Snowtree わたしの頭蓋骨の下 *鑑賞記録*

舞台は生もの、賞賛も不満もその日の出来次第、観客側のその日の気分次第。感想というものは単なる個人の私感でしかありません。

新橋演舞場『女形の夕べ』

2006年05月12日 | 講演会レポ
新橋演舞場『女形の夕べ』

新橋演舞場に芝雀さん、福助さん、亀治郎さんのトークショー『女形の夕べ』を聞きに行きました。開場15分前に着いたらもうかなりの人数が並んでいました。しかも着物姿の方までいるし。うわああ、皆さん気合入りまくり。なんだか熱気が凄かったです。参加者は想像以上に多かった。年齢層も幅広かったです。トークショーのお話も楽しかったです。福助さんは飛ばしまくりで、芝雀さんはおっとりのんびり、とんでもない服装(笑)の亀治郎さんはお疲れ気味のようで質問には短めにハキハキと(芝雀さん比で言えばですが…)。最後に舞台上で記念撮影がありました。まさしく舞台裏を見る事ができて得した気分。

参加の皆様がレポされているように三人三様の服装が個性を現わしていました(笑)。芝雀さんは地味なグレーのスーツに薄いピンクのシャツにネクタイ(でも今までで拝見した素の芝雀さんのなかでも地味な格好だと思う。スタンドカラーのおしゃれスーツとかもお召しになってます)。福助さんは白いスタンドカラーのシャツに光沢のある黒いジャケットに黒いパンツでご自分で「ホストのようでしょ」とか(^^;)。衝撃だったのは亀治郎さんのまっ黄色のシャツに真っ赤(朱赤系)のジャケット。な、なんですかー!その格好は!大爆笑になったのは言うまでもない。ほんとに自前なの?ねえねえ。

トークでは福助さんが率先しておしゃべり。ホスト役を買って出てましたがわりとすぐに脱線したり人の話を取っちゃったり(笑)。芝雀さんはおっとりニコニコと聞き役にまわっていました。もっと話して~とは思いましたが芝雀さんらしいなあとも。亀治郎さんはお七を演じたばかりということもあり、かなりお疲れ気味のご様子。質問に対して最小限の会話(笑)

内容は結構忘れてしまい。楽しくてアハハと笑いぱなしでした。思い出したら追加します。

<読書のこと>
・福助さん>『狐と笛吹き』のともねがよくわからなくて小池真理子『愛するということ』を読んで参考した。そしたら小池真理子にハマってすでに8冊も読んでしまった。(確かに小池真理子は読み始めると面白い。女の心理が鋭く描かれている初期~中期作品のほうが面白いです<読んでみようと思う方)

・芝雀さん>写真や絵が沢山載っている本を読むことが多い。老眼だから細かい字を読むのが大変で。

・亀治郎さん>小説は読まない。ノンフィクションばかり。福助さんに『利己的な遺伝子』(だったと思う)読んだ?と聞かれ、「読んでみます」。

<役について習う>
三人ともに父親はお役についてほとんど教えてくれないそう。他の人には丁寧に教えるのにとおっしゃっていた。ほんとは習いたいんでしょうね。

・芝雀さん>雀右衛門さんに「ふん、ふん、うーん、ダメねえ」とは言われる。ほとんど怒ったことはない。普段はあまり会話しない、特に最近は何言ってるかわかんないし…(と爆弾発言(^^;)もうお年ですからね…)

・亀治郎さん>段四郎さん、立役の時は教えてもらう。全然怒らない、でも怒ると怖い。人様に迷惑をかけたりとか、そういうしつけの部分は厳しい。

・福助さん&亀治郎さん>猿之助さんは芝居のこととなると話が止まらない。世間話をすると怒る。延々と芝居のこと話しているかと思うといきなり寝てる。先輩に習いに伺う時はほんとは録音とかしたら失礼だし嫌う方が多いのでやってはいけないことなんだけど猿之助さんは先代勘三郎さんのお話を隠し撮り(録音)していっぱいテープを持っている。内緒だよといいながら色んな人に聞かせてる(笑)

・福助さん>坂田藤十郎さんは細かく教えるのではなく「そこは感情をぐーっと入れて気持ちでやればいいんだよ」とか「そこでパアッと客を盛り上げるように」とかしか言わない。(さすが上方役者さん)

<辛い役>
・芝雀さん>『弁慶丈使』の花の井は辛い。途中で居なくなってもいいんじゃないかと共演者と話したことがある。書割を置いてもわかんないんじゃない。

・福助さん>『鮨屋』のお里も辛いわよね。妹なのに全然話しかけてもらえない。『熊谷陣屋』の藤の方の後半も書割でもいい。じっと後ろを向いている間、イヤホンを取り出して音楽を聴いていてもわかんないじゃないかしら。

・亀治郎さん>『河庄』の小春。倒れた姿勢が辛くて…。

・福助さん>「歌右衛門さんに、小春は黙っているときがいいのよって教わった」と亀ちゃんにツッコミ。(私もそう思う。昨年の雀右衛門さんの小春の風情は素晴らしかった)

<好きな役>
・芝雀さん>芯の強い女性の役

・福助さん>今までやった役はみんな好き

・亀治郎さん>玉手御前

<化粧>
・芝雀さん>顔が大きくて、團蔵さんに鬘で8割隠れていいねと言われた…。楽屋入りは早い。顔をしてしまえば何があっても出られると安心する。顔をしてから楽屋をウロウロして台詞をぶつぶつ唱えている。その間に自然と役になっていく感じ。

・亀治郎さん>なるべく早く化粧をするのがいいと思う。

・福助さん>照明によって変える。昔より明るいし近くで写真を撮れられたりするのでぼかしを多用する。金丸座や中村座などの暗めの小屋では陰影をハッキリ。間接照明を使う芝居(コクーンや野田歌舞伎)の場合はピンク系を入れる。アイラインは役者さんそれぞれの好みで入れてる。

・猿之助さんは早くていつもまったく同じように化粧ができる。

・玉三郎さんは楽屋入りが異常に遅くてハラハラドキドキサスペンス。でも化粧は早くて綺麗。

・橋之助さんは左利きを右利きに矯正したので急ぎの時は両手を使って仕上げる。端から見てると気持ち悪いby福助さん

★参加者の皆様のレポ★
★asariさん
★チハさん
★まるくさん
★春生さん
★achaccoさん
★cocoさん

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わぁい! (ぃよっす)
2006-05-15 15:06:45
またまたお邪魔します。(さっき團菊祭感想にTBしに来ちゃいました)わーい!このトークショーの様子は聞きたかったので嬉しいです!歌舞伎好き皆さんのレポも読んでみよっと♪

福助さんがホスト役(え、そのホストじゃなくって!)なるのは頷けます~。亀ちゃんの姿を想像して笑ってしまった。ステージ衣装なんじゃないの?そのまま歌ってもいいよ、って。「利己的な遺伝子」は読みましたよ!でもこれ、随分前に出てるはずですよね?今は遺伝子より脳よ!...とはマイブーム移行ですか。猿之助さんと藤十郎さん話がなるほど!と思ってしまいました。トークショーっていいですね。今度は私も行きたいなー♪

返信する
Unknown (achacco)
2006-05-16 11:33:32
先日はお疲れ様でした。リンクもありがとうございます。お茶会のせいか、満員電車のせいか(笑)記憶がどこか彼方へ飛んでいってしまっているので、かなりの丸投げレポになってしまい申し訳ないです(^-^;

こちらからもTBさせていただきました。これからは堂々と?遊びに来ます!今後ともよろしくお願いします♪

返信する
遊びにきてね (雪樹)
2006-05-16 14:09:35
*ぃよっすさん

トーショーのレポ楽しんでいただけましたか。詳細は皆様のところで補完してくださいまし。もっと色々楽しいお話が聞けたんですが記憶がかなり曖昧で…。本の題名も「利己的な遺伝子」か定かではありません。でも遺伝子関係の本だったとは思うの。こういうトークショーは珍しいそうですよ。次回開催されたらぜひどうぞ(^^)



*achaccoさま

先日はお疲れ様でしたー。お茶会にご一緒させていただいてありがとう。とっても楽しかったです。私もお茶会のときの話のほうが鮮明でトークショーのほうがだいぶ曖昧に(笑)



こちらこそ今後ともよろしくお願いします!私のほうも堂々と遊びに行きます~。
返信する