6月5日(水)はその日内科外来に出る先生が休みで、若い先生が代わりに出ていた。再来の人数は少なかったが、新患が意外に多く、診察が丁寧なので12時近くになってもまだ新患の患者さんが残っていた。年配の先生が12時に手伝いに出て、新患の患者さんを診てくれた。
52歳男性が起床時(午前5時半)から続く胸部圧迫感で受診していた。これまでも5分以内の胸部圧迫感があったが、その日は長く続いているということだった。喫煙者でタバコを吸った時に症状が出ることもあった。
症状からは、ふだんは狭心症の症状で、それが急性心筋梗塞になったと判断される。身体所見としては異常がなかった。
不完全右脚ブロックだが、ST上昇は判読できる。心電図では、Ⅱ・Ⅲ・aVFで軽度だがST上昇を認めた。Ⅰ・aVLでSTが軽度に低下していた。胸部X線では心不全の所見はなかった。
血液検査ではトロポニンIが107.5(<26)と上昇していたが、CK-MBなどの心原性酵素は正常域だった。白血球12000・CRP0.2と急性期の所見がある。
血圧は149/93mmHgで、おそたくふだんから高いようだ。糖尿病はないが、LDL-Cが223mg/dLと高コレステロール血症があった。複数の冠危険因子をもっている。
急性心筋梗塞(下壁梗塞)として、地域の基幹病院循環器内科に紹介となった。
陽気な先生で、午後から他の先生に「いやあ、いきなり心筋梗塞が来て」と元気に話していた。この先生はキーボードの打ち間違えが多く、肺気腫(はいきしゅ)が俳句集(はいくしゅう)になっていたりする。
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