なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

逆流性食道炎

2016年02月20日 | Weblog

 市役所の福祉課でかかわっている、困った人の70歳男性が今週また現れた。自宅をゴミ屋敷にしたことで、行政がかかわって、最終的には撤去した(市役所の持ち出しで)。実はけっこうな貯金を持っているらしい。生活は不規則で、買い物に行くのがおっくうだと、しばらく食べないで過ごしてしまう。最近は独居の老人の孤独死問題があり、ほっておけないらしい。

 重度の逆流性食道炎があり、消化器科の若い先生(4月から実家の内科医院に戻る)が内視鏡検査を繰り返してみていて、食道拡張術も施行していた。タケキャブが出てからは、PPI倍量から切り替えて使っていた。中断しない限りは継続していいるので、何とか悪化しないでいた。行政の努力で、隣市のケアハウスに入所したが、いやになって出てしまい、元の家に戻ってしまった。

 木曜日の当直帯に胸痛(胸骨に沿った痛み)で救急外来を受診した。当直の外科医が検査して、心臓ではないので(有症状時に心電図変化なし)、食道炎の症状と判断された。入院にしたのでよろしくと電話がきた(その日内科の当番だった)。自分で食道を見たことはなかったことと、前回の検査から半年以上経過していたので、内視鏡検査を行った。

 中部から下部食道にかけて全周性にびらんがあり、確かに重度の食道炎ではあった。これまで見た食道炎のベスト3に入る。それでも狭窄はなかった(食道の運動機能は低下しているだろう)。1~2週間タケキャブを内服していないが、内視鏡室の看護師さんはひどい時よりはずっとマシと言っていた。週明けまでの入院としたが、怒鳴ったりするので病棟では相当にいやがっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする