角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

継がれる草履。

2017年07月14日 | 実演日記
本日京都市へ一組のご夫婦草履が出発しました。奥さまからのメールによる初オーダーです。

奥さまの母上様は秋田県南部のご出身で、数年前同窓会にご出席された折、西宮家で私と角館草履に出会ったそうです。

角館草履を気に入ってくださった母上様は、ご自分用と共に娘さんご夫妻、つまりこの度のご発注主の分も注文しようとしました。

旅先から足のサイズを訊く電話を受けた娘さんは、角館草履を知りません。結果、『家の中で草履なんか履かないわよ』。
母上様はご自分用だけのオーダーで戻られたわけです。

それから数年が経ち、母上様はとある病で寝たきりの生活になってしまいました。
主を失った草履を見た娘さんが思ったのは、『今度は私たちが履いているところを母に見せてあげよう♪』。

『なっ、気持ちええやろ?』。
母はきっと得意気にそう言うと思います。

女性のメールにはそう書かれてありました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする