それではMMカートリッジを今のシステムでじっくり聴いてみる。
なんだ鳴るじゃないか。今までの弱いインピーダンスのミスマッチのようなものはどこへ行った?そんな感じだ。
今はシュアのTYPEⅤxMRで鳴らしている。部屋中に音が充満する。こうなるとMCでなくともよいかも知れない、そう思う。
そして入力抵抗の可変抵抗器を回転させてみた。
やはり0に近付けると高音が無くなり、やがて音が出なくなる。100kΩに近付けると高音がちゃきちゃきと強く鳴り、低音が弱くなる。尤もこれは低音が弱くなるのではなく、相対的に高音が多すぎなのだと思う。全体で考えるとどの抵抗値でも良いじゃん、といい加減な気持ちになるので、低音過多の状態から少しづつ抵抗値を上げて行って、良い所でやめた。
今度は他のMMを、と探したが、シェルから外してしまったり、リード線が無かったりと、DL-109Dしかなかった。これを掛けると・・・。
音像重視になる。シュアが響きが多い、聴いてて心地よいのだが、こちらはリアルで来る。
どちらも今までは、「ステージを遠くから眺めてた感じ」から、「ステージに飛び込んだ感じ」になった。
そして細かいところ、今まで埋もれてかすかにしか聴こえなかった音や一音一音の微妙な感じが良く分かるようになった。部屋に充満する音も出てきた。ひょっとしてフォノイコが目覚めた?
今の入力抵抗は何Ωなんだろう?テスターで計ってみた。40kΩ。これは2MΩとパラってあるので結果的な抵抗値だ。計算してみると可変抵抗器の値は40.8kΩだ。もし可変抵抗器を付ける前の固定抵抗47kΩなら45.9kΩだ。さして変わらん気もする。
ならば確認の為、MCカートリッジを掛けてみる。前は圧倒的にMCの方がエネルギー感が有った。今回はどうか?
結果は、その前の、OPTを8Ωで使ってた頃に戻った。MCの方がエネルギー感が弱い。それになんか窮屈な鳴り方だ。これだったらMMの方が良い。ただ、凄みは有ると思う。MMのリアルさは「幻想的」で過去の良く分からない時代の記憶に飛ばされ、MCのリアルさは「現実的」で今を考えさせられる。
また、試しに可変抵抗器を一クリック上げた・これで50kΩになるはずだ。MCはこちらの方が良い。開放感がある。ただ、エネルギー感が薄まったかもしれない。
可変抵抗を付ける前の固定抵抗はアムトランスのAMRGだ。そんなに悪い抵抗では無いと思う。この音の違いがなぜか良く分からない。それからこのスケール感は、音量を上げたときに出る。これも良く分からない。それに今はMCとMMが同等のエネルギー感だ。なんだかよく分からなくなってきた。まあ、悪い方に行ってるわけではないのでじっくり調整する。
カギはMMカートリッジの負荷抵抗。