アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

日曜日記85・国会「召集」と無意識の天皇制・ユース五輪の「混成チーム」・解体工事延期

2020年01月26日 | 日記・エッセイ・コラム

☆国会「召集」という無意識の天皇制

 20日、通常国会が始まった。それを国会が「召集」されたという(表記する)。「招集」ではない。後者は間違いとされる。違いは何か。「召集」は「召集令状」など、主体が天皇の場合だけの特別な天皇制用語だ。「国会召集」とは「天皇が国会(議員)を集めた」という意味にほかならない。

 憲法第7条の「天皇の国事行為」の2番目に「国会を召集すること」とあるから、憲法を改正して天皇条項を削除するまでは、憲法違反とは言えない。しかし、その天皇制用語を当たり前のように使うかどうかは別問題だ。

 国会は「主権在民」の原則に基づく「国権の最高機関」(憲法41条)だ。それを天皇が「召集」するのはおかしい。憲法第7条がおかしいのだ。これまで無意識に(その意味を知っていながら)「国会召集」と言ってきた(表記してきた)自分の不明を恥じる。
 メディアに再考を求めるのは到底無理だろうが、少なくとも自分が使わないことはできる。これからは「国会召集」とは言わない。「国会開会」で十分だ。

 こうした天皇制用語はほかにもある。以前書いた「恩赦」もそうだ。「天覧相撲」などもその類。ほかにもあるだろう。日常用語による無意識の(隠れた)天皇制・天皇主権の名残を、意識的に抽出し排除したい。

☆見習うべきユース五輪の「混成チーム」方式

 22日、東京オリ・パラの報道洪水の陰で目立たなかったが、スイス・ローザンヌで行われていた冬季ユース五輪(原則15~18歳)が閉会した。注目した(初めて知った)のは、ユース五輪では国別チームだけでなく国境を超えた混成チームが認められていることだ。

 詳しいルールや経過は知らないが、素晴らしいことだ。朝鮮半島の「北」と「南」だけではない。日本の選手も他の国の選手と1つのチームになる。それで十分選手の力は発揮され、大会は成功した。当たり前のことだ。国別に対抗する必要はなどまったくない。

 それが「大人」の五輪になると、「国家」が前面に出る。国家主義発揚の場として政治利用される。「ユース」にできることが「大人」にできない道理はないだろう。ユース五輪に見習って「大人」の五輪にも混成チーム方式を導入すべきだ。そしてやがては「国家対抗」ではないオリ・パラ大会を実現すべきだ。

☆広島「旧陸軍被服支廠」解体工事延期の朗報

 24日の報道によれば、広島県(湯崎英彦知事)が新年度から強行しようとしていた「旧陸軍被服支廠」解体工事(18日のブログ参照)が、当面見送られることになった。最近珍しい朗報だ。

 県は解体方針自体を断念したわけではないので、過大評価はできないが、新年度からの解体工事を阻止したのは、保存運動の先頭に立っている市民グループとパブコメなどに寄せられた県内外の世論の成果だ。

 安倍長期政権下、日本の政治・経済・社会の腐敗は深化する一方だが、それに抗うのはやはり市民の力だ。

 敗戦から75年。戦争の何を、どのように遺し、何を学び、後世に引き継いでいくか―。「旧被服支廠」問題を引き続き注視しつつ、そのことを考えていきたい。


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