体制を再整備して次の闘いに進むことを宣言した。
 民主労総もまた12月12日、声明を発して鉄道労組の闘いをたたえ、その切り開いた地平の大きさを確認すると同時に、労働改悪・成果年俸制の完全廃棄へ向けて全力を集中し、直ちに新たな闘いに突入しようと訴えた。
 パククネ政権も鉄道公社も、攻撃の貫徹をまだ何ひとつあきらめてはいない。74日間のストが偉大であればあるほど、彼らは鉄道労組の破壊にますます襲いかかってくるだろう。だが労働者階級は、そうした反動との対決をくぐり抜ける中で、自己をさらに打ち鍛えて前進する。その道はすでに始まっている。
 鉄道労組ソウル本部の前本部長であるオムギリョン氏は、社会変革労働者党の機関誌『変革政治』に掲載されたインタビューで語っている。鉄道労組の闘いがいま一つ前に進むためには、現在のピルゴンスト(必須維持業務を除いたスト)の限界を超えて進む必要があるのだと。合法的形式の枠を突破して「本当に列車を止めるスト」をやりぬくということだ。
 パククネ弾劾を実現した決定打は、「正義は法の上にある」と宣言し、政治スト=「違法スト」となるのを承知で敢行された民主労総の11・30ゼネストだった。同様に、体制の根底的変革をかけた決起こそが真の勝利への道を開くという問題がここで提起されている。
 さらに、貨物連帯の組合員1万4千人が10月、鉄道労組に連帯してストに決起したのも重要だ。貨物連帯のストが1週間で終わらず何週間も続いていたら、物流の完全な停止が現実となり、パククネをさらに追い詰めていたのは間違いない。
 動労千葉は、鉄道労組ソウル本部との交流・連帯をとおして相互に学び合い、分割・民営化絶対反対の立場と路線を一層深め、発展させてきた。この鉄道労働者の国際連帯は今、日韓を軸にドイツやアメリカへと拡大し、さらに全世界に広がろうとしている。韓国鉄道労組の決起に続き、動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭に、今こそ民営化・外注化・分社化攻撃粉砕の決戦に突入し、ともに勝利しよう。
〔坂本千秋〕

〔写真上〕全国労働者大会の最前列に(11月12日 ソウル)
〔写真中〕ストが長期化する中、家族もともに闘った(10月)
〔写真下〕鉄道労組ストがパククネを弾劾に追い込む巨大なうねりをつくり出した。写真は12月17日のソウル

韓国 ハンサンギュン委員長への有罪判決弾劾

2016-12-15 21:32:45 | 世界の闘い


■韓国 ハンサンギュン委員長への有罪判決弾劾
前進 速報版 2016年12月15日 17:34

 12月13日、ソウル高裁で昨年11・14民衆総決起闘争で拘束中のハンサンギュン民主労総委員長に懲役3年・罰金50万㌆(約5万円)、ペテソン前組織室長に1年6カ月の不当判決が出された。写真は、判決後に「崩壊した不法権力の顔色をうかがった司法部の政治判決 ハンサンギュン委員長に対する有罪判決を糾弾する」の横断幕を掲げて行われた糾弾記者会見(12月13日 ソウル)

韓国 パク拘束・財閥解体へ 真の闘いはこれからだ 労働者権力樹立へ前進しよう

2016-12-12 20:35:36 | 世界の闘い
■韓国 パク拘束・財閥解体へ 真の闘いはこれからだ 労働者権力樹立へ前進しよう
前進 速報版 2016年12月12日 11:39

 12月9日、韓国国会でパククネ大統領の弾劾決議が可決された。民主労総を先頭とする200万人の怒りの総決起が国会をも追いつめ、実力でもぎとった結果である。だが闘いの真の正念場はこれからだ。パククネ政権の延命の根を完全に断ち切り、さらに次の権力を誰が握るかこそが問われている。労働者権力の樹立―革命に向けた本格的な大格闘が始まった。

弾劾可決は闘いの始まり
 12月9日午後、国会前広場を埋めた労働者人民の中から一斉に歓声が上がった。パククネ弾劾決議が賛成234、反対56の圧倒的多数で可決されたのだ。ソウルの街頭を制圧してきた巨万の民衆決起のうねりが議会内与野党によるペテン的収拾策動をもすべて粉砕する中で、ついにパククネを実力で大統領職務停止に追い込んだのである。
 だがこれはほんの始まりだ。決着は何ひとつついていない。誰もがそのことを感じている。必要なのはパククネを即刻退陣させ、獄にたたき込むことだ。パククネとその共犯者全員を処罰し、とりわけ最大の黒幕である財閥を解体することだ。民主労総はすでに「財閥を解体しなければ第2、第3のパククネが出てくる」と訴え、その闘いに全力で突き進んでいる。
 実際にパククネは断崖絶壁に追いつめられながらも延命の道を探っている。9日の夕方には各省庁の長官を集めて憲法裁判所で争う意志を示すとともに、政府が推進してきた国政課題は「最後まで進めてほしい」と要求した。軍隊慰安婦の日韓合意、高高度迎撃ミサイルシステム(サード)配備、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結などの戦争政策とともに、労働法制大改悪と労組破壊の攻撃を中止するなということだ。
 これに対して弾劾可決の翌日、再びソウルで80万人、全国で100万人を超えるキャンドルの火が燃え上がった。全国1503団体を組織する主催者の「パククネ政権退陣非常国民行動」は、パククネの態度は「国民への新たな宣戦布告」だと断罪し、即時退陣と拘束、内閣総辞職、与党・セヌリ党解体を求めた。その中心に立つ民主労総は、パククネの全政策を即時廃棄し、韓国社会の全面的変革へ突き進もうと訴えた。革命への本格的第一歩が始まった。
労働組合の絶大な力示す
 今やパククネと全支配階級は恐怖のどん底にたたき落とされている。パククネを擁護する極右勢力は10日、100万人決起に対抗する集会を開いたが、動員力は最大で4万に落ち込んだ。そこでは「従北左翼勢力が民衆革命を完成するために行動している。このままでは体制が崩壊する」との悲鳴が上がっている。
 彼らは、民主労総をはじめ資本や権力に立ち向かう者をすべて「従北勢力(=北朝鮮の手先)」と呼び、その圧殺を求めてきた。だが今や、その民主労総が全人民の怒りの結集軸、闘いの指導部へと押し上げられていることに、プロレタリア革命の現実性を見て震え上がっている。
 事実、パククネ打倒の闘いをここまで発展させてきた原動力は民主労総のゼネスト闘争だ。資本と絶対非和解で不屈に闘う労働組合の存在が、社会を崩壊させてきた新自由主義への全人民の根源的な怒りを解き放ち、ひとつに結集する求心力となった。とりわけ9月末以来の鉄道労組の無期限ストを先頭とする公共運輸労組のゼネストは、資本の競争原理の犯罪性を全社会に暴いた。そしてストに決起した労働者の階級的団結とその発展の中にこそ、資本が破壊した人間社会の共同性を奪還していく道があることを示したのだ。
 労働組合が本気でゼネストに決起すれば、資本と権力の強大な支配も打ち破れる。労働者階級の団結の中にはこの社会を変える力がある! 韓国での闘いはこのことを全世界に示している。
中間的決着はありえない
 闘いは新たな段階に突入した。いま始まった韓国における革命への道が最後の勝利を手にできるか否か。その一切は、これから始まる革命と反革命との一層巨大な激突にかかっている。
 第一に、パククネの巻き返しのための絶望的あがきは必至だ。パククネに代わって全権限を代行する座についたファンギョアン首相は検察出身の超タカ派で、2014年末に国家保安法を発動して統合進歩党を強制解散に追い込んだ張本人だ。この首相と内閣全員をパククネもろとも即刻退陣させ、財閥の頭目と一緒に監獄にぶち込んで、延命の根を根底から断ち切ることである。
 第二に、既成のブルジョア野党勢力などによる一切の中間的な政権の登場を許さないことだ。ハンサンギュン民主労総委員長が言うように、1987年の民主化大闘争がチョンドファン軍事独裁政権を打倒しながらその同類でしかないノテウを政権の座につけた過ちを、再び繰り返してはならない。闘いの体制内的収拾に動くあらゆる勢力をぶっとばし、労働者権力の樹立を正面に掲げて進む時が来ているのだ。
 何よりもハンサンギュン委員長を直ちに獄中から奪還することだ。パククネ打倒後の国家権力を韓国の全民衆が唯一、信頼して託せる人はハンサンギュンだ。財閥と全経連(日本の経団連に当たる)の解体と一体で、全政治犯の釈放と国家保安法の廃止をかちとり、資本家階級の全権力機構を徹底的に粉砕すること。その上に初めて、真の労働者民衆の権力を打ち立てることができる。
 第三に、パククネと韓国支配階級の最後の選択肢は日米帝国主義の懐に飛び込むことだ。米帝や日帝と結託し、朝鮮半島での新たな戦争突入により韓国全土を非常体制にたたき込み、軍隊の制圧下で一切の闘いを圧殺することだ。帝国主義の側もそれを意識し、日帝・安倍を先頭に対北朝鮮の戦争発動への準備に猛然と動き出している。
 このすべてに勝ちぬくには、プロレタリア革命の確固とした思想・綱領と路線をもった労働者階級の党の建設が絶対不可欠だ。韓国の労働者階級が、民主労総の闘いの巨大な前進と一体でそこへの挑戦をやりぬくことに一切がかかっている。
日韓労働者の連帯今こそ
 韓国の労働者階級が全民衆を率いてプロレタリア革命への前進を開始した今、日本でこれに続く闘いをやりぬくことは待ったなしの課題だ。日帝ブルジョアジーと安倍政権はすでに、パククネ政権の倒壊は日本の「国家安全の危機」に直結すると言い、自らもまた打倒されると感じておびえている。そして韓国の革命を圧殺するためにも、日米韓軍事同盟による朝鮮戦争への突進に拍車をかけている。
 戦争を始まる前に止める! この闘いが決定的に重要となった。その最大の鍵を握るのは日本の労働者階級だ。日本の労働者が民主労総のように戦争と労働法制改悪に絶対反対を貫き、安倍政権打倒のゼネスト闘争に立ち上がるなら、戦争を阻止して韓国人民とともに世界革命への道を切り開くことは必ずできる。その突破口として2017年の国鉄決戦を闘おう。〔坂本千秋〕

12・10ソウル 80万が新たな闘いを宣言

2016-12-12 20:30:16 | 世界の闘い




■12・10ソウル 80万が新たな闘いを宣言
前進 速報版 2016年12月12日 11:29

 国会の弾劾決議から一夜明けた12月10日、ソウルの街頭は再び「パククネ即時退陣」を叫ぶ人の波で埋まった。昼前から続々と集まった労働者・農民・学生などの隊列は午後4時過ぎには20万人に達し、夜に入ってさらに増加し午後8時半には80万人に膨れ上がった。釜山、光州など全国を合わせると計104万人だ。
 午後6時から光化門広場で開かれた退陣行動(パククネ政権退陣非常国民行動)の集会では、「パククネはまだ巻き返しを狙っている」と、パククネ即時退陣と共犯者全員の処罰を求めてさらに闘いぬくことが確認された。セウォル号遺族、梨花女子大総学生会会長、「財閥の頭目を拘束しろ!」を掲げて発足した財閥拘束特別委員会の代表などが、必要なのは腐敗した権力の根を完全に絶つことだと訴えた。
 民主労総はこの日の記者会見で、弾劾は終わりではなく新たな闘いの始まりだと宣言した。労働改悪や鉄道民営化、サード配備などパククネの全政策を廃棄し、財閥支配の解体へ全力で闘う方針が打ち出された。【写真上は大統領官邸包囲デモに立つ民主労総。下は「パククネを拘束しろ」のボードを掲げる参加者】

12・3韓国 〝財閥解体、共犯者は獄へ〟 セヌリ党本部にも弾劾デモ

2016-12-08 21:36:12 | 世界の闘い




■12・3韓国 〝財閥解体、共犯者は獄へ〟 セヌリ党本部にも弾劾デモ
前進 速報版 2016年12月 8日 13:51

パククネ談話受け闘い拡大
 「キャンドルの宣戦布告/パククネ即時退陣の日」と銘打たれた12月3日、韓国全土で232万もの人びとが「パククネ即時退陣!」「パククネを拘束しろ!」と叫んで第6回キャンドル集会に立った。ソウルで170万人、全国約100都市で62万人が参加した。
 11月29日、パククネは第3回対国民談話を発表。延命を狙い「国会が任期短縮を決定すれば従う」と居直った。セヌリ党も弾劾を拒否し、「来年4月退陣、6月大統領選挙」案での幕引きを図った。これを受け「パククネ即時退陣」のスローガンは「パククネを拘束しろ」に変わり、集会はいっそう膨れ上がった。
 夜には150万人ものデモ隊が、青瓦台までわずか100㍍に迫った。最先頭にはセウォル号事件犠牲者の遺族200人が立ち、事件が起こった4月16日にちなんで掲げられた416本のたいまつが道を照らした。
 民主労総や市民団体が立ち上げた「公共性強化・成果退出制阻止共同行動」は前段集会を行って鉄道スト支援を訴え、パククネと財閥が結託して進める民営化を弾劾した。大量解雇攻撃に立ち向かう韓国南部コジェの下請け造船労働者たちもソウルへと駆けつけた。
 この日の午後、ソウルのセヌリ党本部前には2千人が集まり、「セヌリ党解体」「共犯者は監獄へ」と叫んで抗議行動を行った。「国民の皆様、申し訳ありません」という垂れ幕は投げつけられた卵で黄色に染まり、セヌリ党のロゴが描かれた旗が引き裂かれた。パククネの拠点の大邱(テグ)でも5万人が結集し、デモ隊に直撃されたセヌリ党大邱支部のドアは「パククネ退陣」「セヌリ党解体」のプラカードで覆い尽くされた。
腐った与野党に怒りが爆発
 怒りの矛先は、議会内取り引きでの収拾を狙う野党に対しても向けられている。そもそも初めから弾劾に二の足を踏み、11月12日の民衆総決起闘争に肝をつぶして引きずり出されてきた野党議員など、労働者階級の怒りとは無縁の存在なのだ。
 さらに「財閥を解体しなければ第2、第3のパククネが出てくる」という民主労総の訴えが多くの民衆をとらえている。
 「ゼネストの旗を手に労働者民衆の新たな未来を築く」「過去数十年の抑圧に終止符を打ち、新しい社会をつくる」(民主労総12・3ゼネスト宣言)ことこそ、韓国労働者階級の共通の決意だ。
 民主労総は3日以降、5日の全経連直撃デモ―6日の財閥糾弾記者会見―7日のセヌリ党糾弾全国同時多発集会など、全国で連日の行動に決起している。鉄道ストライキは70日を超えて意気軒高と続けられている。
 「今回のゼネストを通じてわれわれはお互いの意志を目にした。ゼネストは1回で終わりはしない。ますます多くの人びとがともにするだろう」(パククネ退陣非常国民行動の11・30総括)

写真上〕セヌリ党本部前での糾弾集会では「パククネは監獄へ! セヌリ党はくずかごへ!」の横断幕が掲げられた(12月3日 ソウル)
写真下〕民主労総が「財閥の頭目拘束―全経連解体」を求めて記者会見を行った(12月6日 ソウル)