なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心内膜炎で緊急手術 in 大学病院

2016年02月12日 | Weblog

 内科の若い先生が内科クリニックから紹介された60歳代女性を診ていた。右肺門部に肺癌を疑う所見があり、その周囲に浸潤影様の陰影があった。発熱・倦怠感・食欲不振で入院したが、抗菌薬投与(セフトリアキソン)で解熱して食欲も改善した。肺癌疑いとして県立がんセンター呼吸器科へ紹介した。

 大学病院の心臓血管外科から連絡がきて、その患者さんが心内膜炎で緊急手術となったそうだ。血液培養を当院で施行していないかという問い合わせだった(してません)。県立がんセンターから大学病院心臓血管外科へ転送されていた。

 心雑音はというと、記憶では軽度にあったが、発熱・頻脈もあってそれほど気にはしなかったそうだ。経過はどうかというと、年末から倦怠感があった。1月に発熱があって内科クリニックを受診した。抗菌薬を処方されて、いったん軽快したが、その後は症状が再燃したので当院紹介となった。年末の症状が心内膜炎の症状の始まりとすれば、亜急性の経過だった。それにしても、緊急手術になったということは、急激に弁が破壊されたということか。がんセンターを受診した時には心雑音が著明だったのだろうか。

 肺病変があったので、それで説明できると判断してしまった。結果がわかってしまえば、心エコー検査はやっておくべきだったということだが、むずかしい。セフトリアキソンが効いて、あっさり解熱しているし。それにしても、あの肺病変は別に精査が必要ではないか。心内膜炎では説明できないと思う。

 

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