なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

抗酸菌鏡検陽性

2014年05月23日 | Weblog

 皮膚科で類天疱瘡の治療が開始された98歳女性が肺炎で入院していた。入院した1か月前は胸部X線・CTで誤嚥性?肺炎の浸潤影としていい陰影だった。入院後に、顔に天疱瘡というより、帯状疱疹と思われる水疱疹が出たりした(皮膚科医の診断は確定しがたい、だった)。炎症反応は横ばいで推移していた。経口摂取も困難で嚥下障害用の食事を出しても飲み込みは悪かった。入院後1か月経過したこともあって、担当の若い先生が胸部CTを撮り直してみると、両側肺の胸膜直下に空洞性の病変が散在していた。1か月で出現したのは早いような気がするが、いかにも抗酸菌らしい像だった。喀痰を提出するとガフキー陽性。1回だけだし、PCR・培養の結果をみないとわからないが、やっぱり出たかと思った。もともと希望で個室入院(この方はいつもそう)なので、助かった。来週初めにはPCRの結果が出るので、それを待つことになった。

 当地の基幹病院呼吸器科からいつもの転院依頼が来た。当院から紹介した80歳代女性は、胸水検査で肺癌(腺癌)と判明した。胸腔ドレナージと胸膜癒着術行われて、あとは緩和ケアになったとある。コンピュータの画面で、紹介した時の画像を見ると、左肺全体に浸潤影と胸水がある。確かにこの画像では、即転送が呼吸器科のない当院の常識的判断だ。診断と適切な治療をしてもらったので、あとは当院でおそらく最期までみることになるだろう。食事がとれない状態と記載してあるから、どれだけの治療ができるかわからないが、来週月曜日に転院可能と連絡した。

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