アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

加速する自衛隊の日米・日米韓合同訓練

2023年10月25日 | 自衛隊・日米安保
   

 昨日のブログで、自衛隊機がイスラエルに飛んだのは自衛隊の存在をアピールする政治的思惑だと書きましたが、それはたんなるアピールではなく、この間の自衛隊の重大な行動と表裏一体です。

朝鮮半島南端で初の日米韓3軍合同空中訓練(22日)

 航空自衛隊は22日、朝鮮半島南端で、米軍、韓国軍と初の合同空中訓練を強行しました。8月の3カ国首脳会談(米国・キャンプデービット、写真中)の合意に基づくもので、日米韓3カ国軍事同盟化へ大きく踏み出したことになります。

 米軍からは核兵器搭載が可能なB52戦略爆撃機、自衛隊からF2戦闘機、韓国軍はF15戦闘機が参加。「聯合ニュースによると、(自衛隊と韓国軍機が)B52 を護衛しながら飛行する訓練を実施した」(23日付京都新聞=共同)もの(写真左)。自衛隊はついに核兵器を搭載する米軍機を護衛することを想定するに至っているのです。

 韓国の市民団体「平和と統一を開く人々」は22日、「3カ国の空中訓練は日本の自衛隊の朝鮮半島領内での訓練参加に向けた手順であり、日本の朝鮮半島問題への介入と干渉を容認するとともに、自衛隊の朝鮮半島再侵奪を招く危険性がある」と批判しました(23日付ハンギョレ新聞日本語電子版)

陸上自衛隊と米海兵隊が最大規模の共同訓練(14~31日)、沖縄に陸自オスプレイが初飛来(19日)

 自衛隊機がイスラエルに飛び立ったのと同じ14日、陸自と米海兵隊の最大規模の共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」が開始されました(31日まで)。沖縄と北海道で実施され、「自衛隊約5千人、米軍約1400人が参加。先島諸島では、石垣島に約80人、与那国島に約50人の米軍が派遣」(24日付朝日新聞デジタル)されました。

 19日には沖縄住民の強い反対・抗議を押し切って陸自オスプレイが初飛来。民間機が離発着する新石垣空港に着陸しました(写真右)。

 24日には沖縄での訓練の模様が報道陣に公開されました。敵基地攻撃を想定し、陸自の車両型「12式地対艦誘導弾」、それを守る車両型「中距離地対空誘導弾」などが参加。
「有事にあたり、敵の艦艇や航空機に対し、自衛隊が米軍の支援を受けながら前面に出て、相手を撃退する構図が浮かぶ」(24日付朝日新聞デジタル)

「(石垣市の)山里節子さん(86)は「島に基地をつくり、日米が一体となって訓練をしている。標的にされると思うと、たまらなく怖い。パレスチナ自治区ガザもそうだが、戦争になれば弱い立場の人が一番犠牲になる」と話した」(同)

 自衛隊と米軍の一体化の深化、さらに日米韓3軍合同の進行は、すでに戦時体制と言っても過言ではない状況を呈しています。

 さらに深刻なのは、こうした自衛隊・日米軍事同盟(安保条約)の危険な実態を、「本土」メディアがまったく問題にしていないばかりか、野党第1党の立憲民主はじめ、ほとんどの政党・勢力が容認・同調・黙過していることです。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自衛隊機はなぜイスラエルに... | トップ | 「戦争と国家」―褒章を辞退し... »