なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝臓から胃までの腫瘍

2016年02月18日 | Weblog

 昨日の内科新患を、40歳代前半の男性が3か月前からの上腹部痛で受診した。昨日は内科の若い先生が担当していた。上腹部の正中から左側にかけて腫瘤を触知した。すぐに腹部造影CT検査を行うと、肝左葉全体の腫瘤を認め、胃壁に連続していた。食事はとれるが、その後に重苦感が持続するそうだ。腹壁にも浸潤している可能性がある。ものは何だか確定できないが、県立がんセンターに紹介したという。

 お昼に消化器科医に画像を見てもらっていたので、いっしょに見た。腫瘍内を血管がよく通っている。胃壁との連続性があり、GISTが胃外性に進展して肝臓に浸潤したものではないかという。胃癌や肝臓癌よりは、GISTかリンパ腫が疑われるが、GISTを考えるという読みだった。大きさからいえば、肝臓の腫瘍が胃壁に浸潤となる。組織を診ないとわからない。CEAとCA19-9、それにLDHも正常域だった。

 当院で上部消化管内視鏡検査(胃粘膜面にも顔を出しているようなので生検も)やエコーガイドの穿刺をして組織診断をつけてからの紹介が好ましいのだろうが、これは最初から紹介でもいいと思う。なにしろ若い。検査しているうちに急変する可能性もあり、早急にがんセンターの扱いとするべきだろう。放射線科の読影レポートは、「肝悪性腫瘍・鑑別診断GIST」と出た。確かにその通りだ。

 住所を見ると当市の隣の隣の隣町になる。せっかく来てもらったが、当院ではとても扱えない。適切な医療機関へ紹介したということで勘弁してもらうしかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする