なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞

2024年06月13日 | 脳神経疾患

 6月8日(土)の当直の時に、脳血管障害疑いの48歳男性が受診した。その日の約6時間前から右上肢のしびれが発症した。

 その20~30分後くらいから左下肢のしびれも生じた。筋力低下と確定し難いが、歩行すると右下肢に違和感があり、わずかに麻痺が出ているようだ。

 2年前に高血圧症の治療を短期間したことがあるが、すぐに中断したそうだ。受診の血圧は180/100mmHgと高値だが、脳梗塞があればすぐには下げないことになる。

 脳血管障害疑いとして頭部MRIを行った。おそらく小さなラクナ梗塞が出ると予想された。結果は、脳出血も脳梗塞も認めなかった(正確には指摘できなかった)。

 時間の問題なので、入院して経過をみるのが無難だと思われたが、患者さんの方にその気はなかった。結局、抗血小板薬を内服してもらって、10日(月)の受診となった。症状が進行する時は9日(日)に受診してもらうことした。 

 10日(月)に受診した時は、まだ右上下肢のしびれは残っているが、範囲と程度が軽減していた。右下肢の違和感はなくなり、歩行は問題ないということだった。

 一過性脳虚血発作ではないので、脳梗塞確定のために予定通りに頭部MRIを再検した(予約は入れていた)。放射線の技師さんから、ありましたと報告が来た。

 左橋の背内側(小脳橋脚部近傍)に数mmの梗塞巣があった。てっきり大脳に出るものと思い込んでいたので、意外な結果だった。やはり入院として時間をおいてMRIを再検していくべきであった。

 やはり入院する気はなかったので、抗血小板薬を継続(今更だが1週間は倍量)とした。降圧薬は発症1週間後からの開始とした。

 患者さんは元気いっぱいで、タレントの彦摩呂さんに雰囲気がそっくり。ただ好き嫌いがはっきりしていて、気に入らないと思うと治療を受け入れないかもしれない。

 

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