(前回からの続き)
本稿の冒頭でご紹介した札幌市の時計台。わたしが訪れたときは中国や韓国からの旅行客でにぎわっていました。それはそれで大いに歓迎すべきことだし、観光を通じて日本好きの中国人・韓国人が増えていくことは、外交や経済の面、そしてわが国の安全保障の面からも望ましいことだと感じます。
でも個人的には、本稿の文脈に沿えばアメリカの人々が、この時計台にもっと来ればよいのに、なんて思っています。というのは、ここの立派な塔時計を作ったのが自分たちの先輩であることを知るのは、いまのアメリカ人にとって有意義であろうと考えるため、彼らにはぜひ、130年以上にわたって異国で現役を続ける「メイド・イン・USA」に接して、かつては世界に誇ったアメリカのモノ作りの心意気を再び呼び覚ましてほしい・・・なんてカッコつけてしまいましたが、これ実際には難しいでしょう。そのためにはモノ作りを担う未来の人材を育成する公教育システムが欠かせませんが、いまのアメリカにはコレが失われているからね・・・
じつはアメリカには唯一(?)、他国の追随を許さないモノ作りの分野がいまもあります。それは・・・軍事セクターつまりは兵器・武器の製造です。これこそ世界一、いやマジメな話、宇宙一かもしれません。地球ほど兵器・武器が「進化」した星はないでしょうから・・・。なのでアメリカとしては、引き続き「正義」(?)のための兵器製造&販売で国を繁栄させることができるかも・・・!?
・・・それでもこの先、アメリカの軍需産業は先細り必至でしょう。そのおもな理由は以下の2つ。一つ目は、アメリカの次期大統領にもっとも近い(?)ドナルド・トランプ氏が指摘するとおり、軍産品の最大の購入先である米連邦政府にはもはや、巨額の軍事コストを支払う余裕がないため。
そして二つ目は、武器弾薬が使用・消費される大半の戦争や紛争の根源そして「金づる」となっている「石油」の時代が近い将来、きっと終わるから。石油が不要な世界となれば・・・石油権益を巡る領土紛争の大半は無意味化するし、石油の闇取引で潤う武装勢力の多くは十分な武器調達資金を得られなくなります。こうなれば軍事物資の需要は激減し、軍需セクターは自ずと小さくなっていくしかない。そして、そんな争いの元・石油への依存から人類を解放し、結果として石油と兵器作りに頼るアメリカ、およびそれらの交換券「ドル」に引導を渡す(?)のは・・・「メイド・イン・ジャパン」・・・
・・・こうした意味でも、アメリカが真に畏怖する国は、中国でもロシアでもなく、やっぱり日本なのでしょうね・・・
(「通貨の価値はモノ・サービスの価値」おわり)
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