今日の草履は、劇団わらび座で公演中の「げんない~直武を育てた男~」に、田沼意次役で出演している男性俳優さんへ贈る草履です。贈り主さんはかつて「リキノスケ走る!」の出演俳優さんへも草履を贈られた女性で、昨日「田沼様」を伴ってお訪ねくださいました。
こちらは田沼様がご自身で指定された配色ではなく、私が田沼様とお会いし感じたものを表現したつもりです。ベースに「和傘」、組み合わせは「招き猫」、テーマは「古き良き時代が福を招く」であります。
賄賂で失脚した田沼意次とは真逆の、真摯で実直なお人柄と感じ入りました。お歳の頃は私とさほど変わらないでしょうか。故郷岡山県倉敷市を語るその口調と優しい目に、私は「日本人」を見た想いがしましたよ。贈り主さんが明日お引き取りの予定です。手渡されたときの様子は、きっとあとで贈り主さんからご報告をいただけるでしょう。
先日投稿したfacebookで大河ドラマが話題となり、いくつかのコメントをやりとりしました。その中で大河ドラマに「平賀源内」を推す声が複数あります。当地で源内と言えば即ち「小田野直武」につながりますから、平賀源内が大河に採用されれば自ずと直武も登場するというわけですね。大河ドラマに角館の名前が出るなんていうのは、ちょっとした興奮モノですよ。
私が小学生くらいの頃、民放の連続ドラマに平賀源内があったと記憶しています。確か石坂浩二さんだったでしょうか。当時角館の歴史なんてなにほども知りませんから、小田野直武が出たかも分かりません。平賀源内の変わり者ぶりに周囲が翻弄されつつも、夢を追い続ける人間性に惚れて人が集まる人情話。そんなイメージで観ていました。わらび座公演もそんな源内像が表現されています。
以前のブログにも書きましたが、大河ドラマの視聴率というのは「戦国時代」と「幕末」を扱えば、一定の支持が得られると聞いたことがあります。確かにこの二つがとても多いですね。それはきっと合戦シーンを望む人が多いからじゃないかと思うんです。その点において平賀源内は当てはまりません。幕閣の田沼意次が賄賂で失脚するのですから、むしろ平和な時代と云えるでしょうか。
夢と人情に溢れる平賀源内の世界は、ひとまず劇団わらび座で愉しむのがよろしいかと思います。