tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

謡曲の舞台を訪ねる

2011-03-27 18:09:54 | 徒然日記
今日は諸般の事情で行事が中止となりぽっかりと1日があいた。それではと、謡曲「船橋」の舞台となったところを訪ねてみました。そこには、今では珍しい木製の風情ある橋が架かっておりました。(期待を裏切らなかった)



この謡曲は、万葉集の東歌から  「かみつけの 佐野の船はしとりはなし 親はさくれどわはさかるがへ」 という古くからの伝説を元に田楽では盛んに演じられておりましたが、世阿弥が改作補筆して「船橋」として完成されたものといわれております。
船橋とは、船を繋ぎその上に板を渡して浮き橋としたもので、この地が当時の交通の要所になっていた事が分かります。
この船橋にまつわる伝説の大意は、川を挟んだ村の長者の息子と娘が恋仲となり、夜になると船橋を渡って逢瀬をくりかえしていたという。それを知った親が船橋を外してしまったのですが、それを知らない若い二人は船橋を渡ろうとして、川に落ちて死んでしまったという。こんなところでしょうか。

そして、江戸時代になると本阿弥光悦が作成した硯箱により、この佐野の渡しが一躍有名になりました。



「後撰和歌集」の源等の歌 「東路の 佐野の船橋かけてのみ 思い渡るを知る人のなき」 この歌から写真の国宝の硯箱が作成されたといわれております。
東国佐野に長い船橋が架かっているように、あなたをずっと想い続けているのにちっとも気づいて下さらない。 こんな意味でしょうか?

今日は古に想いを馳せて、充実した一日でした・・・・。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 禅語「地搪春草生」 | トップ | 春を見つけた! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。