なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

誤嚥性肺炎

2014年05月21日 | Weblog

 先週金曜日に内科医院からの紹介で入院していた85歳男性が午後に心肺停止となった。ちょうど奥さんが病院に来ていて、立ち会った。そもそもは昨年8月に肺炎として紹介された。右肺全体にスリガラス状陰影が広がり、浸潤影もあった。通常の細菌性肺炎ではないと思われ、さらに基幹病院呼吸器科に紹介した。入院して肺膿瘍・肺アスペルギルス症と診断された。その後、入院による廃用症候群と食事摂取が進まないということで当院に転院した。約1か月入院して、幸いに全粥刻み食を食べられるようになった。介助で車いす移動はできるようになって自宅に退院した。

 今回は6日前にチアノーゼで救急搬入された。その日いつものように施設へデイサービスに行って、そこで四肢のチアノーゼを指摘された。かかりつけの内科医院に連れて行かれて、そのまま当院へ救急搬入された。発熱は37℃台で、頻呼吸だが呼吸困難の訴えはなかった(実際は症状を訴えられない)。胸部X線・CTで左肺に浸潤影があり、誤嚥性肺炎と診断した。何だか骨と皮状態になっていた。今月初めから嚥下困難が進行してほとんど食べられなくなっていた。よくデイサービスに出していたものだと思う。入院して、肺炎の治療を開始したが、思わしくなかった。ほとんど動かず発語もなかった。ところが。昨日一時的に急にしゃべり出して、動きが活発になった。酸素飽和度に変化はなかった。せん妄状態と思われた。今日は昨日のような動きはなく、昼過ぎに心肺停止となり、そのまま死亡確認となった。

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