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週刊天気予報で快晴となっていた今日は、朝早くリモートワークを終え、ロードスターをオープンにして錦川へ。

今回は、先日と同様ロードスターにパックラフトを積んできた。

灰塚ダムではロードスターで直進性を重視したMRSのパックラフトを持参したが、今回はリバーツーリングということで川下りで使い慣れたココペリ・ローグを積んできている。
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北河内駅の周辺は、桜がしっかりと咲いて春爛漫、

錦川鉄道の時刻まで少し時間があるので、しばし独り静かに花見を楽しむ。

少し風があるが、日が当たると暖かい春の朝。

俺以外には誰もいない北河内駅で、列車を待つ。
先日の新聞で、錦川鉄道も赤字で持続可能性が議論されているとか。
確かに俺が川下りでこの駅を使うときに、他のお客さんが待っていた記憶はない。
自転車輪行旅で使わせていただいていた三江線が廃線されてしまった苦い記憶もあり、錦川鉄道の将来も心配である。
これが無くなったら、列車で回送できなくなるのでソロでの川下りは難しくなるなあ。。。
ただ、利用者が学生とごく一部の車が使えない高齢者、そして青春18きっぷ時期の鉄道マニアにほぼ限られていた三江線に比べると、シーズンにもよるが観光客の利用が一定程度あるのが錦川清流線の強みであり、生き残る道のヒントなのかもしれないとも感じる。
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到着した列車に乗り込み、いつものように川の流れをチェックしながら南桑へと向かう。

今日は、今年漕いだ2回よりも少し水量が多いので、ルート選択は楽になりそうだ。

それにしても、いつみても清流の錦川。

列車の高い視点から、主な瀬の状態はほぼチェック完了。

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もうすぐ南桑である。

南桑駅に到着し、橋を渡って左岸に渡り、堤防の階段を降りて河原に降りる。

パックラフトのセッティングは慣れたもの。
さっとインフレートしてシートをセットし、川に漕ぎ出した。



しばらく下ると、川の水に冷やされたパックラフトに空気を補充するため、一旦河原に上陸する。

それにしても今日は最高の川下り日和。
寒くも暑くもなく、風もほぼなく、心置きなくリバーツーリングを楽しむことができそうだ!
空気を補充し、再び川に漕ぎ出す。
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瀞場ではゆったりと流れながら景色を楽しみ、

ザラ瀬では、ちょっとしたスリルを楽しむ。

瀞場と瀬の繰り返しが、シーカヤックとは違う川下りの醍醐味の一つ。
海の場合は基本的に、穏やかなら穏やかな海が続き、風が吹いて荒れたらどう足掻いてもそう簡単にラフなコンディションのエリアから脱出することは容易ではない(ただし瀬戸内海の場合は、潮流の厳しい狭い海峡は瀬と位置づけることもできるので、少し川に近い状況はあるのだが)。
ところが川下りでは、江ノ川でも錦川でも四万十川でも、瀬の次には瀞場があり、瀞場の後には瀬が待っているので、緊張するシーンとリラックスできるシーンが交互に現れるので適度なリズムでツーリングを楽しむことができる。
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そこそこ波の高い瀬。

前回より水量が多い分だけ、瀬を下る楽しみが高まっているようだ。

それにしても、絶好の川下り日和。

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今日も大量の鴨。

桜のシーズンの川下りは格別である。

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川下りは、カヤックを始めた30年前から江ノ川や錦川で楽しんでいるが、何回漕いでも飽きることがない。

特に錦川は本当に水が澄んだ清流で、かつては春には九州などからショップ主催のツーリンググループや個人のグループなどが川下りと河原でのキャンプを楽しんでいた時期もあったが、ここ数年は他のカヤッカー/カヌーイストやパックラフターを見かけることはあまりなく、独り静かに川下りを楽しむことができるのはとても好ましい状況である。

桜や菜の花、椿の花を眺めながら、快晴の青空のもと、穏やかな流れにのって静かにプカリプカリと川を下るのは、正に至福のひととき。

ホリエモンが、『人生は壮大な暇つぶし』と言っていたが、まさに俺もそう思う。
人生の意味など深刻に考えても答えがある訳はなく、日々を一生懸命に、そして丁寧に生きること、そして寿命が尽きるその時に『ああ、楽しくて良い人生であったなあ!』と思えるように生きることだけが意味があることだと考える。
そう思うと、春の川下りというのは、とても楽しい人生の暇つぶしの一つなのではなかろうか。

川面には、椿の花が一輪流れている。
椿の花は、暇つぶしのために川を流れている訳ではなかろうが、俺も今日は椿の花と同じように自然と一体となって、心穏やかに川を流れていく。
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それにしても、こんなに充実した時間を過ごせることは幸せである。

この水で焼酎の水割りをつくってみたいなあと思わせるような清流。

この美しい景色が見え始めると、もうすぐゴールである。
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いつもの河原に上陸。

パックラフトと装備を乾かし、パッキングする。

荷物を背負って、春らしい景色の中を北河内駅に向かう。

『いやあ、天候にも水量にも恵まれて、最高の川下りであったなあ』

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いつものことではあるが、漕いできた川の景色を視点の高い橋の上から眺めるのは嬉しいひととき。

橋の上からなら、下るべき瀬のルートも良くわかる。

それにしても美しい春の錦川の景色。

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北河内駅まで戻ってきた。

ロードスターの助手席にパックラフトをセットする。

帰路も当然オープンドライブ。

最高の春の1日。

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風の吹くまま気の向くまま、フラリ風来坊・生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、次はどこ行こう?