角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

大きかった“副産物”。

2008年06月09日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズMグループ24cm土踏まず付き〔4000円〕
赤基調のおたふく・ひょっとこプリントをベースに、合わせは紺です。ときおり見える黒がおたふくさんの髪ですね、面白い草履と思います。この配色であれば男性でもOKじゃないですかね。

末娘も中学生となったわが家、予定通りPTA活動の第一線からは退いています。それでも部活動だけは、親が結構な部分を下支えしなければいけないようです。
三女は卓球部へ入りました。これから数々計画されている他校との練習試合、わが家も「配車」のひとりとして割り当てられています。

親の会が一致団結の下に取り組んでいる部は、案外子どもたちの戦績にも好影響があるんですね。これまでもそんな部をいくつか見聞きして来ました。私が運転手で出掛けることは少ないでしょうが、カミさんを含めて出来る限りの協力は惜しまないつもりです。

双子の娘が小学校時代から一緒の親とは、なんと言いますか、「同志」に近い想いがありますね。当時からの保護者仲間とは、今でも日常にスーパーや街中で出逢います。互いの子どもが話題になると、よく言われる言葉が『あの頃は楽しかったよねぇ』。
高校生になったわが子との接点は、少なくとも学校を舞台にしては皆無に等しいです。“手が掛からなくなれば金が掛かり出す”、先輩の誰もが言ったこの言葉を実感する昨今、まして当時を懐かしく思い返すんでしょう。

この言葉は親からだけではありません。西宮家には案外学校の先生がお客様としてお越しになります。そんな中にかつて同じ時期に同じ空気を吸った先生もいて、やはり同じことを言うんです、『いろんなことをしたよねぇ』。
確かに苦労もありましたが、過ぎてしまえばみんな楽しいことだらけ。昨日のブログに共通しますね。

旧三校が統合して生まれた「新角館小学校」、今年四月に開校されています。わが家はきっと足を踏み入れる機会はないと思いますが、在校生とPTAは新たな一歩を踏み出したところでしょう。
先月のこと、知人である小学校PTAの母親から聞かされた言葉に、「そういう時代なんだろうなぁ」と「その意味が分かっているのかなぁ」のふたつを感じました。それは学習発表会バザーの廃止。

私たちが何年も取り組んできた「学習発表会PTA企画」には三つがあって、その最たるものが「バザー」でした。うどん、そば、ラーメン、おにぎり、お菓子、ジュース、こうしたものを我々の手で販売して収益を得るものです。中でも麺類はその道のプロであるPTA会員を中心に、作るのも親たちでした。昼の休憩時間になると長蛇の列ができ、それは賑わったものです。

バザーを中心とした三つの企画の合計収益は、毎年40万円を超えていました。この全額を公的予算で賄いきれない、学校備品や活動費に使っていたんですね。
風邪が流行りだすひとつの原因が教室内の乾燥、これを防ぐため各教室に「加湿器」を設置したのもこの収益金でしたし、スキー教室で使う子どもたちのゼッケンを購入したのもこのお金でした。夏休み中のプール監視員の日当、これもこの収益から支出したことがあります。本来学校予算の中に組み込まれるべき使途であっても、“ない袖は振れない”わけです。

学校が使える公的予算など、たかが知れています。大阪府の橋下知事に対してある教師が、『子どもたちが良くならないのは、学校にお金がないからダっ』と進言した話がありました。もちろんお金ですべてが解決されるなどとは思いませんが、この教師の言葉に違和感もまたありません。それほど学校というところには予算がないんです。

バザーはずいぶん昔にときのPTAが開催していました。それが「O-157」や「カレーヒ素事件」で消極的になり、やがて一度廃止になっています。それから数年が経過し私たちの代になって、当時のPTA会長が学校の予算不足を憂慮したことから提案されました。もちろん私もその趣旨に賛同したひとりです。
「われわれの手で学校にお金を…」の想いからはじまった数々の事業が、新たな小学校ではひとつも継続されないことに決まったんですね。

もちろんすでに意見を申し上げる立場にありませんし、ときの事情もあるでしょう。昨今さらに多忙感を極める親たち、確かにバザーは「手の掛かる」事業です。
これが「そういう時代なんだろうなぁ」と「その意味が分かっているのかなぁ」のふたつの意味なんですね。

収益とまた別に、そうした活動がやがて「楽しかった記憶」になることを、時代が過ぎてからしみじみ感じています。町のスーパーや西宮家で出会うかつての「同志」、この人たちとの思い出がことのほか大きな“副産物”となりました。

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2 コメント

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よろしくお願いします (さんさん)
2008-06-09 13:22:28
>出来る限りの協力は惜しまないつもりです。

よろしくお願いしますね。
学校で指導にあたってくださる先生などは、家庭も顧みず指導してくれてるんですよね。それを考えたら、保護者の協力なんて、ほんとに小さなことなんですがね・・・保護者が協力的だと先生も指導に熱が入るでしょうね。
2年後をイメージしてください。娘さんの卓球に夢中になってると思うよ。
すべてに情熱 (草履職人)
2008-06-09 18:15:12
教師に「情熱」は必需品だね。ずいぶん前小学校の先生へ、『情熱がねぐなったら先生なんて辞めでけれなっ』って言ったことがあった。その先生はゼッタイそんなことがないと確信できたから言えたことだけどね。

ただ、家庭を顧みず…というのはいけない。昔のことだけど、教師の子どもが悪くなる一因にそれが挙げられてた。
そこまででなくても、先生の情熱はきっと分かるよ。

これは教師だけじゃなく、人の「やる気」はすべての仕事に言える。商売人も同じで、店主やスタッフの情熱はお客さんへ全部伝わるね。その点、さんさんサンはまったく心配ないと思うよ。

「配車」、出来る限り務めるよ。子どもの部活だけじゃなく、親の「飲み会」もね(笑)。
草履職人が三女の卓球に夢中になるとしたら、東京でオリンピックが開催されてそれに出場するときかなっ(笑)。

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