ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

お腹が痛い 風かなと思ったらノロウイルス

2006年12月13日 | 時事問題
asahi.com 2006年12月07日11時41分
ノロウイルス猛威 感染性胃腸炎、過去10年で最速増
 「おなかのかぜ」と呼ばれる感染性胃腸炎が全国で猛威をふるっている。国立感染症研究所がまとめる全国約3千の小児科医療機関の定点調査では、過去10年間で最も速いペースで患者が増加。大半はノロウイルスが原因とみられ、抵抗力が低い乳幼児や高齢者は特に注意が必要だ。

インフルエンザではありません。熱が無くお腹が痛いのならノロウイルス

「イスラエル お前もか」  核中東に蔓延

2006年12月13日 | 時事問題
asahi.com 2006年12月08日21時12分
イスラエルの核保有「公表」 米次期国防長官
 米国のゲーツ次期国防長官が5日の上院公聴会で、表向きは秘密とされているイスラエルの核保有を認める発言をし、イスラエルで話題になっている。
ゲーツ氏はイランが核開発を進める理由について「核保有国に囲まれているからだ。東にパキスタン、北にロシア、西にイスラエル、ペルシャ湾には我々(米国)がいる」と述べた。 イスラエルは核保有を否定も肯定もしない「あいまい政策」をとっている。敵対するアラブ諸国やイランに対する抑止力になると見ているからだ。

既にイスラエルは核保有国 イランが核を持ちたがる理由を米国が公表

 こんな重大な情報が次期米国国防長官の口からポロッと出てしまった。中東の相互不信は当然のことで、皆が核抑止力を持つようだ。東アジアでもロシア、中国、北朝鮮、在日米軍と太平洋艦隊が核を有する。ここで日本も核を持ったなら核汚染が蔓延する。日本が核を持つことは止めなければならない。実質米軍の核の傘に守られているのだから、日本が核を持つ必要はない。持っては悲惨な歴史の教訓をないがしろにすることになる。

いじめ問題に教師の体罰復活を

2006年12月13日 | 時事問題
asahi.com 2006年12月12日00時35分
いじめた子、別教室 「効果疑問」54% 本社世論調査
 朝日新聞社の世論調査(9、10日実施)によると、政府の教育再生会議が先月末に発表した「いじめ問題への緊急提言」で、いじめた子どもに対して社会奉仕や別教室での教育などを打ち出したことについて、いじめ防止に効果がある、と見る人は34%にとどまり、「そうは思わない」が54%と半数を超えた。

asahi.com 2006年11月29日13時49分
「出席停止」見送り 教育再生会議、いじめ問題緊急提言
 安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)は29日、首相官邸で総会を開き、いじめ問題で8項目の緊急提言をまとめて発表した。いじめは「反社会的な行為」で「見て見ぬふりをする者も加害者」とする一方、いじめを理由とする転校が認められていることを周知するなどとしている。

友達のような先生から厳しく尊敬される先生へ復権・・教師の体罰復活も必要か

 いじめ問題から自殺へ進展する事例が多い社会背景には、教師の厳罰主義が排斥され教師の牙が抜かれていることも一因ではないか。先生は怖くない何をやっても糾弾されることはないという甘えもあるのではないか。朝鮮戦後間もない頃、私は小学校時代はいじめ側にいた。喧嘩やいじめは日常茶飯事であった。その度に校庭の朝礼台(青台)に立たされたり、廊下にバケツを持って立たされたり、クラス替え(別教室へ)されたり、親を呼んで来いと言われた事は度々であった。そして少しづつ学んでいったのではないだろうか。中学校では秀才で不良仲間とは縁が切れた。中学校では所謂不良には登校停止を食らった奴もいたようだ。
いじめ側に廻る先生の見識を問いたい。牙を抜かれた陰湿な教師より、厳しくとも後で尊敬される教師のほうを選ぶ。またいじめに弱すぎる生徒の親にも反省すべき点は多い。喧嘩してくるようにけしかければいい。死んだようにおとなしく優しい友達なんてどこかおかしい。

環境書評  中西準子著 「水の環境戦略」 岩波新書(1994年)

2006年12月13日 | 書評
本書は環境論の具体例として水資源と水質汚濁問題、水道水質基準、リスク管理をとりあげ、総合的な水環境政策を論じている。本書の基調をなすリスク管理思想は前書と同じである。

 公害問題とオイルショック以来、日本の工業界は水質汚濁源の劇的削減、工業用水の使用量削減と回収、エネルギ効率向上、低公害自動車開発に成功し世界の範となった。いずれの要因も企業のインセンティブを刺激し、また競争力を向上させようとする企業努力の結果である。しかるに農業用水の利権確保のため渇水期でも水を垂れ流してダムを空にし、また生活排水対策の下水道施設率は後進国並にとどまるなど行政面が時代の構造変化に対応できていない。

上水道水質については、感染症予防の塩素注入のため発ガン性物質トリハロメタンを発生させるなど別のリスクを生み出した。これをリスクのトレードオフという。発ガン性物質のリスクは本来10-5を根拠にして水質基準を定めるところ10倍ほどあまく設定されている。これを1日許容摂取量(ADI)として安全のお墨付きを与えていることは2重に危険である。発ガン性物質には安全レベルは存在しないことを明らかにして、別の水源の導入や塩素滅菌に代わるオゾン法の開発(現在コスト高)や、発ガンリスクの受け入れが必要である。



小林秀雄全集第7巻「作家の顔」より「アンドレ・ジイドの人及び作品 」

2006年12月13日 | 書評
アンドレ・ジイドの人及び作品

アンドレ・ジイド(1869~1951)は現代に比類ないモラリスト、ヒューマニストで小説家であった。たえず不安に駆られて前進する永遠の青春とも言われている。本論はアンドレ・ジイドの小説作品をその成立経過から大きく二つの系譜に分類した。「贋金作り」、「地の糧」、「背徳者」、「狭き門」、「田園行進曲」、「イザベル」などは「純粋小説について」で記したように心理小説の系譜である。「パリウド」、「鎖を離れたプロメテウス」、「法王庁の抜け穴」という風刺的な哲学的小説の系譜である。
アンドレ・ジイドの考えを小林氏は次のように纏めた。「アンドレ・ジイドは人生を描くのに自然主義文学者が使用した一面的な客観的な描写を止めて、人生をあらゆる角度から、あらゆる異なった人間それぞれ独特な見方で眺めるというところの真のリアリズムに立脚して、人生を立体的に構成した。」