今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
緑基調の花柄プリントをベースに、合わせは緑基調の桜花プリントです。
桜が終わり緑一色に包まれだした角館、「今日の草履」はそんな今の角館を象徴してますね。落ち着いた綺麗な草履と思います。
桜が散った途端に角館へ夏がやって来ました。いくらなんでも5月の上旬に「夏」は大げさと思われるでしょうが、昨日も今日も最高気温が26℃を超えているんです。気象用語でも「夏日」ですし、桜満開の頃ストーブをつけて暖をとっていたことを思うと、体感温度は夏以外のなにものでもないですよ。
そんな暑さと裏腹に、角館は「祭りのあと」を想わせる静けさになりました。角館で「祭り」と言えば、9月7日~9日のお祭りに他なりません。この祭りが終わった9月10日は街中が死んだように静まり返ります。それだけ角館衆が燃えに燃えるわけですが、草履職人を生業とするようになって、桜まつりも秋と同じような「祭りのあと」の感慨があるんですね。
今年も実に多くのお客様と出逢いました。桜満開を寒さに震えて眺めた方、5月に入って『桜がひとつもないじゃない~』とおっしゃる方、満開の人出をはじめて見て『次はもっと静かなときに来るわぁ』とおっしゃる方、角館の桜まつりはいろいろな人たちで賑わいましたね。
そんな桜まつり&ゴールデンウィークも、本日をもって終了です。
50歳ほどと思しき男性とおしゃべりしていると、男性のケータイが鳴り出しました。すると独り言のように、『また会社からだぁ』。外へ出てしばらく電話した後お戻りになり、『仕事は明日からにして欲しいよなぁ』。
気持ちはよく分かりますね、ゴールデンウィークという非日常の最後を楽しんでいる最中、電話とは言え明日からの日常に引き戻されるのは、少々気の毒かも知れません。
でも男性はちゃんとケータイに出て、急ぎの用件を済ませていました。「非日常」は「日常」が滞りなく進むことで満喫できることを、誰しも分っているんですね。
草履職人の「日常」は、草履を編みながら角館を訪れる方々をお待ちすること。そう思えばゴールデンウィークもお祭りもありません。このあと少しお休みを予定していますが、5月いっぱいは続けて参ります。
少々の疲れは否めませんが、今年も楽しい桜まつりでありました。