なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

卵巣に腫瘤はないがCA125高値

2014年05月27日 | Weblog

 64歳女性が整形外科医院から紹介されてきた。その医院の院長夫人だった。もともと体重100Kg超の肥満があるが、1か月前からさらに腹部膨満が進んだ。なんだか甲状腺機能低下症のようにも思えたが、受け答えは全く問題がなかった。実際甲状腺機能は正常だった。あとは悪性疾患だが、腫瘍マーカーの検査でCA125が3500と高値だった。卵巣癌が疑われる。

 腹部エコーでは見えないと思い、腹部造影CTを行った。腹水が中等度にあった。卵巣癌といえる腫瘤はなかった。膵臓癌でもない。わかりにくいが明らかな結腸癌もなかった。すくなくとも腸管閉塞による近位腸管の拡張はまったくない。体格的に大腸内視鏡は施行困難と思われた。消化器科医に相談すると、胃だけは診ておくことになった。ひどい逆流性食道炎を認めたが、胃癌はなかった。逆流は腹部膨満の結果だろう。腹壁が厚く穿刺しての細胞診もできるかどうか。

 婦人科医に相談するとMRIの方がわかるということだったが、MRIの撮影台に納まらない体格だった。以前MRI検査を受けたことがあるそうで、その時もぎりぎりだったという。その時よりも膨満しているので無理かもしれないと患者さん自身が言っていた。

 結局、消化器科医・産婦人科医・放射線科医と相談の上、原発巣の小さい卵巣癌の可能性が考えられるということになった。PET-CTが撮影できる(ダグラス窩からの穿刺細胞診も?)県立がんセンター婦人科に紹介することになった。

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