角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

真面目なお祭り。

2010年09月12日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
グレー基調の桜花プリントをベースに、合わせはエンジです。
グレー基調というのがなかなかシックと思います。組み合わせは何色がイイか悩んだのですが、とりあえずはセオリーのエンジにしてみました。するとこれがバッチリ、秋田市からお越しのおばさまが『やっぱり赤が可愛くてイイわねっ』とお選びくださいました。
平生地はこちらになります。




お祭りが終わって季節が変わった感じです。今日の実演席最高気温は25℃。半袖で寒いとまでは言いませんが、もう作務衣の上着を用意したほうが良いかも知れません。毎年のことながら、角館という土地はお祭りを境に季節が変わります。

予定通り明日と明後日の二日間、公開実演をお休みさせていただきます。いくつかの用足しはあるのですが、やっぱり体調を整えるために時間を使いたいと思っています。昨日のブログにも書きましたが、ホントに角館のお祭りというのは疲れるものです。お祭りが終わって二日目の今日、出会う地元民との挨拶は『疲れとれだが?』。

それでも私なんぞは、ヤマの若衆でも囃子方でもありません。自分の意思で勝手に帰宅したり、休んだりもできます。それなのに深夜や明け方までお祭りと共にいるのは、やはり角館衆だからとしか言いようがないんですね。
わが家の娘たちも、踊り子としてお祭りに貢献しました。昨日が「お手当て」の給付日です。封筒の中身を開けてみると、時給にしていかほどになるでしょうか。それでも娘たちは達成感に大満足、その笑顔を見る私とカミさんも満足ですよ。

お祭り中日8日の深夜、知人のおじさんがひとり露店で飲んでいました。こちらのおじさんはお祭りに大きな貢献をされている方で、現在もお囃子教室を主宰しています。こちらのおじさんが心配していたのが、愛する自分の丁内ヤマなんですね。近年若衆の増加が一因してか、少々乱暴と思える曳き回しを危惧していました。

おじさんがひとりの若衆へ“自重”を促すと、『○○さんは少し真面目過ぎるんシ』と言われたとのこと。おじさんが私に言うのは、『このお祭りどご真面目にやらねがったら、ケガ人が死人になってしまうべっ』。

お祭りが終わった角館人が、性も根も尽き果てるが如く疲労困憊するのは、真面目にお祭りを成し遂げたからだと思うわけです。お祭りは人生の縮図とさえ云います。「真面目」が非難されるようではいけませんね。

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