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【資産効果発現?】貧富の差を広げるという意味で「リフレは正しい」①

2013-04-25 00:01:21 | 日本

 黒田東彦総裁とともに日銀の「量的・質的金融緩和」を推進中の岩田規久男・日銀副総裁の著書「リフレは正しい」が書店ビジネスコーナーに並んでいます。私は同書を読んではいないので、感想などを述べることはできませんが、この本の書名は印象的だと感じました。たしかに「そのとおり!」といえるからです。

 岩田副総裁が表現するように、想像すればするほど、リフレにはさまざまな観点から「正しい」面があると思っています。すべてを上げていくときりがなさそうなので、本稿ではそのうちの一点にスポットを当ててみたいと思います。それは本稿のタイトルのとおりです。貧富の差を広げるという意味で「リフレは正しい

 リフレ(リフレーション)とは、意識的にインフレを起こすこと。別な言い方をすれば、人為的に通貨「円」の価値を毀損させること、といった感じになります。そして黒田・岩田日銀はまさにこの「リフレ政策」ともいえるべき金融緩和策を実行して「2年でインフレ2%」の達成をめざすとしています

 中身の詳細はここでは省きますが、「アベノミクス」と連動した同政策が大きな影響を与えている分野があります。ご存知のとおり、それは金融マーケット、具体的には為替(急速な円安ドル高の進行)や株式(これまた急上昇)です。ここでは後述する内容と関連させる意味で最近の株式市場の動きを確認しておきたいと思います。

 昨年11月中旬、当時の安倍自民党総裁が「アベノミクス」の目標としてインフレターゲット(当時は2~3%)を掲げて以降、これまでの半年近くのあいだで、わが国の株価は急上昇してきました。日経平均でみると、11月中旬の8千円台後半から現時点(4月下旬)の1万3千円台半ばへと、じつに50%以上もの値上がりです。

 先日も書いたとおり、この株価の上昇は、日銀を含む主要中銀が量的緩和をさらに進めるなか、世界市場の「リスクオン」モードで株などのリスク資産が買われていることを反映したものと考えられます。

 とりわけわが国の株式市場には、リフレを意図する金融緩和にともなう円安のおかげで、「日本株は割安」と判断した外国マネーが大量に流れ込んでいる最中です。実際、先日のニュースによれば、4月第2週の外国人による日本株の買い越し額は約1.6兆円近くと過去最高を記録しています(一方、わが国の個人投資家のほうは9千億円近くとこれまた過去最高。ただしこっちは「売り越し額」・・・さすがミセス・ワタナベ」は現在の株高の背後にある本質を見抜いている!?)。

 もっともこうした高い株価は「バブル」つまり上記の世界的なカネ余りが演出したものであって、この間の企業の売り上げや利益率が伸びた、などといった実体経済面を反映したものではありません。したがって、この先ちょっとしたこと(米欧中にあふれるリスクのどれかが意識されること)をきっかけにマーケットが「リスクオフ」に転じて為替が円高に振れれば、それまでの株の値上がり益に加えて為替差益も得られる外国人が日本株を一気に売り逃げする可能性も十分に想定されるでしょう。

 とはいうものの、現在までの株価の上昇は、それはそれで景気に好影響をもたらすことでしょう。それが「資産効果」。株式などの資産価格の上昇で得られた利益が消費や投資を活性化させる効果のことです。

 今月10日、日銀の黒田総裁は報道各社との会見で、「資産効果が出てきているなかで、実体経済が徐々に回復し、物価上昇率も徐々に上がっていくと思う」と述べました。まずは自ら(のリフレ政策)が生み出したバブルがもたらす資産効果に期待を寄せている様子が窺われます。

(続く)


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2 コメント

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Unknown (山崎かずみ)
2013-04-25 09:11:55
素敵なブログですね。

(゜∇^d) グッ!!
Unknown (なんだかな)
2014-01-02 02:16:48
読んでなくて批判はいただけない。
あと、経済成長策と格差是正策は別物。

所得再分配の税制、給付付き税額控除とかを行えばいい。
だから金融緩和を行って悪いという結論はおかしい。

経済規模を大きくして、景気を改善し税収も増やしたうえで所得再分配すれば問題ない。

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