なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

引き継ぎあれこれ

2016年02月08日 | Weblog

 退職する内科の若い先生が担当していた患者さんを、外来と入院で診始めた。もっとも入院はだいぶ減らしていた。80歳代後半の女性は、脳出血後に水頭症になっていた。脳外科にコンサルトしたが(家族が基幹病院へ紹介状と画像を持って外来受診)、経過観察してCT再検と言われた。その後、フォローの頭部CTをとって再受診のはずだったが、家族は脳外科的処置は希望しなかった。水頭症も一気に悪化することもなく、少しだけ食べながら点滴を継続していた。で現在はというと、最小限の点滴を継続しながら、数口だけ好きなものを食べて過ごしている。食事摂取が進んで、見込みがあるかと思われた時期もあるが、また摂取量が低下していた。

 外来は、インスリン強化療法で1日のインスリン量が180単位になる肥満の男性がいたりする。心気症の患者さんを丁寧に診ていた先生だったので、メンタルクリニック外来のような患者さんたちも結構残っていた。

 消化器科医が自身の頸椎ヘルニアで調子が悪く、もう一人の消化器科の若い先生が実家の内科医院に戻ることもあって、精神的にも落ち込んでいた。血圧も不安定で、200mmHgの血圧に驚いて降圧薬を追加内服して、下がり過ぎたりもしている。整形外科医の指示通りに、もう一人がいるうちに少し休んでもらった方がいいが、無理して出てきて結局仕事が中途半端になっていた。今日はやっと休みをとって、とりあえず1週間は自宅安静となった。

 入院患者さんの申し送りを慌ただしくしたが、80歳代女性で消化管出血の患者さんは週末も出血が続いていた。上部消化管(Treitz靭帯まで見たそうだ)、下部消化管内視鏡検査では出血源は指摘できなかった。前回の入院でも同様で、小腸病変が疑われたが。経過をみているうちに出血が止まったそうだ。今回は出血が続いて、週末も出ていたので、今日また輸血を再開した(入院時に6単位入れて、今日は4単位)。小腸検査のできる病院に紹介するしかないが、認知力の低下した高齢者は精査の適応があるかどうか。身元引受人が甥しかいなくて、明日その甥が来院したら相談してみる。紹介先で何というかだが、若い消化器科の先生は「頼めばやってくれますよ」と言っていた。一度検査を試みてもいいのかもしれない。

 もう一人いてという話を、さらにさらに慌ただしくてして、脊椎外科の専門病院へ出かけて行った(自分を診てもらうため)。なんでも先週呼吸苦で救急搬入された80歳代の男性だった。救急外来当番の外科医が診た。胸部X線・CTで左肺の胸水貯留・心拡大・軽度心嚢液貯留があり、心不全疑いで循環器科が呼ばれたが、心エコーで診ると心機能としては悪化してなかった。消化管がズが充満して、イレウス像だった。循環器科ではイレウスではないですがと言ったそうだ。どういう経緯か消化器科で入院になった。小球性貧血があり、入院後に血便、というか血液の混じった便汁の排出があった。血液検査でCEAが200と上昇していて、直腸指診をしようとしたら、肛門管に腫瘍が波及して指も入らない。搬入時の単純CTを見ると直腸癌が疑われる。肺病変はイレウスで嘔吐したことによる誤嚥性肺炎かもしれない。癌の転移による可能性もあるが。寄り道した対応になってしまったが、今からできることを検討するしかない。肺炎の治療は継続するが、腫瘍によるイレウスの治療がメインなので外科にお願いすることにした。

 

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