ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

日本シンクロ協会の信じられない「弱い島国根性」と「時代錯誤」

2006年12月26日 | 時事問題
asahi.com 2006年12月23日11時09分
シンクロ日本代表の井村前監督、中国監督に 08年まで
 シンクロナイズド・スイミング日本代表の前監督、井村雅代氏(56)が、中国代表を率いるヘッドコーチに就任することが決まった。中国の兪麗シンクロ部長が22日、電話取材で明らかにした。25日に契約する見込みで、期間は08年の北京五輪まで。 中国はドーハ・アジア大会でデュエット、チームとも、日本を初めて破って金メダルを獲得。多くの五輪メダリストを育てた井村氏の手腕が中国で発揮されることは、世界3強の座を占めてきた日本にとって脅威になる。

日本シンクロ協会の慌てぶりと自信のなさはどうした。優れた人材ならなぜ井村氏を首にしたのか。
日本のサッカーの監督はみんな外人ではないか。信じられない時代錯誤と国際感覚のなさ。唖然!!!


 井村雅代氏が中国の監督に招請されてからの日本シンクロ協会のうろたえぶりは目に余る。受諾しないように働きかけたり脅したり、なんとみっともない錯綜ぶりなこと。そんなに弱い日本チームならなぜ小村氏を監督にしておかなかったのだろうか。首にしておいてから本人の選択の自由に干渉し村八分にすると脅かしたりなんとも信じられない時代錯誤振り。今まで日本のスポーツ強化のためどれだけ外人コーチや監督を招いてきたことか。監督だけでなく選手までも外人獲得に血眼になってきたではないか。相撲、サッカー、野球のプロスポーツは言うに及ばず、アマスポーツにおいてもしかり。先日京都で行われた女子高校駅伝では第一区ランナーの先頭集団四名はすべてアフリカから呼んで来た(留学中の)選手ではなかったのか。

自由詩 「乳白色の空へ」

2006年12月26日 | 漢詩・自由詩
葉の落ちた木蓮の枝が 乳白色の空へ

頬の赤い大きな鳥が 寒そうに枝につかまっている

幹の下で野良猫が せっせと爪を研いでいる

枯葉ががさがさと音を立てて 風が吹く



朝から降っていた雨は止んだ 空は濃いミルク色

今日は冬至 陽の廻る日

日は一日と 長くなってゆくはず

いくらか西の空が 明るくなったよう



あなたの声は聞こえないけれど 心は動く

少しずつ 聞こえる様な気がする

もっと寒くなるだろうな しばらくは

逃げださないでじっと 暖かくなるまで


小林秀雄全集第13巻「歴史と文学」より「環境」

2006年12月26日 | 書評
環境

コント、テエヌの流れに実証主義(科学主義)の歴史観「真ん中に人間を置いて環境を考え環境の理解なくしては歴史は理解できない」という説がある。それに対してフローベールの「個性・才能を無視した論には同意できぬ。真理は中間にある」という反論がある。小林氏の態度はあきらかにフローベール論に組している。「文学を環境の産物として説明するのは唯物史観。文学作品を鑑賞する時、目の前の作品が原因であり作者は作品の結果である。」という一見逆説めいた見解である。歴史における史料、文学における作品は人間が見る態度による決まるものだというのが持論である。お安い環境論に対して小林氏の一撃は妥当だが、ドストエフスキーの社会的背景をしつこく検証する小林氏の態度もまた妥当である。それをいえば小林氏は必ずこう反論するだろう。「社会的背景をくまなく検証して、なおドストエフスキーの独特な創作態度が見えてくる。」わかるかなー