角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

お祭りと草履。

2010年09月13日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺基調の唐草プリントをベースに、合わせは紫です。
同系色の近い色合いで組み合わせてみました。紫という色は好みが分かれる印象があるのですが、私はお洒落だと思うんです。サイズは24cm、少し足が大き目のお洒落なおばさまにお勧めでしょうか。

公開実演でときに訊かれる質問に、『お祭りとかで履くんですか?』があります。角館という町には伝統の祭りがイメージされるでしょうし、角館草履には懐かしさが感じられるのでしょう。お祭りと角館草履がイメージとして重なるのは、案外自然かも知れません。
角館草履は室内履きというご説明ですぐにご理解くださるのですが、この質問はお祭り期間に必ずありますね。

それと馴染みのお母さんたちによく訊かれるのが、『お祭りはずいぶん売れるもんだべ?』。
角館草履が特にお祭りでよく売れるという印象はないですね。まずこの時季の日曜日くらい、平日より少し忙しいくらいでしょうか。
観光で訪れるお客様のイメージとは裏腹に、私は角館のお祭りに角館草履はまったく無縁のものと理解していました。

それがお祭り初日の7日午後2時過ぎ、間もなく各丁内からヤマが出発する時刻です。とあるヤマの先導を務める若衆が、『ピンク色の24cmあるんシか?』。凛々しい半纏姿の若衆と、ピンクの角館草履とのギャップが面白くて使い道を聞いてみると、『今日彼女の誕生日だんシもの。プレゼントに草履を贈ろうと思って…』。
その日は在庫がなかったため、翌8日の朝一番に編み上げました。

ピンクの可愛い草履はお祭りの最中に贈ったのか、はたまたお祭りが終わってご苦労さんで贈ったのか。いずれにしてもこのエピソードは、「お祭りと草履」として私の思い出に残ることでしょう。

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