tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

上高地悠々散歩

2011-06-17 19:27:48 | 日常雑感
昨日親しい友人と信州上高地に行って来ました。


上高地のシンボル かっぱ橋

少しだけ上高地の生い立ちを書いて本題に入りたいと思います。

記録では、上高地周辺の山に最初に登ったのは、槍ヶ岳に登った越中富山の「播隆」という僧侶と伝えられております。当時は山岳信仰一環の「行」として山々を駆けめぐったという印象が強く、いわゆる近代登山とは全く別と考えた方が分かりやすいと思います。

時代が下り明治になると、政府は多くの外国人技師を雇い入れた中の一人、英国冶金技師ウィリアム・ガウランドが明治10年7月に槍ヶ岳に登り、その記録を雑誌に「Japan alps」という表現を用いて紹介したのが、「日本アルプス」の語源になったといわれております。
その後英国人宣教師ウォルター・ウェストンも槍ヶ岳に登り、その著書『日本アルプスの登山と探検』で詳しく上高地周辺の山々を紹介しています。

大正4年6月に焼岳が大爆発を起こし、流れ出た土石流が梓川をせき止め、そこにできた池は大正池と命名され上高地の新しい風景のひとつに加わりました。

そして、昭和に入ると、上高地を巡る様々なことが次々と起こり、昭和2年3月には、文豪芥川龍之介が彼の代表作の一つである小説『河童』を発表して、物語に上高地と河童橋を登場させ一大ブームを巻き起こしました。また、7月には、「日本八景」の渓谷の部に於いて、上高地が第一に推挙されるという嬉しいニュースと、同時に芥川龍之介が自殺するという悲しい出来事が起こり関係者を驚かせております。

8月になると、秩父宮殿下が上高地から奥穂高岳に登り、連日新聞の話題となり、上高地は一躍国民のあこがれの観光地にと駆け上がっていったのです。

上高地一帯が国立公園に指定されたのを機に、マイカー規制や自然保護の動きが活発になり、高山植物の採取を禁止するどの保護活動と共に、周辺に唐松などを植林するという積極的な保護をも合わせて行い、今の上高地を造りあげたと言っても過言ではなさそうである

朝早く高速道路で信濃を目指してひた走り、8時前には上高地手前の沢渡に到着、早速タクシーに乗り込み上高地へと向かいました。タクシードライバーの軽妙なガイドに耳を傾ける事20分大正池近くになると、「今日は風がないから、焼岳や穂高が池に映って綺麗だと思いますよ」と一言。なるほど、鏡のような大正池に周りの山や森が鮮やかに映りこんでいるではないか。「ここで降ります。」


大正池に映りこんだ穂高岳

車から降りた各自は、それぞれが、それぞれのポジションを探しながら、散っていくのですから実に面白い光景です。人の後に付いて行かずに、自分だけのポイントが見つかると飽かずにファインダーを覗き大自然に向き合っている姿はアマチアながら賞賛に値する事だと思っております。
時間に束縛される事もなく、ずっと撮り続けている友人に文句を言う訳でもなく、自分が撮り終えれば三脚を担いで新たなポジションに向かう友たちを見ていると実に楽しくもあり嬉しくもあります。
遊歩道を歩きながら花を見つけては撮り、ひらけたところでは池畔に出て山を撮り、と繰り返していると遅れていた友が追い越して行く。只々のんびりと写真を楽しんでいるという良き仲間達でもあります。


左上からラショウモンカズラ カラマツソウ 左下マイズルソウ

原生林の中で数匹の日本猿の食事風景を見上げながら森を抜けると、明るく広々とした田代湿原に出る。
森の中から明るく広がった光景は筆舌では尽くし難く行った人だけが、豊かな自然の恵みを全身に受け、文字通り心身共に浄化していただける瞬間かもしれません。


原生林の中から田代湿原へ

田代湿原から田代池へ歩を進めると、正面に霞沢岳をいただいた庭園のような穏やかな風景で訪れた人達を迎えてくれます。その澄んだ沸き水をたたえる浅いせせらぎにも似た池は何と清らかな水の流れか・・・。


田代池 Mさん撮影 水が動いているような・・

ここで昼食をとり、田代橋・穂高橋を渡り梓川の対岸へ進み、かっぱ橋を目指します。もちろん撮影を忘れる事はありません。


オドリコ草 Yさん撮影 踊りながら林に入って行きそうです。

最終目的地かっぱ橋に到着した私達は、数枚の写真を撮り帰路に着きました。早起きした分長い一日でありましたが、充実した楽しい一日でもありました。

皆さんありがとうございました。そして、長い稚拙な文章をお読みいただきました皆様ありがとうございました。
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