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自民党の世耕弘成参院幹事長(写真)が9日の党参院議員総会で、8日の参院法務委員会(写真)をめぐり、「取材のためと称して入室した記者が大声で議事を妨害する。こうした(記者は)ジャーナリストではなく、活動家だから、記者証を取り上げる必要があるのではないか」と述べました(10日付朝日新聞デジタル)。
さらに世耕氏は同日の記者会見でも、「記者証は大変な特権だ。特権を認められている以上は守るべきルールはある。守っていない人には適切な対処をとるべきだ」と述べました(同)。
8日の参院法務委員会は入管法改悪の採決をめぐって紛糾していました。「参院の委員部によると、委員会中に東京新聞所属とみられる記者が声を発していた」(同)といいます。
世耕氏の発言は、当該記者はもちろん、記者クラブ、さらにはメディア全体に対する政権党(国家権力)の恫喝・弾圧であり、絶対に許すことはできません。
西田亮介・東工大准教授(社会学)は、「記者証は報道と公権力のチェックを目的に国会内での取材のために認められたものであり、特権との指摘は適当ではなく、権力と報道の独立の観点から記者証の剥奪を政治家が提案することも適当ではない」と指摘しています(同朝日新聞デジタル)。
記者証をまるで公権力が記者に与えた「特権」だとみなし、「取り上げる必要がある」などと述べることは、政権党(自民党)の無恥・横暴を露呈したものです。
曽我部真裕・京都大大学院教授は、次のようにコメントしています。
「記者証は特権であって参院側が自由にできるものだという認識は不適切であり、報道界は連帯して対抗していく必要があります。他方で、報道界あるいは所属社の内部では、今回の望月衣塑子記者の振る舞いが記者としてのあるべき姿に照らしてどう評価されるのか、きちんと議論する必要があるでしょう」(同朝日新聞デジタル)
このコメントに同感です。
問題の本質は、権力による記者・報道への恫喝・弾圧です。同時に、「入室した記者が大声」を出したことが事実だとすれば、その心境は十分理解できますが、賛成できることではありません。国会取材記者としては不適切です。事実経過が明らかにされる必要があります。
東京新聞が朝日新聞の取材に対し、「現時点でコメントはありません」と回答し(同朝日新聞デジタル)、自らの紙面でも沈黙していることは、責任を果たしているとは言えません。
これはけっして記者個人の問題でも東京新聞だけの問題でもありません。
最も重要なことは、記者クラブ・メディアが自らの問題として、政権党・国家権力の恫喝・弾圧に「連帯して対抗していく」ことです。
そのためにも、メディアが事実経過の究明と真摯な議論で、この問題に自主的・自律的に対処する必要があります。
※書きたいことがたまっているので、明日もブログを更新します。