5月30日(木)内科クリニックから泌尿器科外来(非常勤医)に左腎腫瘍の42歳女性が紹介されてきた。
たまたま腹部エコーを行ったところ、左腎臓の下極寄りに高エコーの腫瘤を認めていた。自覚症状はない。
担当医が腹部造影CTを行うと、ほとんどが脂肪で構成された腫瘤で隔壁構造が所々にあった。放射線科の診断は「血管筋脂肪腫」だった。血管筋脂肪腫angiomyolipoma(AML)にも種類があるが、腫瘤内に脂肪成分を同定できるので「古典的血管筋脂肪腫」になる。
この患者さんは6年前に腹痛(心窩部痛)で受診歴があり、腹部単純CTが行われていた。同部位に同じ病変が描出されていた。内部にわずかに隔壁様の構造があり、放射線科の診断は「血管筋脂肪腫の疑い」となっていた。
心窩部痛を説明できる所見がCTで認められなかったので、上部消化管内視鏡検査が予約されたが、患者さんが来院しなかったので、そのままになってしまったようだ。
良性腫瘍なのでサイズが小さければ(<4cm)、経過観察になるだけなので、結果的には問題なかった。今回も「サイズは前回より増大しているが、悪性とはいえない」とも記載されていた。
病名は聞いたことがあって、CT画像の本にも載っているが、これまで見たことはなかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます