なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

検査しまくった

2016年11月25日 | Weblog

 昨日の昼過ぎに69歳女性が胸が苦しいと内科外来を受診した。8年前に肺癌の手術を受けて、そのフォローで呼吸器科外来に通院していた。呼吸器科外来の担当は常勤医から非常勤医に変わっている。ふだんは降圧薬とスタチンを処方されている。

 午前6時に胸骨下から心窩部の疼痛が出現して、持続していた。診察では胸部は異常なく、腹部は平坦・軟で圧痛なし。急性心筋梗塞(下壁高速)を疑った。胸部X線は2か月前と変わりなかった。午後2時に施行した心電図はV5-6で軽度のST低下を認め、Ⅱ・Ⅲ・aVFが気になったが、明らかなST上昇はなかった。バイタルは異常なしだった。発熱もない。

 トロポニンTは陰性。CK-MBは0だった。白血球数12000、CRP2と炎症反応が上昇している。循環器科医に心電図を診てもらって、心臓エコー検査をしたが異常なしだった。心臓ではないようですと言言われた。胆嚢結石の既往があるので腹部エコーを行うと、結石が2個あった。sonographic Murphy signは陰性。胆嚢炎の所見はなく、肝機能障害もない。

 Dダイマーは正常域だったが、大動脈解離も否定できずで、造影胸腹部CTを施行した。大動脈解離はなく、左肺下背側に単純CTで充分わかる肺浸潤影があった。胸膜にかかっているので、吸気時痛(胸膜痛)があってもおかしくないが、背部痛ではない。

 炎症反応上昇は肺炎として説明できるが、発熱がなく、圧痛のない心窩部痛だった。肺炎だけで説明できる気がしなかったが、肺炎として経過をみるしかない。アセリオ500mg点滴静注で、ずっと訴えていた疼痛は消失した。関連通?、胸骨下端~心窩部正中だが。

 入院で経過をみることにしたが、今日は発熱もなく、疼痛の訴えもない。CTで見える冠動脈は石灰化が目立つので、心臓CTはしておこう。

コメント (1)
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