(前回からの続き)
以前こちらの記事に、「アベノミクス」は進むも戻るも地獄、と表現しました。そしてわが国は否応なく(?)戻り地獄のほうに堕ちていくだろう、とも。それは、世界経済の大混乱がリスクオフと円高ドル安をいっそう喚起する結果、先述「カブノミクス」(「株のみ」が取り柄)にけしかけられて年金基金が超高値で買い漁った株や外債といったリスク資産の価値が吹き飛ばされ、その公的投資失敗の尻拭いとして国民は年金カットを強いられる・・・ことに加え、カブノミクスの意を汲んでリスク資産投資に傾倒する政府系金融機関ばかりか、日銀までもが前述の自殺行為(マイナス金利とか)のせいで資本注入すなわち血税投入を余儀なくされる!?みたいな絵図―――なわけですが・・・
・・・早ければ早いほどよいと思います。本稿6回目に書いた方向性にわが国は進むべきと考えます。そのほうがカブノミクス壊滅のダメージが少しは小さくてすむでしょう、きっと・・・(?)
いっぽうの年金基金。今後その失われた部分をどうやって取り返すか・・・ですが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2014年10月31日に公表した現行の運用ポートフォリオに固執するのならば絶対といってよいくらい不可能でしょう。リスク資産、とりわけ外国株と外債の価額が円高必至(?)の市場環境で円建てではこの先の大暴落が避けがたいと予想されるためです。したがってGPIFはいったん上記ポートフォリオをリセットしたうえで一刻も早く外貨建て資産の多くを処分売りし、円のキャッシュに戻すべきと考えます(もちろんいまとなってはこれも非常に困難だが・・・)。
で、こうして手にした円貨をどうするか、ですが・・・まあ以前のように安全な国内債券に投資・運用・・・もいいけれど、残念ながらそれだけではカブノミクスが空けた数十兆円(!?)もの巨大な運用損を埋め合わせることはできません。そこで・・・これらの大半で、現物の「金」(ゴールド)を買う。いまの相場であれば10兆円で2千トン以上の金塊を購入できる計算になります。当然、日本がこれほど爆買いすれば金価格は高騰するでしょうが、いっぽうで大量の外貨資産売りがもたらす円高で金の円建て購入価格の上昇はある程度、抑制されるでしょう(2015年の金の需要量は1位中国が985トン、2位インドが849トン、などの数字を見るかぎり、わが国が実際にこれほど大量の金の現物を短期間で入手するなんてミッション・インポッシブルであることは承知で書いている)。
上記に加え、国有資産等の売却も同時に進め、その収益はすべて年金基金の穴埋めに回します。幸か不幸か、いまはかなりの円安ドル高・・・なので日本の外貨準備(米国債等)の多くも売れば利益が出るかも、ということでその利益も全額、わたしたちの年金原資にします。これらマネーも国内債券投資と・・・上記の金投資に振り向けます。