なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

病院でダラダラしています

2014年05月18日 | Weblog

 昨日の当直は、午後11時半に8歳の男児が40℃の発熱で受診した。日中に内科医院を受診してアセトアミノフェンを処方されたそうだ。咳と咽頭痛がある。意識清明で聴診で呼吸音は異常ない。嘔吐・下痢はなく水分はとれる。インフルエンザ迅速試験をしてみたが、陰性だった。次の日(今日)の日直が小児科医ということは、電話で聞いたというので、それでも心配して待てないと連れてきたことになる。様子を見ていいですと言ったが、不安(不満)そうだった。明日小児科医が出ているので、また来てくださいと責任を預けることにした。その後深夜帯で受診がなく、救急搬入もなしというラッキーな当直で終わった。

 昨日入院した感染性胃腸炎の86歳男性は症状が軽減していた。誤嚥性肺炎を発症した87歳男性も、意識が回復して乏尿だった昨日よりも尿が出始めて、改善しているようだ。外科系の当直は眼科医だった。午前4時ごろに、交通事故で脛骨腓骨骨折(歩行していて車が衝突してきた)が搬入されたそうだ。当地域の基幹病院が(頭は診れないという理由で)断ったため、眼科医が診察することになる当院に搬入された。今日の外科系日直が整形外科のトップなのでちょうどよかった。

 病院の売店で昼食用にサンドイッチと牛乳を買って、午後まで医局で本を読みながらダラダラして過ごすことにした。まだ読んでいなかった非結核性抗酸菌症の本も読まないと。来月に消化器の検討会があるので、慢性膵炎の症例をまとめよう。

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今日は当直

2014年05月17日 | Weblog

 今日は当直で病院に出ている。朝に金曜日当直の先生から、嘔吐・下痢・発熱の86歳男性を入院させたと連絡が来ていた。午後早目に病院に来て診察すると、腹痛はなく腹部圧痛もなかった。感染性胃腸炎疑いとして、点滴で経過をみることにした。

 朝に病棟からも連絡が来て、入院していた87歳男性が血圧が80台に下がって、呼吸が荒いという。食事摂取できなくなって入院していた。点滴で経過をみて、入院後はある程度食べていた。寝たきりで認知症があり、退院させてもまた戻ってきそうだが、いったんは自宅に戻そうかと思っていた。お店を経営している奥さんは、おけなくなるまでずっと病院に置いて下さいという希望だった。胸部X線ではまだはっきりしないが、左肺に誤嚥性肺炎を起こしたようだ。点滴と抗菌薬を開始した。

 今のところ外来受診は数名で入院するような患者さんはいないが、まだまだ朝までは長い。このごろまた緩和ケアの患者さんが数名いて、「間違いだらけの緩和薬選び」を読み返している。

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肺炎で紹介、また肺炎で紹介

2014年05月16日 | Weblog

 内科医院からチアノーゼの85歳男性が紹介されてきた。朝、デイサービスに行ったが、手足のチアノーゼを指摘されて、かかりつけの内科医院に連れて行かれた。酸素飽和度が80%で、当院に連絡が入った。前にも同じ医院から肺炎として紹介されたが、右肺にスリガラス状陰影が広がり、浸潤影もあった。通常の肺炎とは違うので、そのまま基幹病院呼吸器科へ搬送した。肺膿瘍と肺アスペルギールス症という診断だった。治療を受けて治癒したが、廃用症候群となり、リハビリ目的で当院に転院した。約1か月で食事もとれて、ある程度動けるようになり、自宅に退院した。

 今月に入って飲み込みが悪くなり、ここ数日はほとんど食べていない。胸部X線・CTで左肺に浸潤影があり、これは通常の誤嚥性肺炎と思われた。救急隊が酸素5L/分で搬入したが、酸素飽和度が88%くらいだった。上下肢は冷たく、確かにチアノーゼだが、循環不全のためだった。血液ガスでは酸素分圧130と上昇していた。点滴が始まると、末梢循環が改善して飽和度も98~100%となった。酸素2L/分で下げても95%を保った。手の色も良くなってきた。抗菌薬はユナシンを開始した。一見して骨と皮で老衰の雰囲気がある。肺炎が治っても、嚥下障害で食事摂取が進まないかもしれない。

 そこにまた外科のクリニック(内科外科を標榜)から連絡が入って、77歳女性のおそらく肺炎を診てほしいという。熱が39℃と高い。以前にも肺炎で入院した既往がある。来てみると両側肺に浸潤影が散在していた。ただ尿混濁もあって、高熱は肺炎よりも尿路感染症のためかもしれない。内科の若い先生(女性)に頼んだ。さっそく喀痰培養、血液培養、尿培養を提出して治療開始となった。

 午後に救急車のサイレンが聞こえたので、また肺炎かと思ったが、深部静脈血栓症の患者さんが当院の血管外科に紹介されての搬入だった。

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DNRとDNR

2014年05月15日 | Weblog

 呼吸器科の先生から、非結核性抗酸菌症の89歳女性のことで相談された。腎臓内科に通院していて、昨年から非結核性抗酸菌症が疑われていた。今年になって陰影が少しずつ増加してきていた。呼吸器科に回されたが、常勤医ではないので入院する時は内科で頼みたいとは言われていた。患者さん自身は意外に元気だった。年齢的に治癒は難しいということだ。労作時に息切がする。一人暮らしというので、入院で抗菌薬を投与してみることになった。連れてきた娘さんには、見込みとしてきびしいと伝えた。娘さんとしては治療結果がどうというより、とりあえず入院させてもらえるという点で喜んでいた。

 78歳女性は5年前から多発性骨髄腫で治療していた。抗癌剤治療は中止となり、貧血に対する輸血だけになっていた。体力的にきびしくなり、今日は予約日だた患者さんは入院のつもりで受診した。外来で診ていた腫瘍内科医(大学病院から応援)が夫に話をして、急変時はDNRの方針で入院治療をすることになった。

 基幹病院呼吸器科からの紹介で、緩和ケア目的で当院に転院した肺癌の70歳女性は、1か月半経過していた(急変時はDNRの方針)。一昨日から全身状態が悪化して、昼前に夫と娘に改めて時間の問題と伝えた。今晩かもしれないと思って、家族には夕方までいて、その後は病院にいてもらっても自宅待機してもいいと言った。今晩か明日の朝方かなと予想したが、夕方に心肺停止となってしまった。

 昼の薬剤メーカーの説明会の時、大学病院呼吸器科から電話が来た。現在大学病院に入院している肺癌の患者さんの緩和ケアを頼みたいという。在宅酸素で退院して、少しは外来通院で診られそうだが、そのうち入院治療が必要とお願いされた。来週の内科新患を受診してもらうことにした。しばらく緩和ケアがなかったが、ここにきてまた増えてきた。

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患者さんの振り分け

2014年05月14日 | Weblog

 今日は内科再来の患者数が少なかったので、12時前に終わった。内科新患は大学からの応援医師だった。肺炎疑いの患者さんと腹痛の患者さんが来ているというのは、外来看護師の話でわかっていた。診断された後の対応(診断できれない時も)は常勤医が担当する。

 腹痛の患者さんというのは87歳女性で、一昨日夜から右季肋部痛・背部痛があり発熱もあった。胆嚢炎ですかという症状だ。血液検査と腹部CT(造影剤で発疹の既往があり単純のみ)がオーダーされていた。白血球数18000でCRP12と炎症反応が上昇していたが、肝機能障害は目立たなかった。腹部CTで胆嚢が腫大・緊満している。腹部エコーを追加すると胆嚢内に結石とdebrisがあり、胆嚢壁は軽度に肥厚している。胆嚢結石・急性胆嚢炎だった。胆道系は拡張していない。

 この方は昨夜、地域の基幹病院を受診して、本人の話では便秘と言われて返されたそうだが、真相はわからない。家族(息子)は車で患者さんを病院に連れてきて、帰ってしまっていた。診察が終わったら迎えに来るつもりだったようだ。さっそく外科の上の先生に相談して、担当の外科医を決めてもらった。外科外来で診察を受けて、そのまま緊急手術になった。ラパ胆ですね。

 85歳男性は今年の1月に肺炎で入院していた。病院近くの施設に入所している。昨日から発熱と呼吸困難があって、今日受診した。酸素飽和度が86~88%と低下していた。胸部X線・CTがオーダーされていて、画面で見ると前回のような明らかな肺炎の浸潤影はない。遅れて出現してくるのかもしれない。患者さんを診に行くと、喘鳴が聴取された。気腫性変化ははっきりしない。喘息症状も普段はない。感染による喘息性気管支炎ということになるのか。年齢と病名がそぐわない感じかする。誤嚥性肺炎としての陰影はないが、発熱・咳・痰があって、喘鳴が聴取されることがある。誤嚥性気管支炎という病名が画面にあった。以前、胃瘻造設と誤嚥性肺炎を主に担当していた先生が時々この病名を使っていた。この方もそう表現すべきなのか、あるいは浸潤影が胸部X線でわかるようになる前の状態をみているだけなのか、経過をみないとわからない。

 救急外来に搬入された83歳女性は重症肺炎で、酸素飽和度が上がらず、pHが7-1だった。内科の若い先生が担当になったが、まずダメだろうということだった。他にも内科として入院が2名いて、全部は内容を把握できなかった。問題があれば、担当となった若い先生方が相談に来るので任せている。

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結局消化器科で入院

2014年05月13日 | Weblog

 66歳男性が食欲不振で受診した。胃潰瘍の既往がある。ただし昨年首都圏の病院で胃潰瘍瘢痕と言われたそうだ。嘔気や腹痛はなかった。受付としては、消化器科の新患した。どうも、年齢の割に理解力が低下している。頭部CTをとると、多発性ラクナ梗塞が散在して、前頭葉の脳萎縮も目立った。さらに胸部X線・CTで左肺に空洞性病変があった。

 肺結核の疑いということで、今日基幹病院の呼吸器科に紹介したが、食欲不振とは関係ありませんという返事で、あっさりと帰された。そういわれると、古い病変の可能性もある。昨日から内科に相談されていたが、今日はまず胃の検査をして、特に問題がなければ内科で引き取って経過をみますと伝えた。さっそく内視鏡検査が行われて、胃角部小彎に大きな出血性胃潰瘍があった。まあ、これでは食欲が落ちてもしかたない。昨年胃潰瘍瘢痕と言われて、内服継続という話だったので、おかしくなってしまった。薬はきちんと内服していないことが判明した。結局消化器疾患ということで、消化器科に入院した。内視鏡的止血処置を要するほどではなかった。念のため生検もされた。

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ナノパスニードル34G

2014年05月12日 | Weblog

 糖尿病で通院している73歳女性が、大学病院整形外科で左股関節の人工関節再置換術を受けて帰ってきた。以前に両側の股関節の人工関節置換術を受けていたが、左股関節の痛みが続き、再手術となったものだ。

 大学病院の糖尿病代謝科で術前術後の糖尿病治療を行った。普段は混合製剤30Rの朝夕注射になっていたが、入院中は当然インスリン強化療法に切り替わった。1400Kcal/日の食事療法になったこともあり、低血糖になって何度か倒れたそうだ。糖尿病の先生は2-3回病室に来たらしいが、他科からの頼まれ仕事なので、当然そんなに熱心に見る余裕もないのだろう。低血糖になれば、インスリンを減量すればいいのだが、自分でポカリスエットを飲んで調整したという。

 30R朝夕ではHbA1cが7%前後だった。今日は入院していた期間の血糖を反映するので、5.9%と正常域だった。以前に入院した時もインスリン強化療法だったが、退院後は希望で知り合いの他の患者さんは30R朝夕で楽そうでいいと、自分も30R朝夕を(強く)希望した。入院してないと、インスリン強化療法にしてもHbA1cが7%前後になってしまい、朝夕打ちと変わらなかった。今回は、大学病院で言われたらしく、インスリン強化療法を継続することに納得していた。自宅だと、HbA1cは7%にまた戻るのかもしれないが。

 大学病院で使ったこの針にして下さいと、テルモのナノパスニードル34Gを出してきた。あら、そんな細い針があるのかと驚いた。痛みがほとんどないという。出たばかりではないので、ずっと知らなかったことになる。病院近くの薬局に問い合わせると、その針があるという。知らないのは病院だけ? テルモも商売っけがなさすぎる。こんな針があれば、インスリン用の針は全部これになって売り上げ急上昇になるのに。

 

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今日は日直

2014年05月11日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。声がかすれて、微熱がある。咽頭喉頭炎型の風邪を引いたようだ。なるべくしゃべらないのが、一番の治療なので極力しゃべらないようにはしていたが、実際はそうもいかない。最後には完全に声が出なくなるかもしれないと思ったが、なんとかもっている。

 今日は内科入院が3名。86歳男性は昨日尿路感染症が治って退院したばかりだった。意識障害と左片麻痺で救急搬入された。頭部CTで右中大脳動脈領域に脳梗塞を認めた。この方は16年くらい泌尿器科で前立腺癌の治療を受けていて、有効な治療がなくなっている。1週間過ぎてみないとわからないが、食事をとれるようにはならないと予想される。ふだんから歩行はできない状態だった。

 80歳男性は一過性に意識が低下して倒れた。すぐに気が付いたが、言葉が出なかった。麻痺はなかった。救急隊到着時も言葉が出なくて、混乱した状態だったらしい(救急隊は不穏と表現した)。救急車内で言葉が出るようになって、当院搬入時は特に症状がなかった。構語障害というよりは失語のようだ。頭部CTでは異常なかった(1時間半なのであっても出ないが)。頭部MRIは50年前に足の外傷で金属が入っているので断念した。ご本人は帰ると言っていたが、家族に説得されて入院して数日経過をみることになった。左中大脳動脈領域の一過性脳虚血発作なのだろうか。

 54最男性は脳性麻痺で施設に入所していた。胃瘻による経管栄養を受けていて、寝たきり状態だった。昨夜から高熱があって受診した。心陰影の背側に浸潤影が疑われ、胸部CTで確認した。酸素飽和度は正常域だったが、施設職員はぜひとも入院をと希望された。経過栄養を一時的に止めて、抗菌薬と点滴で数日治療して経過をみる。

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そんな患者さんがいましたか2

2014年05月10日 | Weblog

 昨日93歳女性が嘔吐下痢で外来を受診した。発熱はなく、腹痛もなかった。娘の夫が連れてきていた。看護師さんによると、娘さんはうつ病(自称?)で体調が悪い人だという。その夫は精神科病院で看護師をしている。今日は勤務がないので、付き添ってきたそうだ。1本点滴すると、だいぶ顔色が良くなって水分も取れた。

 今月初めに急性腎盂腎炎で入院したが(救急外来で診た循環器科医がそのまま担当した)、認知症で不穏があり、病棟の看護師さんたちが苦労したそうだ。もう1本点滴して、食事がとれない時はまた点滴にきてもらう方がいいかもしれないと思った。義理の息子は入院を希望した。超がつくような高齢という点では入院しておかしくない。この方が勤務に出かけると事実上介護する人がいなくなるので、短期入院で週明けの月曜日まで預かることにした。

 前に入院していた循環器病棟の個室に入った。病棟で点滴の指示を出していると、その病棟にいる肺に空洞のある患者さん(69歳男性)のことで、看護師さん(以前は内科病棟にいた)から相談を受けた。内科の若い先生が主治医だった。なんでも、意識障害で救急搬入されたそうだ。血糖が500と高値で、糖尿病を放置していたらしい。点滴とインスリン注射が開始された。搬入時に頭部CTが撮られていて、ラクナ梗塞が散在していた。CTだからはっきり言えないが脳幹部にもラクナ梗塞があるように見える。胸部X線で右肺に3~4cmの空洞性病変があった。高血糖と肺結核疑いということで、易感染性から結核というストーリーで検査と治療が進められた。通常の細菌性肺炎の治療もしつつ、繰り返した抗酸菌塗抹はいずれも陰性だった。入院後は解熱して、意識も戻り、炎症反応は順調に軽快してきていた。会話できるようになると、左半身が動きにくいことがわかった。その日に頭部MRIが行われて、CTで見えた脳幹部のラクナ梗塞は新鮮なものとわかった。入院してすでに1週間経過している。

 看護師さんとしては、肺結核だと困るということだった。個室に入院して、今のところ抗酸菌は出ていない。呼吸器科のある病院へ紹介してほしいらしいが、そこも結核病棟を持っていない。排菌していなければ、入院で肺結核の治療はするが、なにしろ手のかかる糖尿病と脳梗塞がある。これで紹介しようとしても、受けてくれるかどうかわからない。それにしても、通常の抗菌薬で軽快しているのは、結核に随伴した通常の細菌性肺炎を治したということなのか。空洞自体が肺炎から肺膿瘍となって、中心部が壊死に陥ったところを見ているのか。空洞壁はそれほど厚くはない。まずは主治医の先生に聞いてみて、来週にでも週1回大学病院から来ている呼吸器科医(感染症の医局に所属)に相談することにした。

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そんな患者さんがいましたか

2014年05月09日 | Weblog

 今日は外来がないので、午前中に病棟の回診を済ませた。施設からの感染性胃腸炎の患者さんたちは症状軽快して、このままいけば来週には終息すると思われた。医局に戻って、早めに昼食(弁当のオムライス)を食べた。午後1時から3時まで、高校の看護科の講義に出かけた。

 講義を終わって戻ってくると、内科の若い先生から、腎臓内科から連絡がありましたかと聞かれた。腎臓内科の外来で診ている患者さんが受診して、胸部X線でびっくりするような陰影があるという。看護科の講義でいなかったときに受診した患者さんらしい。

 左肺の上葉全体に浸潤影があって容積が膨張して、内部にair bronchogramを認めた。右肺の上葉にも浸潤影が軽度にあった。胸部X線は一昨年のが最後で、そこに異常はなかった。病変の割に、炎症反応の上昇が軽度で、発熱がないことから慢性の経過と判断したらしい。結核を心配して喀痰の抗酸菌塗抹染色を行って陰性だったが、肺結核の考慮されるということで、基幹病院呼吸器科に紹介になっていた。むしろ左肺門に腫瘍があって、閉塞性肺炎を併発したんではないかと思ったが、無気肺ではなくて病変部は膨張しているのがわからない。これは専門医にお任せするのがいいようだ。ある程度目途が立ったら時点で当院に戻されるのだろう。単に通常の細菌性肺炎として普通に抗菌薬投与でいいような気もするが、自信はない。

 続いて、消化器科医から88歳女性の発熱に付いて相談を受けた。今年1月に大腿骨頸部骨折に整形外科に入院していた。手術後にリハビリ病棟に移って今月初めに退院した。施設にショートステイで入所中に発熱があって動けなくなり、一昨日また当院に救急搬入された。救急当番で診たので、そのまま消化器科で入院にしたそうだ。明らかな肺炎や尿路感染症はない。点滴と抗菌薬(誤嚥性肺炎が否定できないので)で治療を開始したが、感染症ではないかもしれないと思ったそうだ。

 病棟に見に行くと、仰向けにだるそうに寝ていた。食事は全量摂取している。左膝関節が多少腫れていて痛がっていた。右手関節も腫脹しているが、熱感はわずかだった。四肢体幹に蜂窩織炎はない。感染症以外だと、偽痛風が多いが、所見としては弱かった。週末はそのまま抗菌薬を継続で経過をみて、偽痛風も否定できずということで、NSAID(セレコックス)内服を追加することにした。夕方だったので、関節のX線は胸部X線再検する予定の月曜日に入れた。

 

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