なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

術後変化?胆汁漏出?

2024年06月05日 | 消化器疾患

 5月22日に記載した胆石性急性胆嚢炎の82歳男性のその後。

 5月20日に地域の基幹病院外科に転院搬送させてもらった。当初は全身状態が悪く、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を行って、カテーテル挿入のままで当院に戻すということだった。

 その後病状が改善したということで、5月27日に腹腔鏡下胆嚢摘出術(ラパ胆)が行われた。総胆管結石を疑って術中に胆管造影を行ったが、胆泥程度で結石はないということだった。

 ベット確保のため5月31日に当院に戻ることになった。術後4日目で炎症反応がまだ高値なので、抗菌薬を1週間程度継続するようにという指示があった。

 腹部症状はなかったが、嚥下障害で経口摂取できなかった。聴覚言語療法士と相談して、週末(金)なので点滴で経過をみて、月曜日から嚥下訓練を開始することになった(昼のみ嚥下調整食3で)。

 6月2日の午後に軽度の腹痛があり、同日の午後10時ごろに急に叫ぶような腹痛が出現した。腹痛時のアセトアミノフェン1000mg点滴静注(アセリオ)を行ったが、症状が4時間続いた。

 病棟看護師さんがその次の指示であるペンタゾシン注を行うかと思っていたところ腹痛は自制可となった、(バイタルは安定していたので夜間に報告は来なかった)

 6月3日(月)に報告を受けて、病室に行くと、苦痛表情はなかった。むしろ転院してきた時は会話も難しかったが、その時は症状についての会話ができた。

 発熱はなく、腹部症状も明らかな腹膜刺激症状はなかった。入院後の血液検査を入れていたが、炎症反応は高値だった。

 急遽胸腹部CTを行った。肝表面と胆嚢床に空気と液体貯留があり、それらは繋がっている。術後なので術後変化なのか、胆汁が術部から漏れて炎症を来しているのか判断がつかなかった。

 手術をしてもらった基幹病院外科に連絡すると、術後変化ではといわれた。しかし昨夜の症状が説明できないのと、術後1週間では手術時の気体は吸収されているのではとも思った。

 CT画像と患者さんを直接診てもらって、問題なければ当院に戻してもらうことになった。午前中の搬送だったが、その後午後5時まで連絡がなかった。病棟看護師さんと、たぶん転院になったのだろうと判断することにした。

 問題がないとしても、数日経過を診ていただいてから戻してもらうとありがたい。

 

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