Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

渋谷大和田伝承ホール『渋谷金王丸伝説』 中央列上手寄り

2013年08月03日 | 古典芸能その他
大和田伝承ホール『渋谷金王丸伝説』 中央列上手寄り

大和田伝承ホール『渋谷金王丸伝説』第四弾を観に行きました。「帰ってきた金王丸」と副題が付いています。昨年は事故で染五郎さん、出演できなかったからね…。

さて、正直に書きましょう。超久々に染五郎さんたら観客置いてきぼり系をやらかしてたような(笑)たぶん頭の中にあるものをきちんと構成できず終いだったんでしょう。今回は準備期間が少なかったようだし。とはいえ前がかなりクオリティが高かっただけに大いにダメ出しをしたいところ。素直に原案通りに振り付けしてけばいいのに天邪鬼ぶりが出ちゃった感。個人的に染五郎さんが今何を踊りたいか、何に思考がいってるかは見えた気はしたんですよね。振付にあれこれが色々入っていたし。でもそれを創作舞踊のほうには消化しきれてなかったってところ。とりあえず極端に観客置いてきぼりするのはやめよう。単純に分かりやすくしてほしいわけではないのです。取っ掛かりは欲しい。

あとワークショップの発表会を挟み込む形式も舞踊公演という目線からみると流れとして裏目に出たかな。ワークショップの皆さんや親御さんにしてみたらかなり嬉しかったとは思う。子供たちは可愛かったし。ワークショップ参加者の身内の観客が8割な公演なので今回のように発表会をメインしたほうが正解なのかなと思います。あくまでもその一環なんだし染五郎さん的にも今回はそこを押し出した感もあったし。

従来みたく金王丸伝説のほうだけ一気にいけば感想はまた違っただろうなとは思うけど。染五郎さんの創作舞踊の現代邦楽のテンポに合わせて刻んでいくような独特の振り付けはやはりとても好きです。日本舞踊ってこういうのもありなんだよっていう提示のしかたも。まあ、思考のほうだけが走りすぎなことは多々あって、そこはもっと練ってこようよとか考えようよというのもやっぱりある(^^;)

ただ試行錯誤な染ちゃんの創作舞踊と染ちゃんの子供たちへの日本舞踊の種まきはそれでも着実に育ってるなんだなという思いは感じて、その世界にも染ちゃんはようやく戻ってきたんだな~という感慨は実はある。1年前のこと考えると染五郎さん、戻ってきてくれてありがとうとファンとしては素直に思う。