ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

教育再生会議 議論迷走す 「塾禁止論はあまりに近視眼的、病根は別にある」

2006年12月24日 | 時事問題
asahi.com 2006年12月23日22時55分
「塾は禁止」 教育再生会議で野依座長が強調
 政府の教育再生会議の野依良治座長(ノーベル化学賞受賞者)が8日に開かれた「規範意識・家族・地域教育再生分科会」(第2分科会)で、「塾の禁止」を繰り返し主張していることが、同会議のホームページに掲載された議事要旨でわかった。しかし、再生会議が21日にまとめた第1次報告の原案には「塾の禁止」は盛り込まれていない。

野依座長の塾禁止論はあまりに近視眼的。病根は別にある 

塾禁止とはいかにも話題を誘うような議題である。しかしよく考えてみよう。ここで塾とは「小学生の塾」と定義すれば座長の論点は分からなくはない。しかし中学校・高校生の塾となるともう全く別問題である。なぜなら大学受験競争を勝つための塾になるからだ。大学受験の塾の最たるものは私立の中・高一貫高こそが代表なのだ。例えば神戸の灘高、京都の洛星、鹿児島のラサールなど数え切れない数の受験専門校があり、猛烈な詰め込みと受験テクニック教育を行っている。必須科目飛ばしなどはこのような学校が先行していた。塾禁止論はあまりに短絡的で、このような進学中高一貫校こそ、教育の目的をないがしろにし歪曲した教育を行ってきた。塾よりも進学校が問題なのだ。最近この私立進学校の受験テクニックに惨敗した公立校にも中高一貫校にして受験の成果を上げようと追随する動きが盛んである。世を挙げて受験に邁進する有様を是正する気がないような教育改革は全て無力である。教育の根源的な病根はここにあるのだから。

自由詩  「12月の午後」

2006年12月24日 | 漢詩・自由詩
小雨そぼ降る 寒そうな12月の午後 

乳白色の空が 泣いている

やるせない気持ちを まぎらせようとして

大橋純子のCDを BGMにして

しかし違うな 自分の気分とは

こんな元気な恋心 落ちつかないな



窓の下を見れば 猫の子一匹見かけない

鳥も鳴かない 昼下がり

こんなときは モーツアルトのほうが良かったかな

心がどんどん沈んでゆく 鉛いろの海へ

そうだ恋をしよう 京都へ行こう

こころときめく 色彩に満ちた青春



それは夢 今は人生の黄昏

ああ仮そめの 恋がしたい