なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

そんな患者さんがいましたか

2014年05月09日 | Weblog

 今日は外来がないので、午前中に病棟の回診を済ませた。施設からの感染性胃腸炎の患者さんたちは症状軽快して、このままいけば来週には終息すると思われた。医局に戻って、早めに昼食(弁当のオムライス)を食べた。午後1時から3時まで、高校の看護科の講義に出かけた。

 講義を終わって戻ってくると、内科の若い先生から、腎臓内科から連絡がありましたかと聞かれた。腎臓内科の外来で診ている患者さんが受診して、胸部X線でびっくりするような陰影があるという。看護科の講義でいなかったときに受診した患者さんらしい。

 左肺の上葉全体に浸潤影があって容積が膨張して、内部にair bronchogramを認めた。右肺の上葉にも浸潤影が軽度にあった。胸部X線は一昨年のが最後で、そこに異常はなかった。病変の割に、炎症反応の上昇が軽度で、発熱がないことから慢性の経過と判断したらしい。結核を心配して喀痰の抗酸菌塗抹染色を行って陰性だったが、肺結核の考慮されるということで、基幹病院呼吸器科に紹介になっていた。むしろ左肺門に腫瘍があって、閉塞性肺炎を併発したんではないかと思ったが、無気肺ではなくて病変部は膨張しているのがわからない。これは専門医にお任せするのがいいようだ。ある程度目途が立ったら時点で当院に戻されるのだろう。単に通常の細菌性肺炎として普通に抗菌薬投与でいいような気もするが、自信はない。

 続いて、消化器科医から88歳女性の発熱に付いて相談を受けた。今年1月に大腿骨頸部骨折に整形外科に入院していた。手術後にリハビリ病棟に移って今月初めに退院した。施設にショートステイで入所中に発熱があって動けなくなり、一昨日また当院に救急搬入された。救急当番で診たので、そのまま消化器科で入院にしたそうだ。明らかな肺炎や尿路感染症はない。点滴と抗菌薬(誤嚥性肺炎が否定できないので)で治療を開始したが、感染症ではないかもしれないと思ったそうだ。

 病棟に見に行くと、仰向けにだるそうに寝ていた。食事は全量摂取している。左膝関節が多少腫れていて痛がっていた。右手関節も腫脹しているが、熱感はわずかだった。四肢体幹に蜂窩織炎はない。感染症以外だと、偽痛風が多いが、所見としては弱かった。週末はそのまま抗菌薬を継続で経過をみて、偽痛風も否定できずということで、NSAID(セレコックス)内服を追加することにした。夕方だったので、関節のX線は胸部X線再検する予定の月曜日に入れた。

 

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