今日の草履は、東京都世田谷区にお住いの女性からの、ご注文フォームによるオーダー草履です。以前角館を訪れた際にご主人と二人お買い上げくださったとのことで、この度はお買い換えのご注文です。そのときはまだ草履を履けなかったお子さんの分と3足、それぞれにご希望配色がメッセージ欄に綴られておりました。その中でご本人の分、「黄色系でおまかせ」がこちらになります。
本日の便で出発しています。明日には届きますよ~。
せっかくですからご家族分3足、「川の字」に並んだ草履たちをご紹介しましょう。
お子さんの年齢や性別は書かれてありませんでしたが、15cmと言いますからおそらく三歳前後でしょう。ご夫婦で角館をお訪ねくださったときはまだ赤ちゃんだったか、場合によっては生まれていなかったのかもしれません。やがてしっかり歩ける年齢に成長したわが子に草履を履かせてみたいと思い立ったご夫婦には、草履職人としてより日本人のおっさんとして頭が下がる想いですよ。
「日本の文化」は確かに引き継がれています。
一昨日のこと、お若い女性二人が西宮家の「ハイカラさん」の衣装で敷地内を散策されていました。聞けばおひとりは秋田国際教養大学の学生さんで、もうおひとりは故郷の静岡から遊びにいらしたお友達なんだそうです。とにかく終始にこやかで、笑顔の絶えない元気な若者でした。『試し履きしていいですか~』の画像がこちらです。
衣裳を返す時刻となり実演席から姿を消すと、入れ替わるように盛岡市のご夫婦がお立ち寄りです。奥様が布草履を作った経験があり、足に対する健康効果にもご理解がありました。奥様が角館草履を履かせたいと頭に思い描くのは、数年前に脳梗塞を患った八十歳に近いお母上なんですね。でもそれを躊躇させるのは、ご本人がご自身の健康に無頓着となっているからでした。『買ってあげても、面倒だから要らないって言いそうなんですよねぇ』と奥様。確かにそうしたご高齢者がいるとは思います。
そこへさきほどのハイカラさんお二人が戻って見え、『やっぱり買って行くことにしました~』。少ない在庫でしたが、お二人賑やかに配色を選んでくださいましたよ。
その様子を見ていた盛岡市のご主人が、『いや~、こうして若い子たちが草履を履きたいっていうのは、見ててなんか嬉しいですよね』。
角館草履を「履きたい人」そして「履かせたい人」に、年齢などいささかの制約も感じません。
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