なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

温泉バス旅行に来て発症

2016年02月28日 | Weblog

 今日は日直で出ている。昨日の宿直だった循環器科医(他院からの応援)から、腹痛の69歳男性の救急搬入を受けていいかと連絡が来た。東京から当地の温泉にバス旅行で来ていた人だそうだ。ホテルから病院到着まで40分くらいかかるので、到着した時には午前9時になっていた。午前5時ころから腹痛(全体というが上腹部のようだ)が出現して痛みで動けなくなり、救急要請した。搬入時には腹痛は軽減していた。38℃の発熱があった(その後経過をみているうちに解熱)。

 10年前に東京の市立総合病院で胆嚢結石症の手術を受けた。ラパ胆で開始したが、結局開腹手術になった。腹部正中に心窩部から臍下まで手術痕があった。術後3年から、これまで10回くらい突発する腹痛発作があり、その時居た地域の病院を受診していたという。手術した病院は受診していないそうだ。

 総胆管結石による症状、総胆管結石による急性胆管炎と思われた。検査では、白血球数正常域でCRP0.9とまだ上昇していなかった。肝機能は中等度に上昇していた。血清アミラーゼも正常の2.5倍になっている。肥満があって、腹部エコーで総胆管~肝内胆管の拡張はわかるが、右季肋部からの操作ではほとんど見えない。腹部造影CTを行うと、総胆管~肝内胆管の拡張とpneumobiliaがあった。膵臓の腫脹はなかった。総胆管内にもairがある。総胆管末端に結石があるかどうかわからなかった。

 当院では総胆管結石の内視鏡治療はできないので、紹介になる。さてどうしたものかと思った。本当は今日午前9時にホテルを出て東京へ帰るバスに乗るはずだった。できれば今日中に新幹線で東京に戻って明日手術を受けた総合病院を受診したいという。抗菌薬とアセリオを点滴静注して、500mlの点滴にFOYを混合して、午後まで経過をみた。午後2時過ぎに患者さんから、症状が軽快して楽になったので帰りたいという申し出があった。紹介状とCTの画像を入れたCDを持たせて、帰宅とした。明日病院を受診してもらうが、夜間に(新幹線内も保障はないが)増悪する時は、夜間の救急外来を受診するようにとお話した。ホームページで確認すると、紹介先の病院は500床以上あり、消化器内科医が8名で総胆管結石の内視鏡治療もやっているようだ。

 入院は気管支拡張症・肺炎+心房細動・心不全の77歳女性、69歳男性のインフルエンザ(高熱でふらふらして動けず)、78歳女性の肺炎(+尿路感染症)、88歳男性の低血糖性昏睡の4名だった。インフルエンザはA型とB型が混在していた。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする