なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

こじれて大変そう~慢性片頭痛

2016年11月05日 | Weblog

 3日の日直の時に46歳女性が頭痛で救急搬入された。地域の基幹病院の近くの方(隣の隣の町)だが、そちらは救急搬入が立て込んで受け入れできないということで、当院に搬入された。救急隊から連絡があった時に、「いつもの頭痛か、性状が違うかを患者さんにちょっと訊いてみて下さい」といったが、痛がっていて難しいということだった。搬入後は目を閉じていたが、小声で答えてくれた。性状は同じだという。

 20歳過ぎてからの拍動性の頭痛(左側頭部)だった。精神科クリニックに通院していて、抗うつ薬・安定剤・睡眠薬・鎮痛薬(NSAID+アセトアミノフェン)・トリプタン製剤(イミグラン点鼻と内服もあるらしい)・カルバマゼピンが処方されていた。最近になって、頭痛脳神経クリニック(脳神経外科医)に行き始めていた。医院名に頭痛と入れているからにはたぶん専門の先生なのだろう。処方は、ロメリジン(ミグシス)・別のNSAID・バルプロ酸で、トリプタン製剤はイミグランキット皮下注になっている。

 前日からイミグランキット皮下注を2回使用していた。使用した時は効果があり、処方された2回分のイミグラン注がなくなったので、病院でしてもらいたいと希望した。頻度からいえば慢性片頭痛に相当するが、薬物乱用頭痛も疑われる状態のようだ。

 性状は同じということだったが、患者さんに実施していいか訊いてから頭部CTを撮影した。クモ膜下出血などはなく、異常なしだった。点滴を開始して、プリンペラン静注とイミグラン皮下注を行った。膿胸で入院した高齢男性の入院時指示を出したりと忙しかったので、1時間ほどして診に行くと、頭痛は軽減していると搬入時よりははっきりと症状を言えた。自分から、痛みは10のうちいくつと表現していたので、これまでの問診で何度もそう訊かれていたのだろう。院内には自己注射用のキットはない。入院して経過をみるかどうか聞くと、少し良くなったので帰宅して、明日頭痛のクリニックを受診するという。なかなかこじれていて(頭痛自体+心因+薬物)、専門医でも診るのは大変だろうと思った。

 この日の日直は外科が当番医になっていて交通事故の搬入もあった。日勤の3名の看護師さんたち(師長1名と主任2名のベテラン揃い)は、忙しすぎて全員昼食がとれなかった。私は検査・点滴の指示をささっと出して、空いた10分くらいでちゃっかり食べた(患者さんと同じ食事=検食ですが)。

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