末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

公共運輸労組ソギョン支部の闘い 韓国 6万人が闘った6・30ゼネスト 今すぐ非正規職なくせ

2017-07-25 06:17:36 | 世界の闘い




■公共運輸労組ソギョン支部の闘い 韓国 6万人が闘った6・30ゼネスト 今すぐ非正規職なくせ
前進 速報版 2017年7月24日 12:32

 韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟、80万組合員)の6・30社会的ゼネストは、「最低賃金1万ウォン獲得! 非正規職撤廃! 労働組合の権利獲得!」を掲げた初の非正規職ゼネストとして打ち抜かれた。この非正規職ゼネストを牽引(けんいん)したのが公共運輸労組所属の非正規職労働者たちだ。民主労総ソウル本部事務処長を歴任し、11月労働者集会にも来日、動労千葉と交流のあるパクミョンソク支部長が率いるソウル京仁(キョンイン)公共サービス支部(ソギョン支部)の闘いを紹介する。

先送りはできない
 「清掃労働者が先頭に立ち、労働積弊(積もり積もった労働者への害悪)を掃き捨てよう!」――ソギョン支部は6月23日、87%を超える圧倒的賛成でスト権を確立し、6・30ゼネスト突入を宣言した。
 パクミョンソク支部長は 「最低賃金1万ウォン(約千円)は不平等を解消する最初のボタンだ。政府は『待ってくれ』と言うが、最低賃金1万ウォンと労働組合の権利は先送りできない問題だ」と強調した。現在、ソギョン支部組合員の時給は6950ウォンだ。支部は「人間らしい生活を送る最低限の条件だ」と「時給1万ウォン、月額209万ウォン」を要求している。
 延世大分会のイギウォン分会長は「新政府になったが、私たちの労働現実は変わっていない。最低賃金1万ウォンが国の経済を破綻させるのか大統領に聞きたい」と怒りを込めた。
 高麗大総学生会のキムボヒョク会長は、「高麗大の勤労奨学生も時給7000ウォンだが、清掃労働者の時給がさらに少ないのはおかしい。私たちも対策委を通じて連帯する」と語った。
 ソギョン支部はソウルにある17大学で組織化を進めている。いま激しい攻防中なのは延世大付属のセブランス病院と高麗大付属の安岩(アナム)病院だ。
 延世大は私立だが、国家教育部が人事に介入し、チェスンシルゲートとのつながりもあった。御用労組を食い破ってソギョン支部が組織化を進めた結果、現在組合員が46人いる。組合員への脅迫・監視、強制配転など労組つぶしに躍起となった病院側に対抗し、労組は毎日宣伝戦を行った。そこで病院側は、労組・個人を業務妨害、暴力行為などで告訴・告発し、労組がセブランス病院の100㍍以内に近づいたら500万ウォンの罰金だという仮処分裁判を起こした。これは争って労組が勝ったが、病院側は懲りずに50㍍以内禁止の第2次仮処分を起こした。今これと闘っている。
勝利まで闘いぬく
 ソギョン支部は今年7月、労組結成10年を迎えた。2010年12月、弘益(ホンイク)大学で奴隷的な扱いを受けていた清掃労働者たちが労働組合を結成。労組は翌年1月3日から49日間にわたる籠城(ろうじょう)闘争で原職復帰と団体協約締結などをかちとった。今のソギョン支部の闘いにつながるこの弘益大分会の闘いの記録『私たちが見えますか』(ハンネ発行)の日本語版が、動労千葉・労働者学習センターから発行されている。非正規職労働者の組織化の豊かな教訓がつづられている。必読文献だ。
 パクミョンソク支部長は今後10年を展望し、「これからもソギョン支部は完全な正規職化を実現するために闘う」と断言し、ムンジェイン政権を批判した。
 「ムン大統領は『非正規職のない社会』として、子会社をつくって直接雇用するとか、無期契約職に転換するとか言っているが、完全な正規職化は受け入れないでしょう。最低賃金1万ウォン実現や間接雇用撤廃は、労働者を尊重しろという要求であり、人権の問題だ。これを先延ばしできるのか? ノーだ。今すぐにやれと要求して6・30ゼネストを闘った」
 7月19日、スト突入・本館座り込み闘争8日目のソギョン支部梨花女子大分会が、830ウォン引き上げの時給7780ウォンをかちとった。これは、7月16日に新たに決定された最低賃金額7530ウォンを上回る額だ。非正規職完全撤廃へ、ソギョン支部の闘いは続いている。
〔写真〕上:6・30社会的ゼネストに決起し「労働尊重/平等学校」のスローガンを掲げてデモする公共運輸労組
      全国教育公務職本部(6月30日 ソウル)
    下:記者会見で6・30ストライキ突入を宣言した公共運輸労組ソギョン支部。前列右から3人目がパクミョン
      ソク支部長(6月23日 ソウル)



   

韓国全土で民衆大会 「生きさせろ!」の闘い続く

2017-07-13 18:56:25 | 世界の闘い

■韓国全土で民衆大会 「生きさせろ!」の闘い続く
前進 速報版 2017年7月13日 17:24

 7月5日〜8日、民主労総の呼びかけた社会的ゼネストの総括集会として、光州や大邱、釜山など全国で民衆大会が開催された。
 ソウル・光化門広場では7月8日、「最低賃金1万ウォンをかちとろう! サード(THAAD、高高度迎撃ミサイルシステム)配備撤回! 農民・ペクナムギ氏への国家暴力責任者処罰! 露天商パクタンスンさん(死亡事件の)真相究明と責任者処罰!」のスローガンを掲げて民衆総決起闘争本部と万ウォン行動(最低賃金1万ウォン・非正規職撤廃共同行動)が主催する民衆大会が開催された。
 6月19日、ソウル・江北区で露天商を営んでいた60代の女性・パクタンスンさんが区庁の露店摘発によって脳出血を起こし亡くなるという事件が起こった。国家権力がまたも人の命を奪ったのだ。この日の大会には、事件の真相究明を求める露天商の人びともパクタンスンさんの遺影を抱いて数多く駆けつけた。

 登壇したアルバイト労組の委員長は「果物を食べたいときに買い、具合が悪ければ病院へ行く、こうしたことを可能にするのが1万ウォンだと思います。最低賃金1万ウォンは人権であり、今すぐに適用されなければなりません」と語り、6月29日の最低賃金委員会の会議で資本側の委員たちが、現在よりわずか155ウォン増の「最低賃金6625ウォン」案を提案したことに怒りをたたきつけた。
 民主労総のチェジョンジン委員長代行は、「政権が変わって2カ月が過ぎたが、依然として私たちの生活と現場の条件は変わっていない。キャンドルの力で登場したムンジェイン政権は財閥改革と労働組合の権利を保障し、最低賃金1万ウォンを今すぐ実現して労働者が生きられるようにしなければならない」と訴えた。大会には、6月に不当な職場閉鎖を打ち破った金属労組の甲乙オートテック支会長も参加した。
 全国農民会総連盟の代表も発言に立ち、2015年の民衆総決起で農民のペクナムギさんが警察の放水銃に撃たれて亡くなった事件の責任者を処罰するよう求めた。
 本大会に続く市内デモでは、ペクナムギさんが放水銃に撃たれた現場で追悼の儀礼が執り行われた。
 光化門広場ではこの日、民主労総のハンサンギュン委員長をはじめとした良心囚の釈放を求める文化祭も開催された。

写真〕「今すぐ! 最低賃金1万ウォン」の横断幕を掲げデモ(8日 ソウル)



   


韓国・全教組が不屈の闘い 法外労組通知の撤回求め

2017-07-10 20:05:08 | 世界の闘い



■韓国・全教組が不屈の闘い 法外労組通知の撤回求め
前進 速報版 2017年7月10日 12:00
 
 「すべての労働者が民主労総と一緒に、社会的ゼネストで自分の人生と現場、世界を変えよう!」(民主労総・大会宣言)と闘われた6・30社会的ゼネスト。全国教職員労働組合(全教組)は、「法外労組撤回! 労働3権獲得!」のスローガンを高々と掲げて参加した。大会で宣言された「今すぐ! 労組に加入して自由に労働組合活動をすることができる権利をすべての労働者に!」は、全教組の絶対的な要求だ。
 87年春、学生たちが死を賭して民主化闘争に立ち上がる中、子どもたちを死なせるわけにはいかないと教員たちが大挙して街頭に飛び出した。闘いは労働者大闘争へと燃え広がり、この中から89年、全教組が生まれる。99年、金大中政権下で合法化をかちとったが、パククネ政権下で解雇者を組合員とする労働組合は認められないと法外労組とされた(現在、解職者57人)。以来、パククネ政権退陣へ、全教組はろうそく集会の先頭で闘ってきた。

パククネを罷免(ひめん)し、獄中にたたきこんだろうそく集会の中から生まれたムンジェイン(文在寅)政権だが、全教組、公務員労組などの法外労組問題を解決するとした大統領選挙の公約はいまだ果たされず、最高裁判決を見てからと「解決」を引き延ばしている。全教組は、最高裁判決など期待できないと猛然と闘っている。
 「6・30社会的ゼネストは、労組活動をする権利が統一課題として掲げられました。学校非正規職労働者のゼネストに連帯し、私たちも6・30社会的ゼネストに労組活動をする権利という統一課題で年休闘争で参加しました」と全教組ソウル支部のキムヘジョン支部長は語った。
 全教組は当日、本大会に先立って光化門広場に面した世宗(セジョン)文化会館の階段広場で「法外労組撤回! 労働3権獲得! 教師決意大会」を開いた。その前をストライキに突入した公共運輸労組全国教育公務職本部の労働者が長蛇のデモで結集し、全教組とエールを交換。どの顔も晴れやかに輝いている。
 全教組はすでに5月末から光化門前にテントを設け徹夜籠城(ろうじょう)を続けている。籠城36日目の7月3日、全教組中央執行委員約20人が光化門広場で記者会見を行い、▽全教組法外労組通知撤回▽教師の労働3権保障▽教員労組法改正▽労組活動の権利保障などを要求し、「三千拝」に突入した。14日までの平日10日間、中執がおのおの1日300回、合計「三千拝」を行う。【三千拝 要求を唱えひざまずいて礼をする五体倒地を3千回繰り返す苦行】
 同時に青瓦台(大統領府)前での座り込みなど、強力な闘いを繰り広げる。
 チョチャンイク全教組委員長は記者会見で「積弊清算を要求して燃え上がったろうそく民主主義広場の願いを込めて、全教組が教育積弊1号の全教組弾圧を直接解決する」と、労組合法化への決意を語った。

写真:ストライキに突入した学校非正規職労働者(手前)とエールを交換する全教組(6月30日 世宗文化会館前)
    :青瓦台前で「法外労組撤回」を掲げて座り込む全教組。後列右から3人目が全教組委員長(7月4日 ソウル)



   



韓国民主労総が非正規職ゼネスト 5万7千人がスト突入 〝私たちの手で社会変える〟

2017-07-05 06:07:18 | 世界の闘い










■韓国民主労総が非正規職ゼネスト 5万7千人がスト突入 〝私たちの手で社会変える〟
前進 速報版 2017年7月 3日 16:47
 6月30日、韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟)は、「最低賃金1万ウォン」などを掲げて初の「非正規職ゼネスト」を打ち抜いた。公共部門の非正規職労働者を中心に5万7千人がストに立った。パククネ打倒から約4カ月、新政権発足から2カ月、革命の第2段階へ労働者階級の力強い前進が始まった。
非正規職が主力のストは史上初めて
 6月30日の社会的ゼネストは、学校や清掃、警備、病院など公共部門の非正規職や財閥大企業の下請け労働者、「一人親方」とされて労働者とみなされない建設現場の請負労働者など、非正規職労働者が主役となった全面ストライキとして闘われた。民主労総の歴史においても初めての画期的なゼネストだ。その主力は公共部門、とくに学校非正規職を先頭とする圧倒的な女性労働者だ。
 打倒されたパククネに代わって登場したムンジェイン(文在寅)政権は社会の「改革」を口にするが、労働者の状況、とりわけ非正規職労働者に強いられている極度の低賃金、強労働、人間扱いされない過酷な現実は何も変わらない。だがその非正規職労働者が組織的に団結し、自ら社会変革の主体として決然と立ち上がったのだ。
じっと待つのではなく闘って勝利を
 午後3時から光化門広場で開催されたゼネスト大会には組合員など5万人が集まった。民主労総を先頭に70以上の諸団体で結成された万ウォン行動(最低賃金1万ウォン・非正規職撤廃共同行動)のもと、農民、貧困者、障害者、学生やアルバイトの青年労働者、未組織労働者、民主労総には未加盟の労組も参加した。
 民主労総のチェジョンジン委員長代行は、「最低賃金1万ウォン! 非正規職撤廃! 労働組合の権利! 今すぐ!」を掲げて闘いとられた今回のゼネストを、「無視と差別、幽霊扱いを受けてきた労働者が社会の主人であることを堂々と宣言するゼネスト」だとし、「非正規職ゼネスト」と名づけた。その要求は「時代の要求」であり、全労働者、全人民の生きる権利を守るものだと宣言した。そして「今が積弊(パククネのもとで積み重ねられた弊害)清算と社会大改革のゴールデンタイム」であるとし、「今を逃せば財閥と保守反動勢力の反撃が始まるのは明白だ。闘いを止めることはできない。より速く、より大胆に、より適切な方向での大改革を求める」と強調した。
 学校給食の調理員として20年働き、あと6カ月で定年という女性労働者は「私の夢は退職する前に後輩や子どもたちに非正規職のない世界をつくって渡すこと。政府はじっと待てと言うがこれ以上待ってはいられない」と語った。全国教育公務職本部のアンミョンジャ本部長は、「私は7年働いて無期契約職になったが校長が代わるとすぐに解雇された。無期契約職が正規職と同じだと言うのはペテンだ」と語り、「学校非正規職の大半が最低賃金以下の時給で働いている。政府にお願いするのではなく、私たちの労働条件は私たち自身の手で直接もぎとろう」と訴えた。
2000校以上で学校給食が中止に
 この日のストは実際に、団結した労働者の力の大きさを全社会に衝撃的に突きつけた。政府発表によれば私立を除く韓国全土の小中高校のうち3704校で非正規職労働者がストライキに入り、給食が中止となった学校が2171校に上った。保守マスコミなどが非難の声を上げる一方、保護者が率先して「スト支持」の壁新聞を教室に張り出す学校も出た。
 全教組(全国教職員労働組合)の組合員も、非正規職労働者と連帯し年休をとって闘いに参加した。パククネは全教組の法的権利を暴力的に奪い、新政権はその撤回を公約したが極右勢力の反発を恐れていまだに実行しない。これへの怒りがたたきつけられた。
 翌7月1日には、大型トレーラー車両運転手の組合である貨物連帯がソウル市内で集会を開き、大統領は公約を守れと怒りの声を発した。「自営業主」扱いされてきた貨物連帯など特殊雇用労働者にとって、労働基本権の獲得は切実な課題だ。労働者の団結した力こそが歴史を動かし、社会を変える! この確信のもと不屈の進撃が始まった。
〝財閥との妥協ありえない〟 革命の第2段階へ進む
 6・30ゼネストは、ムンジェイン政権の発足後に行われた初の全面ストライキとなった。このストは旧パククネ勢力による敵対だけでなく、新政権と与党=「ともに民主党」の「今この時期にゼネストなどやるな」という非難の声をも正面から打ち破ってかちとられた。
 ムンジェイン政権は、パククネを罷免(ひめん)した民衆の巨大な「ろうそく決起」の力に押し上げられて登場した。打倒されたパククネと支配階級は、大統領選挙過程で極右勢力の再結集による必死の巻き返しを狙った。それを全力で支えたのが、北朝鮮の核・ミサイル開発を絶好の餌食として朝鮮半島での戦争突入をあおった米日帝国主義の行動だった。これに対して、パククネの復活は断じて許さないという労働者人民の固い決意が、保守派をたたき落としてムンジェインを圧勝させたのである。
 だがムンジェイン政権は労働者階級の政権ではまったくない。「ともに民主党」の本質は資本家階級の党、第2ブルジョア政党である。ムンジェインは労働者が掲げた「財閥解体」などのスローガンを選挙公約に掲げて当選したが、本気でそれを実践しようとは思っていない。逆に、政権発足後には「社会的大妥協」を口にし始めた。財閥の解体ではなく、財閥と労働者階級が「相互に譲り合い」「和解」せよというのだ。そして実際、パククネが推進した政策の一部を廃棄するなど「改革政権」としてふるまっているものの、獄中のハンサンギュン民主労総委員長の釈放や全教組弾圧の中止などは拒否したままだ。
ムンジェイン政権の「改革」はペテン
 その中で決定的な焦点に浮上したのが非正規職問題だ。ムンジェインは「労働が尊重される社会」をつくるとし、そのためにまず公共部門の非正規職の「ゼロ化」を宣言した。しかしその中身は「非正規職撤廃」とはおよそ似て非なるものである。政府の構想は公共機関の業務を分割し分社化して、新設の子会社に労働者を「正社員」として雇用するというものだ。
 そこでは本体とは異なる賃金体系が最初から導入され、賃金はこれまでの正規職の7〜8割に引き下げられる。これは非正規職の正規職化ではまったくない。また、パククネが強制した成果給の導入を撤回する代わりに、職務給の導入が新たに画策されている。これらは労働者の分断をさらに進め、逆により大量の非正規職をつくりだし、全労働者の賃金を引き下げていく結果しかもたらさない。
 労働者が求める最低賃金1万ウォンについても「すぐには無理」がムンジェイン政府の立場だ。資本の側はこれを受け、来年度の時給を6625ウォン、わずか2・4%の引き上げにとどめると回答してきた。
 6・30ゼネストは、非正規職労働者自身の現場からの実力決起をもって、こうした状況を突き破る歴史的闘いとしてかちとられた。非正規職労働者は政府による救済の対象では断じてなく、資本主義・新自由主義の社会を根底から覆す革命の主体であることを公然と全社会に示したのだ。ムンジェイン政権の「社会的大妥協」路線をきっぱりと拒否し、「財閥解体」をあくまで掲げて進むことこそ、パククネ打倒として始まった韓国における革命をさらに発展させる道である。連帯してともに闘おう。

写真〕上から
①緑とピンクのベストを着た学校非正規職の労働者がゼネスト大会の中心にすわった(6月30日 ソウル光化門広場)
②「最低賃金1万ウォン!」の壇上からの掛け声に応え、「非正規職完全撤廃!」「今すぐ!」のボードを一斉に掲げるゼネスト大会参加者。最前列右から2人目がチェジョンジン民主労総委員長代行(6月30日)
③給食が中止になった学校の食堂に張られた「スト支持」の壁新聞
④「法外労組即刻撤回」「労働基本権戦取」のスローガンを掲げて集会を開く全教組の教育労働者(6月30日 ソウル)
⑤公共運輸労組貨物連帯本部の総決起大会で、労働基本権を認めよと声を張り上げる貨物労働者(7月1日 ソウル)



   



韓国 大統領選へて新たな闘い 6・30社会的ゼネストへ

2017-05-18 14:39:17 | 世界の闘い


■韓国 大統領選へて新たな闘い 6・30社会的ゼネストへ
前進 速報版 2017年5月18日 12:04

大統領選は革命の本格的始まり
 5月9日に投開票が行われた韓国大統領選挙において、保守野党「共に民主党」の前代表ムンジェイン(文在寅)が41・08%の得票で当選した。次点の保守派・自由韓国党のホンジュンピョ(洪準杓)は24・03%で、倍近い差がついた。
 今回の選挙は、労働者民衆が自らの力でパククネの弾劾―罷免を実現し「今こそ積弊の清算をやりぬき、社会を根本から変えるときだ」「朝鮮半島を再び戦場にすることは絶対に許さない」という決意を固める中で行われた。これに対して保守勢力は米日帝国主義とともに「北朝鮮の脅威」をあおることで延命と巻き返しを図り、サード(THAAD=高高度迎撃ミサイルシステム)配備強行や米韓合同軍事演習もそのために強行された。

 この思惑は完全に打ち砕かれたが、パククネに追従する勢力は今なお一定の力を持っており、革命と反革命とのせめぎあいは継続している。韓国労働者民衆の闘いは新たな段階に突入した。これは、民主労総が言うように「変化の終わりではなく始まり」だ。
 民主労総は5月10日に直ちに声明を出し「1700万キャンドルの要求は政権交代そのものではなく、新たな大韓民国をつくろうというものだ」と確認。就任直後から保守勢力との妥協に向けて動くムンジェインに対し「積弊勢力との妥協は統合ではなく不正であり、屈服であり、退行にすぎない」とはっきりさせるとともに、ノムヒョン(盧武鉉)政権の「誤りを繰り返すな」と突きつけた。
 また、パククネ政権退陣非常国民行動も声明で「新たな政府はむやみに和合や容赦を語るな」と述べた。さらに、労働者や農民をはじめとした人びとこそ積弊の清算をやりとげ、新たな社会をつくる主体であり、大統領のではなく自らの力で「働く人が尊重され、人権が尊重され、正義が通用し、平等で平和な国」をつくろうと呼びかけた。
非正規職の撤廃めぐり攻防激化
 ムンジェインとはそもそも2003〜08年のノムヒョン政権時代に大統領秘書室長を務めた人物であり、資本の利害を代弁して多くの労働者を非正規職に突き落とした張本人だ。民主労総が警告したとおり、ムンジェインは就任後直ちに裏切りの道を歩み始めた。
 とりわけ大きな焦点となっているのが、非正規職撤廃だ。民主労総がこれをスローガンとして6・30社会的ゼネストへと闘いを進めていることに、資本家階級は恐怖を募らせている。
 ムンジェインは12日にはインチョン(仁川)国際空港を訪問。非正規職労働者と対話するパフォーマンスを行い、「任期内に公共部門労働者の非正規職ゼロ時代を開く」と語った。しかし、ここで約束した「1万人の正規職化」の内実は無期契約職への転換でしかなく、賃金などの労働条件が正規職と同じになるという保証はどこにもない。労働者民衆の「非正規職撤廃」の要求に応えるものでは断じてない。
 そしてムンジェインは同日、パクヨンチョルという弁護士を「反腐敗秘書官」に任命した。ところがこの人物はあろうことか、最悪の労組破壊攻撃に手を染め、労働者を死に追いやってきたカブル(甲乙)オートテックの資本側代理人なのだ。激しい怒りが巻き起こる中、民主労総は即座に徹底弾劾して撤回を求めている。
労働者自身の手で新たな社会を
 全世界で新自由主義の崩壊と戦争の危機が進行する中、労働者人民は自らの力で社会を根底から変革する闘いを陸続と開始している。その先頭を走る韓国の労働者階級は必ずムンジェイン政権をのりこえ、労働者自身の新たな政党を建設し、労働者権力の樹立をめざす闘いに立ち上がる。
 民主労総は6・30社会的ゼネストを通じて、この間闘いに合流してきた膨大な数の労働者と結びつこうとしている。そこにおける最大のテーマは、正規職―非正規職という分断を打ち破る労働者の階級的団結をつくり出すことだ。日本でも課題はまったく同じだ。韓国の仲間と心をひとつに、ゼネストを実現できる労働運動をつくり上げよう。





米で学校・港湾封鎖  韓国は2万人大会

2017-05-08 20:04:17 | 世界の闘い




■米で学校・港湾封鎖  韓国は2万人大会
前進 速報版 2017年5月 8日 12:45

 5月1日、アメリカではILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)が「警察のテロを止めよ! 移民弾圧反対! 戦争反対!」を掲げてサンフランシスコ地域の全港湾を止め、メーデーの先頭に立った(写真左)。トランプと闘う全米の労働者が、年頭から「国際労働者の日」を組織化したため、各地で職場・学校の閉鎖が実現した。
 韓国では、民主労総(全国民主労働組合総連盟)が全国でメーデー大会を開き、ソウルでは2万人が最低賃金1万ウォン、非正規職撤廃、財閥解体やサード配備撤回などを、「今すぐ!」実現させようと叫んでデモ行進した。(写真右)

韓国 セウォル号惨事に怒り新た

2017-04-18 06:11:38 | 世界の闘い


■韓国 セウォル号惨事に怒り新た

前進 速報版 2017年4月17日 12:59

 4月15日、ソウル・光化門広場で、パククネ退陣非常国民行動が主催する第22回汎国民行動が開催され、16日のセウォル号惨事3周忌を前に10万人が集まった。セウォル号惨事は、新自由主義のもとで引き起こされた国家犯罪だ。これに対する怒りは「この社会を根本的に変えなければいけない」という思いとなり、青年・学生の決起とパククネ打倒の大きなうねりを生み出した。朝鮮半島をめぐる戦争情勢の急切迫と対決し、戦争絶対反対の声も広場に響いた。

韓国・済州島 〝南北分断の打破へ闘う〟 蜂起の精神継承し労働者大会

2017-04-14 07:08:24 | 世界の闘い




■韓国・済州島 〝南北分断の打破へ闘う〟 蜂起の精神継承し労働者大会
前進 速報版 2017年4月13日 12:35

平和と統一求め新社会建設訴え
 4月2日、韓国・済州島(チェジュド)で「親日・分断体制清算!朝鮮半島平和体制実現!サード配置全面廃棄!済州軍事基地化阻止!」を掲げて「4・3抗争69周年精神継承全国労働者大会」が開催され、鉄道労組の青年労働者を先頭に全国から2500人が駆けつけた。
 「4・3抗争」とは、1948年4月3日に済州島の全住民によって闘われた米軍政打倒の武装蜂起のことだ。その「精神継承」を掲げて開かれた集会は、韓国で始まった革命の圧殺をかけて朝鮮半島での戦争発動に突き進んでいる米日帝国主義と真っ向から激突する闘いの宣言にほかならない。

 民主労総のチェジョンジン委員長代行は「労働者、国民の力でパククネが罷免(ひめん)・拘束された。しかし、パククネに至るまで厚く積み重なった弊害の清算が依然として緊急の課題だ」「日帝の植民支配を清算できていない中で親日派が今日まで権力を握り、労働者民衆の上に君臨してきた」と、70年の歳月をへても歴史の清算は未完であることを訴えた。
 さらに「パククネ以後の新たな体制・社会を建設しなければならない。そのことはまさに、分断をのりこえて平和と統一に進むことを意味する」「69年前、平和と統一のために命をかけた闘いが展開された。これらは今でも最重要の闘争課題だ」と強調。最後に、民主労総が違法なサード配備阻止の闘いの先頭に立つと宣言した。
戦後史の革命的決着かけた闘い
 済州島では、韓国海軍基地建設の強行に対し、不屈の闘いが続いている。現地カンジョン村の代表も駆けつけ「キャンドルをとおしてわれわれは勝利を経験したが、まだ解決されていないものも多い」とし、海軍による村落共同体の破壊を許さず、平和の島である済州の軍事基地化を必ず阻止しようと訴えた。
 民主労総済州本部のキムヨングン本部長は「4・3抗争の精神は自主的に統一国家を建設することだったが、その精神は米軍政によって踏みにじられ、むしろ歴史の歪曲と積弊が70年間続いてきた」「連帯して闘い、この積弊を必ず清算しよう」と声を高めた。
 済州4・3犠牲者遺族会の会長は、当時30万の人口のうち3万人が国家暴力の犠牲になったにもかかわらず、国家が今なお責任をとっていないことを弾劾し、70周年となる2018年を前に必ず解決しようと参加者に訴えかけた。
 大会の最後には「親日・分断体制を清算し、朝鮮半島の平和を実現しよう! サード配備を廃棄しろ!」「済州軍事基地化を阻止しよう!」などが盛り込まれた決議文が読み上げられた。大会後にはデモも行われた。
 韓国の闘いはまさに、70年にわたり続けられてきた親日派による権力の独占、そして南北分断支配の歴史に決着をつける情勢を迎えている。この闘いは、朝鮮戦争を阻止する力そのものだ。
 朝鮮戦争が切迫する情勢の中で、日韓米の労働者人民の国際連帯にすべてがかかっている。とりわけ、共謀罪制定攻撃や米帝のシリア爆撃に対し、街頭や職場には怒りが渦巻いている。戦争を止めるために体を張って闘う韓国の労働者と固く団結し、今こそ日本の地で巨大な反戦闘争を巻き起こそう。
済州島4・3抗争 日帝からの解放直後、朝鮮半島は北緯38度線で南北に分断された。南朝鮮を占領した米軍は、日帝の植民地支配に協力した親日派を手先に使い、米軍政からの解放と南北統一政権の樹立を求める労働者や農民の闘いを弾圧した。これに対しゼネストや農民反乱が相次ぐ中、48年5月に南朝鮮の単独選挙を行うと発表。これは南北分断の固定化を意味していた。
 単独選挙に対する怒りを契機に、4月3日、済州島の住民が武装蜂起に立ち上がった。しかし、極右反共主義者のイスンマンと米帝は本土から民間反革命を送り込むなどして鎮圧にあたり、島に住む人びとの少なくとも10分の1が虐殺される大惨事となった。韓国の歴代政権はこの事実を隠蔽(いんぺい)し続け、1987年軍事独裁政権の崩壊後に歴史の見直しと真相究明が始まった。
写真〕 上:チェジョンジン民主労総委員長代行を先頭に「4・3精神継承」のプラカードを掲げる集会参加者が道を埋めつくした(4月2日 韓国・済州島)
     下:戦争阻止―分断打破へ、決意うち固める参加者

韓国 現地でサード配備反対集会 戦争阻止の決意固く

2017-04-11 06:26:22 | 世界の闘い






■韓国 現地でサード配備反対集会 戦争阻止の決意固く
前進 速報版 2017年4月10日 10:58

 米軍によるシリア侵略と連動し、朝鮮戦争情勢が切迫している。こうした中で、韓国で戦争絶対反対の闘いが巻き起こっている。
 4月8日、サード(THAAD=高高度迎撃ミサイルシステム)配備予定地である慶尚北道星州(ソンジュ)でサード配備撤回を求めて平和行動が行われた。3月18日に続く大規模な集会だ。
 先月末には、地質調査のための機材を積んだトラックの通過を阻止する実力闘争も始まり、現場は緊迫している。この日は、民主労総などの呼びかけでソウルやプサンなど全国各地から平和バスが仕立てられ、3500人が結集した。民主労総の組合員は800人が現地に駆けつけ、前段に決意大会を開いて集会に参加した。

 集会は満開を迎えた桜の下で始まった。現地の住民代表は「国防部は大統領選前に配備を終わらせようと必死になっている。この非常事態と対決し、全力で阻止する」と体を張って闘いぬく決意を語り、多くの人びとに現地に駆けつけてほしいと呼びかけた。続いて現地住民10人も登壇し、村の婦女会長が「この村にも人が住んでいます。今日いらっしゃったみなさんを信じて、最後まで闘います」と語った。
 発言に立ったチェジョンジン民主労総委員長代行は「朝鮮半島の平和を脅かすサード配備撤回を」と訴え、大きな拍手を受けた。
 全国農民会総連盟の代表は、「パククネをひきずり下ろし拘束した力でサードも必ずたたき出せる。農民はその先頭に立つ」と確信に満ちて訴えた。
 集会後には配備予定地であるロッテのゴルフ場方面へデモが行われた。
 この間ソンジュ郡当局は、大邱(テグ)―ソンジュ間の高速道路建設など、政府による支援策を受け入れると発表した。現行法上、ある地域を軍事施設保護区域に指定するためには、その地域の行政機関が国防部長官に意見書を出さなければならない。今回、サード敷地を軍事施設保護区域に指定するために政府は露骨な買収策をとり、ソンジュ郡に意見書を提出させようとしているのだ。沖縄において、米軍基地の固定化とバーターで進められてきた「振興策」とまったく変わらない卑劣な攻撃だ。
 しかし、戦争絶対反対を貫くソンジュの住民たちの団結は少しも揺らいでいない。むしろ、この団結は全国へと拡大している。昨年7月以来のキャンドル集会も8カ月近くにわたって続けられている。大学生も現地行動隊として駆けつけ、ともに闘いぬいている。
 これは、朝鮮戦争を始まる前に阻止する最前線の闘いだ。連帯し、安倍―小池打倒へ闘おう!

韓国 革命掲げ青年がデモ 「積弊清算」へ闘いを継続

2017-03-30 18:30:43 | 世界の闘い


■韓国 革命掲げ青年がデモ 「積弊清算」へ闘いを継続
前進 速報版 2017年3月30日 12:24

 「キャンドルは止まらない」――3月25日、ソウル・光化門広場で第21回汎国民行動が開催された。寒さの残る中10万人が結集し、パククネの拘束・起訴をはじめとする「積弊(これまでの体制のもとでの弊害)清算」に向かって闘うことをあらためて宣言した。
 とりわけ、2014年4月16日、パククネ政権のもとで高校生を含む乗員乗客304人が犠牲となったセウォル号惨事の真相究明・責任者処罰が今回のキャンドル集会の大きなテーマとなった。

 この事件は何より、「命よりカネ」の新自由主義のもとで進められた規制緩和や外注化による殺人だ。パククネ打倒をかちとり、海底に沈んだままとなっていた船体の引き揚げがようやく実現する中、結集した遺族たちは「同じようなことを二度と繰り返してはならない」と強く訴えた。
 さらに、サード(THAAD=高高度迎撃ミサイルシステム)配備の撤回を求めて闘う配備予定地ソンジュ(星州)から上京した住民が発言に立ち、4月の現地集会への参加を呼びかけた。また、2015年11月の民衆総決起闘争での高圧放水銃による農民ペクナムギさん虐殺の責任者に対する処罰、財閥トップ拘束の訴えが続いた。
 公務員労組などが事前集会や街頭署名活動を行い、非正規職撤廃や成果退出制の廃止を訴えたことも重要だ。
6月ゼネストへ闘いが始まった
 民主労総は16日に中央執行委員会を開催し、ゼネストで社会を変える闘いに突き進む方針を最終的に確定した。今回の大統領選挙に際し「政権交代では何も変わらない」とはっきりさせ、保守野党の候補者に自らの未来を託すのではなく、労働者の手で積弊の清算と社会の変革をなしとげようという戦闘宣言だ。
 大統領選と6月の社会的ゼネストで掲げる3大要求は、最低賃金1万ウォン、非正規職撤廃、財閥解体だ。この訴えは、日々「ヘル(地獄)朝鮮」の現実と格闘し未来を模索している青年労働者の心を揺さぶり、未来をかけた決起が始まっている。
 25日には、青年労働者が「最低賃金1万ウォン」を掲げて光化門広場で記者会見を行い、キャンドル集会に合流した。
 「パククネは弾劾されたが、青年たちの生活は変わっていない」「青年が結集して社会を変え、積弊を清算する革命を起こそう」――労働者民衆自身の力でパククネを打倒した勝利は、職場やキャンパスで「次は自分たちの日常を変える番だ」という自己解放的な欲求を生み出しているのだ。4月30日には1万人規模の青年労働者大会を開催し、メーデー当日には丸一日のストライキに立ち上がることが高らかに宣言された。
 日本でも青年がおかれている状況はまったく同じだ。この怒りと結びつく闘いを実現しよう!
写真〕10万人の集会参加者が「セウォル号真相究明」のボードを一斉に高く掲げた(3月25日 ソウル)

韓国・星州 5千人がサード反対叫ぶ 「闘えば勝てる」確信も固く

2017-03-21 06:03:12 | 世界の闘い


■韓国・星州 5千人がサード反対叫ぶ 「闘えば勝てる」確信も固く

前進 速報版 2017年3月20日 10:51

サード一部配備強行に怒り爆発
 3月10日のパククネ罷免後も、韓国労働者民衆の闘いは1日も途切れることなく続けられている。パククネと財閥のトップ全員を刑事訴追し、監獄にぶち込んで責任をとらせようという声はますます高まり、これと並んで、パククネ政権が進めてきたあらゆる政策の即時廃棄を求める闘いが力強く展開されている。
 その最大の焦点の一つが、THAAD(高高度迎撃ミサイルシステム=サード)配備に反対する闘いだ。
 今月6日には、世界最大規模の戦争訓練である米韓合同軍事演習のさなかに発射台2基の搬入が強行された。パククネが労働者民衆にノーを突きつけられて打倒されたにもかかわらず戦争政策が強行されていく現実を前に、住民たちは怒りと決意を新たにしている。

民主労総は13日に声明を発表し「パククネが犯した外交安全保障上の最大の害悪は間違いなくサード配備だ。パククネは弾劾されたが、共犯者は憲法にすら違反しサード配備を強行している。違法なサード配備を狙ったすべての行為を今すぐ中断しろ」と訴えた。
 週末の18日には、慶尚北道ソンジュ(星州)現地で7カ月ぶりの大集会が開催された。
 この間ソウルの光化門広場でキャンドル行動を主催してきたパククネ政権退陣非常国民行動も「キャンドルよ、ソンジュへ行こう」と先頭で呼びかけ、また全国各地から「サード配備強行阻止のための緊急全国集中平和バス」が企画された。この日、全国から駆けつけた5千人もの人びとで埋め尽くされたソンジュには「サードは去れ、平和よ来い」の声が響き渡った。
 ソンジュ闘争委員会の代表は、「ソンジュのキャンドルが火種となって全国に火をつけた」と、自分たちの闘いがパククネ打倒のうねりをつくり出したことへの確信と勝利感あふれる訴えを行った。デモ隊は、サード配備予定地であり、今は米軍の敷地となったロッテのゴルフ場正門前へと迫った。
米韓合同演習と真っ向から対決
 この闘いは、米韓合同軍事演習、そして17日の米国務長官訪韓と真っ向から対決して闘いぬかれた。北朝鮮のミサイルからの「防衛」を口実として先制攻撃を狙う米韓政府を痛撃するものだ。
 サードの配備は、昨年の夏に突如として決定された。韓国は、2015年11月の民衆総決起を引き継ぎ、民主労総のゼネストがあらゆる人びとの怒りを解き放っていくうねりの中にあった。それを圧殺しようとするパククネが最後に頼ったのが「北朝鮮の脅威」をあおる戦争政策だった。韓国の闘いが東アジアにおける革命を切り開くことへの恐怖が、パククネと米帝にサードの配備を決断させた。11月23日に強行された日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結も、攻撃の一環だ。
 これに対して、自分たちの闘いが戦争阻止に直結する大きな意味をもつことを確信して闘い続けるソンジュの人びとの決意は、「朝鮮半島のどこにもサードはいらない!」というスローガンに凝縮されている。
弾劾は始まりだ日本でも続こう
 民主労総は今年の旗開きで「パククネ政権退陣と追従者たちの清算、そしてヘル(地獄)朝鮮を変える社会革命を進めていく」と宣言した。「弾劾は始まりだ」を合言葉に、全国で新たな闘いが開始されている。
 民主労総は16日に大統領選挙に向けた記者会見を開催し「キャンドルに便乗した大統領選挙の候補者が乱立しているが、積弊(権力者により続けられてきた悪政の結果)の政策は強行され、改革立法は留保されている」ことを弾劾し、政権交代に期待するのではなく労働者民衆自身の手で積弊清算と社会大改革をなしとげようと訴えた。
 続いて、「財閥独占のヘル朝鮮はパククネ政権の4年間でつくられたものではなく、権力が財閥の腹を肥やし、財閥が権力となったのが70年の歴史だった」と強調した。民主労総は今、解放以来70年にわたり労働者を支配してきた構造全体を覆す闘いに突入している。
 韓国の労働者のように闘えば社会を変えることはできる! 民主労総のようにゼネストを闘う労働運動を、日本の地でも必ずつくり上げよう。

韓国 パククネ罷免かちとる ゼネストと100万決起の勝利 民主労総、革命完遂へ闘い継続

2017-03-13 20:18:13 | 世界の闘い



■韓国 パククネ罷免かちとる ゼネストと100万決起の勝利 民主労総、革命完遂へ闘い継続
前進 速報版 2017年3月13日 12:39

労働組合の力が歴史動かす
 この間の闘いはパククネに対する怒りの爆発であったと同時に、それ自体が巨大な団結と価値観の転換を生み出し、新たな社会の出発点を築き上げるものとなった。
 昨年10月のパククネ―チェスンシルゲート発覚をきっかけに、「命よりカネ」の新自由主義のもとで権力と資本とが癒着し、労働者を支配してきた腐りきった構造のすべてが暴き出された。セウォル号惨事、国家保安法による弾圧、日本軍慰安婦問題をめぐる「日韓合意」やサード(高高度迎撃ミサイルシステム)配備の強行――「こんな社会は根本的に変えなければならない!」という積年の怒りがついに大爆発し、パククネを大統領の座からひきずり下ろしたのだ。
 これを可能にしたものこそ、ハンサンギュン委員長を獄中に奪われながらもゼネストで闘いの先頭に立ってきた民主労総の存在だ。韓国の闘いは、闘う労働組合のもとに団結した労働者の中にこそ、腐りきった社会を変え歴史を前へと進めていく力があることを全世界にはっきりと示した。
体制の根底的転覆を求める
 パククネ弾劾の勝利の上に、闘いは大きな分岐点を迎えている。保守野党のもとでこれまでの支配の延長を許すのか、それともこれまでの体制を覆し、労働者の手で新たな社会をつくり上げるのか――一切は労働者の闘いにかかっている。
 5月に行われる大統領選では、「共に民主党」の前代表であるムンジェイン(文在寅)が有力候補とされている。だが、ムンジェインはパククネの労働改悪に反対の声ひとつ上げてこなかったばかりか、パククネの犯罪が明るみに出ても、弾劾ではなく自らが権力の一角に入ることを狙った「挙国中立内閣」を主張していた。これに対して向けられた労働者民衆の怒りに恐怖し、光化門広場へと引きずり出されてきたにすぎない。
 チョンドゥファン(全斗煥)軍事独裁政権を打倒した87年の「民主化」は、実際には旧体制の根を根底から断ち切ることができずに終わった。この歴史をどうのりこえるかが今問われている。
 展望は、社会的ゼネストへと進む民主労総の闘いにある。米日帝による革命圧殺のための戦争情勢も激しく進む中、労働者の闘いこそがすべてを決する。民主労総は「政権交代では何も変わらない」と宣言し、すでに6月ゼネスト方針を決定して全国の職場での組織戦に突入している。
 何よりも、パククネの次は安倍だ! 韓国労働者民衆の闘いに続こう。底なしの腐敗にまみれながら戦争と民営化を進める安倍を直ちに監獄へたたき込もう。

韓国 パククネ拘束求め105万人 6月ゼネストへ闘いが前進

2017-03-10 06:32:50 | 世界の闘い


■韓国 パククネ拘束求め105万人 6月ゼネストへ闘いが前進
前進 速報版 2017年3月 9日 16:32

 朝鮮半島―東アジアをめぐる戦争への動きが急速に進む中、韓国階級闘争は文字通り正念場を迎えている。
 一握りの財閥・資本と権力が癒着し、労働者を支配する――こうした構図は日本においてもまったく変わらない。労働者の手にすべてを奪い返す革命をやり遂げることこそ、闘いの圧殺のために戦争へと突き進む支配者たちへの回答だ。
 韓国の特別検察チームが6日に発表した捜査結果は「すべての犯罪の中心にパククネがいた」事実を明らかにした。チェスンシルとともにサムスン電子副会長のイジェヨンから賄賂を受け取ったことや、政権に批判的な文化人のブラックリストを作成するよう指示したことなどがその容疑だ。これは、民主労総を先頭とする全民衆のパククネ打倒の闘いが実力でもぎりとった結果である。

集会参加者のべ1500万人に
 こうした攻防のただ中で3月4日、「パククネのいない3月、それでこそ春だ!」を掲げて第19回汎国民行動が開催された。ソウルに95万人、光州、釜山など各都市でも10万人が「パククネを拘束しろ!」「憲法裁判所は弾劾しろ!」「首相ファンギョアン(黄教安)も退陣しろ!」と声を上げた。昨年からのキャンドル集会参加者は延べ1500万人を突破した。
 ソウル・光化門広場での集会では、昨年74日間にわたるストライキで今日の情勢をつくりだした鉄道労組の組合員が登壇した。このストを理由として255人もの組合員に不当処分が行われたことを弾劾し、鉄道民営化を阻止するために闘い続ける決意を明らかにすると、参加者から大きな拍手と声援が送られた。
 また、有害物質の充満するサムスンの半導体工場で働き、22歳の若さで命を奪われた労働者ファンユミさんの死から10年となる6日を前に、サムスンを告発し続けてきた労働者グループの代表も怒りの声を上げた。
 民主労総のキムオクトン副委員長は、憲法裁判所によるパククネ弾劾決定までの最後の1週間に総力態勢で突入し、もしも弾劾が却下された場合には直ちに全面ゼネストに突入すると決意を述べた。また、広場を埋めた青年・学生に向かって「チョンドゥファン(全斗煥)に立ち向かった青年・学生たちが87年6・10抗争の主人公となった。民主労総とともにパククネの最後の抵抗を打ち砕こう」と力強く訴えかけた。
 集会後には大統領府と憲法裁判所、首相官邸方面へのデモが行われた。
 また、極右勢力による検察官などへの白色テロに対する告発も行っていくことが確認された。
 民主労総は3月7日に代議員大会を開催し、6月の社会的ゼネストに打って出るために、民主労総自体を「最低賃金1万ウォン、非正規職撤廃、財閥体制解体、労働法全面改正ゼネスト闘争本部」へと転換して闘うことを決定した。当日に一部の装備が配備されたサード(高高度迎撃ミサイルシステム)反対の闘いをさらに強化しようという声も上がった。
 日本でもゼネストで闘う労働組合をよみがえらせて安倍を打倒し、切迫する朝鮮戦争を労働者の国際連帯で阻止しよう。

3・1韓国 民主労総はじめ約40団体が声明 米韓演習を中止せよ 核先制攻撃訓練に危機感

2017-03-07 07:21:59 | 世界の闘い




■3・1韓国 民主労総はじめ約40団体が声明 米韓演習を中止せよ 核先制攻撃訓練に危機感
前進 速報版 2017年3月 6日 14:56

 米日帝による朝鮮戦争の危機が急切迫している。今や米帝は北朝鮮・キムジョンウン(金正恩)政権に対する先制的な武力行使や体制転覆に踏み出そうとしている。
 現にそうした戦争行為そのものとして、3月1日から世界最大規模の米韓合同軍事演習が開始されている。許しがたいことに日本の自衛隊も、これと一体で米軍との共同演習を展開している。
 この米韓合同軍事演習に対し、民主労総をはじめ約40団体が弾劾声明を発表した。

 声明は、北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃する内容を含むこの演習が「朝鮮半島における核戦争の可能性をいっそう高め、軍事的対決を激化させ、平和と安保を深刻に脅かす」として、直ちに中断するよう韓米当局に要求している。そして、北朝鮮に対しても核開発とミサイル実験の自制を求め、「ぞっとする対決の悪循環に終止符を打たなければならない」と強い危機感をもって訴えている。
 ゼネストで労働者の力を示し、パククネ政権と対決してきた民主労総がこう宣言していることは決定的だ。米日帝と一体となって戦争に突き進むパククネ政権にも、他国の労働者に対して核兵器を用いることも辞さない北朝鮮スターリン主義にも未来はない。戦争を止め、新たな社会をつくり上げる力は労働者の中にこそあるのだ。
 サード(高高度迎撃ミサイルシステム)配備に反対する闘いも拡大している。3月1日、慶尚北道の星州(ソンジュ)では、ロッテグループと韓国国防部によるサード配備のための土地契約締結に対し、住民400人が集会や配備予定地に向けたデモを行った。
元「慰安婦」が合意破棄を訴え
 3月1日は、1919年に日帝の植民地支配に抗して闘われた3・1独立運動の記念日だ。この日、韓国全土で第18回汎国民行動が闘われた。ソウルでは極右勢力の妨害集会や雨にも負けず、光化門広場を30万のキャンドルが埋めつくした。
 集会では、パククネ政権の弾劾・罷免(ひめん)に加え、15年の韓日慰安婦合意と昨年11月に締結された韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を求める怒りが爆発した。戦争に突き進む日帝・安倍に立ちはだかる闘いそのものだ。
 主催者であるパククネ政権退陣非常国民行動の代表は基調提起で「弾劾が決まれば緒戦の勝利を祝って次の闘いを決意するが、万が一却下されることがあれば強力な抗議行動に打って出る」とし、民主労総はゼネスト、農民はトラクターデモ、学生は同盟休講に決起しようと訴えた。
 また、慰安婦被害者のイヨンスさんが発言に立ち、「パククネ政権は(自分たち当該に)一言もなく15年12月28日の韓日合意を強行した。こんなことが許されるだろうか」と、パククネの弾劾・拘束を訴えた。
少女像を囲んで全国各地で集会
 この日の昼間にはソウルの日本大使館前でも集会が行われ、慰安婦被害者や青年・学生たち1千人が少女像を取り囲んだ。被害者のキルウォノクさんは「この国の大統領だという人が歴史を売り渡した。慰労金を受け取るために今まで待ってきたのではない」と、謝罪と名誉回復を求めた。
 釜山や光州でも集会が開催され、全国3カ所で新たな平和の少女像の除幕式が行われた。韓国外交部と日本政府による少女像移転要求をはね返して闘いが続く釜山では、1千人の集会と日本総領事館を包囲するデモが行われた。
 また、3月4日に行われた第19回汎国民行動も、ソウル95万人、全国あわせて105万人の大結集で闘いとられた。
 今こそ労働者の国際連帯が力を発揮するときだ。韓国の労働者と心をひとつに、朝鮮戦争絶対阻止の闘いに立とう!

写真上〕防塵服を着たサムスン労働者たちを先頭にデモ(3月4日 ソウル)
写真下〕少女像移転要求をはね返して闘いが続く(3月4日 ソウル)