高血圧症・痛風(高尿酸血症)で通院している74歳男性が、10月末に両側下腿の浮腫を訴えた。通常の予約日の受診だった。労作時にも息切れ・動悸はないという。喫煙と飲酒について、できれば禁煙すること、飲酒も量を減らすように言っていたが、「いやー、なかなか難しくて」と、やめる気・減らす気はなかった。痩せていて、話しぶりは調子が良くて、亡くなった自分の叔父(ビールととタバコの人だった)と良く似ていると思って診ていた。
胸部X線・CTで見ると、気腫性変化を認めて、スパイロでは1秒率74%だった。病院の中を早足で歩いているが、息切れはないという。BNPは97と上昇していた。画像上(US/CT)は肝硬変とは言えない。腎機能は正常だった。心電図は洞調律で虚血性変化はない。心雑音もなかった(聴取できないだけ?))。
心エコーで見てもらうと、三尖弁閉鎖不全があり、推定肺動脈圧が高値で、右心不全ということだった。そういえば、COPD患者さんの右心不全の評価は、これまであまりしていなかった。利尿薬(ダイアート)投与で浮腫は軽減してきた。今後はCOPD患者さんに心エコー検査を入れる様にしよう。