2010年7月18日(日) テントの中で目を覚ます。 朝5時。 いつもの起床時間だ。
気温はそれほど高くなく、メッシュテントでは、薄いシュラフを上に掛けてちょうど良い感じ。 快適な目覚めである。
外は靄の瀬戸内海。 さあ、今日は鶴姫まつりの日だ!
***
東屋の下で朝食を摂り、テントを片付けて着替える。 今日は朝の高速艇で大崎上島に渡る予定。
大崎上島は、鶴姫まつりの櫂伝馬競漕には前から出場しているのだが、これまでの2つの地区に別れていた。 それが今年は『旅する櫂伝馬』で宮島まで行ったことを切っ掛けに、『旅する櫂伝馬チーム』として出場することになったのだそうだ。
さらに、これまでは船で大三島まで渡っていたのだが、今年は初めて櫂伝馬で渡ることになったのだ。 なんとも嬉しいじゃないか!
そして競漕そのものは真剣勝負なので、経験もなく年寄りの私には出番はないのだが、大崎上島から大三島までの航海では水夫の一人として漕がせてもらえるとのこと。 『旅する櫂伝馬』が大好きな私は、そんなオファーに、一も二もなく飛びついた。
一貫目の桟橋に着くと、メンバーが集まりはじめていた。 そして今回も、宮島編に続き、広島テレビさんが密着取材である。
『こんにちは。 またよろしくお願いします』 『それにしても、今日は暑いねえ。 こんな暑さじゃあ、宮島まで行かれんね』
『大三島の宮浦いうたらどっちの方向になりますか?』 『それはね、あっちの方よ。 距離にして8キロほど、櫂伝馬で1時間じゃね』
『いやあ、あそこじゃったら見えとりますもんねえ。 宮島に比べたら楽勝楽勝』
いやあ、嬉しい限り。 宮島までの一泊二日の旅を経験したことで、目の前にある大三島までの『海の道』がつながったようだ。
そう、経験を積めば積むほど、海に対する見方が変わってくるのだ。 私も、瀬戸内海をシーカヤックで兵庫県の家島から山口県の下関まで漕ぎ、その後、下関から日本海を北上して島根半島までつないだ経験は、私のカヤックスタイルに大きな影響を与えていると実感している。
『旅する櫂伝馬』で瀬戸内海の海の道を繋げていくこと。 これぞ、『瀬戸内海洋文化の復興、創造そして継承』である。
***
さあ、出発だ。 櫂伝馬一艘と、伴走船で出発。
『ヨイサ』 『ホイサ』 『ヨイサ』 『ホウリャ』 『トントントン』 『トントントン』
太鼓に合わせ、船頭と声を掛け合いながら、猛烈に蒸し暑い海を漕ぎ進む。 額からは汗が流れ、目にしみる。
それでもなんでも気持ち良い。 櫂伝馬を漕いで島に渡ると言うのは、なんとも楽しいものである。 動力船がなかった昔は、みんな手漕ぎだったんだからなあ。
漕いでいる途中、大横島を超えた辺りで、『トビウオ』の飛翔を見た。 一匹だけであったが、珍しく瀬戸内で見つけたトビウオ。
三浦や日本海では何度か見たことがあるが、瀬戸内では本当に珍しい。 これは良い事ありそうだ!
***
11時。 予定通りほぼ1時間で大三島の宮浦に到着。
櫂伝馬競漕は13時半からなので、まだまだたっぷり時間がある。
桟橋でメンバーと話していると、ブログを拝見している大崎上島の『やっさん』さんがシーカヤックを漕いで来られた。 『櫂伝馬競漕があるんで、来られているんじゃないかと思っていたんです』との事。 嬉しいなあ。
今朝、一貫目の桟橋で、昔シーカヤックのイベントでお会いした人と再会した事、その方から『やっさんさん』が、シーカヤックを手に入れた経緯を伺った事などをお話しした。 いやあ、世間は思ったより狭いものである。
***
お昼ご飯は、今治名物? 焼豚玉子飯をセレクト。 日陰に入り、しっかりと混ぜ込んで、おいしいご飯をぱくつく。
***
午後1時半。 櫂伝馬競漕が始まった。
トーナメント方式のレース。 啓志君に聞くと、大崎上島の得点方式のレースと違って、トーナメント方式は特別の緊張感があるとの事。 そのうえ、ここ大三島の櫂伝馬は、舟の大きさも櫂の大きさも、大崎上島の櫂伝馬とはかなり違っており、漕ぎ難そうだ。
そんななか、出番が近付くとみんな真剣な表情/戦闘モードに入り、気分は盛り上がる。 今日は、元気な若手を中心とした選抜メンバーでレースに参戦だ。
予選では、激しい接戦を制して1着でゴール。 本戦の初戦も、これまた熾烈な戦いであったが、鼻の差で一着ゴール。 手に汗握る展開だ。
準決勝。 強豪相手に、頑張ったが、残念ながら2着となり、ここで『旅する櫂伝馬チーム』の、今日のレースは終わった。
『みんな、ご苦労さん。 全力を出し切ったから仕方ない。 でも、これで良いわけじゃない。 来年こそは、今回の経験を活かして絶対勝とう』
皆の悔しそうな顔が印象的であった。 そう、櫂伝馬競漕は、出場する事に意味があるわけじゃないのだ。 勝つために練習を重ね、真剣勝負で勝つ事こそが目標なのである。
『スマートで、目先が利いて、几帳面、負けじ魂、これぞ船乗り』 まさにこの通りである。 この負けじ魂があれば、櫂伝馬は安泰であろう。
梅雨の明けた瀬戸内海。 土曜日は大三島でシーカヤックツーリング&無人島での海水浴を楽しみ、翌日は大崎上島から大三島まで、『旅する櫂伝馬』のメンバーと島を渡る航海を堪能した。
今年30漕ぎ目が櫂伝馬になったことは、なにより嬉しいことである。 ああ、瀬戸内にも夏がやってきた!
気温はそれほど高くなく、メッシュテントでは、薄いシュラフを上に掛けてちょうど良い感じ。 快適な目覚めである。
外は靄の瀬戸内海。 さあ、今日は鶴姫まつりの日だ!
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東屋の下で朝食を摂り、テントを片付けて着替える。 今日は朝の高速艇で大崎上島に渡る予定。
大崎上島は、鶴姫まつりの櫂伝馬競漕には前から出場しているのだが、これまでの2つの地区に別れていた。 それが今年は『旅する櫂伝馬』で宮島まで行ったことを切っ掛けに、『旅する櫂伝馬チーム』として出場することになったのだそうだ。
さらに、これまでは船で大三島まで渡っていたのだが、今年は初めて櫂伝馬で渡ることになったのだ。 なんとも嬉しいじゃないか!
そして競漕そのものは真剣勝負なので、経験もなく年寄りの私には出番はないのだが、大崎上島から大三島までの航海では水夫の一人として漕がせてもらえるとのこと。 『旅する櫂伝馬』が大好きな私は、そんなオファーに、一も二もなく飛びついた。
一貫目の桟橋に着くと、メンバーが集まりはじめていた。 そして今回も、宮島編に続き、広島テレビさんが密着取材である。
『こんにちは。 またよろしくお願いします』 『それにしても、今日は暑いねえ。 こんな暑さじゃあ、宮島まで行かれんね』
『大三島の宮浦いうたらどっちの方向になりますか?』 『それはね、あっちの方よ。 距離にして8キロほど、櫂伝馬で1時間じゃね』
『いやあ、あそこじゃったら見えとりますもんねえ。 宮島に比べたら楽勝楽勝』
いやあ、嬉しい限り。 宮島までの一泊二日の旅を経験したことで、目の前にある大三島までの『海の道』がつながったようだ。
そう、経験を積めば積むほど、海に対する見方が変わってくるのだ。 私も、瀬戸内海をシーカヤックで兵庫県の家島から山口県の下関まで漕ぎ、その後、下関から日本海を北上して島根半島までつないだ経験は、私のカヤックスタイルに大きな影響を与えていると実感している。
『旅する櫂伝馬』で瀬戸内海の海の道を繋げていくこと。 これぞ、『瀬戸内海洋文化の復興、創造そして継承』である。
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さあ、出発だ。 櫂伝馬一艘と、伴走船で出発。
『ヨイサ』 『ホイサ』 『ヨイサ』 『ホウリャ』 『トントントン』 『トントントン』
太鼓に合わせ、船頭と声を掛け合いながら、猛烈に蒸し暑い海を漕ぎ進む。 額からは汗が流れ、目にしみる。
それでもなんでも気持ち良い。 櫂伝馬を漕いで島に渡ると言うのは、なんとも楽しいものである。 動力船がなかった昔は、みんな手漕ぎだったんだからなあ。
漕いでいる途中、大横島を超えた辺りで、『トビウオ』の飛翔を見た。 一匹だけであったが、珍しく瀬戸内で見つけたトビウオ。
三浦や日本海では何度か見たことがあるが、瀬戸内では本当に珍しい。 これは良い事ありそうだ!
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11時。 予定通りほぼ1時間で大三島の宮浦に到着。
櫂伝馬競漕は13時半からなので、まだまだたっぷり時間がある。
桟橋でメンバーと話していると、ブログを拝見している大崎上島の『やっさん』さんがシーカヤックを漕いで来られた。 『櫂伝馬競漕があるんで、来られているんじゃないかと思っていたんです』との事。 嬉しいなあ。
今朝、一貫目の桟橋で、昔シーカヤックのイベントでお会いした人と再会した事、その方から『やっさんさん』が、シーカヤックを手に入れた経緯を伺った事などをお話しした。 いやあ、世間は思ったより狭いものである。
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お昼ご飯は、今治名物? 焼豚玉子飯をセレクト。 日陰に入り、しっかりと混ぜ込んで、おいしいご飯をぱくつく。
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午後1時半。 櫂伝馬競漕が始まった。
トーナメント方式のレース。 啓志君に聞くと、大崎上島の得点方式のレースと違って、トーナメント方式は特別の緊張感があるとの事。 そのうえ、ここ大三島の櫂伝馬は、舟の大きさも櫂の大きさも、大崎上島の櫂伝馬とはかなり違っており、漕ぎ難そうだ。
そんななか、出番が近付くとみんな真剣な表情/戦闘モードに入り、気分は盛り上がる。 今日は、元気な若手を中心とした選抜メンバーでレースに参戦だ。
予選では、激しい接戦を制して1着でゴール。 本戦の初戦も、これまた熾烈な戦いであったが、鼻の差で一着ゴール。 手に汗握る展開だ。
準決勝。 強豪相手に、頑張ったが、残念ながら2着となり、ここで『旅する櫂伝馬チーム』の、今日のレースは終わった。
『みんな、ご苦労さん。 全力を出し切ったから仕方ない。 でも、これで良いわけじゃない。 来年こそは、今回の経験を活かして絶対勝とう』
皆の悔しそうな顔が印象的であった。 そう、櫂伝馬競漕は、出場する事に意味があるわけじゃないのだ。 勝つために練習を重ね、真剣勝負で勝つ事こそが目標なのである。
『スマートで、目先が利いて、几帳面、負けじ魂、これぞ船乗り』 まさにこの通りである。 この負けじ魂があれば、櫂伝馬は安泰であろう。
梅雨の明けた瀬戸内海。 土曜日は大三島でシーカヤックツーリング&無人島での海水浴を楽しみ、翌日は大崎上島から大三島まで、『旅する櫂伝馬』のメンバーと島を渡る航海を堪能した。
今年30漕ぎ目が櫂伝馬になったことは、なにより嬉しいことである。 ああ、瀬戸内にも夏がやってきた!