なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

過呼吸

2024年06月02日 | 呼吸器疾患

 5月29日(水)の当直の時に、30日(木)午前0時過ぎに市内の救急隊から搬入依頼が来た。17歳女性が、頻回の嘔吐・めまい・手のしびれがあるという。

 手のしびれというのは過呼吸なのかと思った。この時間の搬入だと朝までのコースになりそうだが、来てもらうことにした。

 学校が終わった後、県庁所在地にあるスタジオでダンス(ヒップホップ)の練習をしていた。最近大会があるので、頻回に練習があって相当に疲れていたらしい。

 練習直後から嘔気があり、電車の中で、また当地に着いてからも計10回くらい嘔吐していた(食物と胃液)。母親が駅まで車で迎えに行ったが、症状が続くので駅から救急要請したという経緯だった。

 救急隊は意識JCSで10といっていたが、それはないだろう。実際搬入時は閉眼していたが、問いかけると薄目をあけて、首を動かしたり小声で答えることはできる。

 胸部聴診は異常がなく、腹部は平坦・軟で圧痛もなかった。手のしびれはまだあるというが、呼吸数は10回前後で過呼吸ではなかった。

 点滴と採血を出すので、静脈血ガス分析も追加した。PaCO2 27.3mmHg・pH 7.49と呼吸性アルカローシスはまだあった。搬入後は嘔吐はなかったが、嘔気があるというので点滴とメトクラピラミド(プリンペラン)注だけ行った。

 過呼吸で夢中になっていればヒドロキシジン(アタラックスP)の点滴静注をしようかと思ったが、そのまま経過をみた。母親付き添いで朝まで点滴室にいてもらうことにしたが、少し寝られたようだ。

 午前8時に見に行くと、ふらつきもなくトイレまで行けたそうで、すっきりした顔だった。点滴を抜いて帰宅とした。当院としてはこのくらいの受診がちょうどいい。

 

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