角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

闘病と角館草履。

2011年04月23日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
紺基調のお魚プリントをベースに、合わせは朱色基調のとんぼ&いらかプリントです。
紺系と赤系の組み合わせは定番ですが、朱色はエンジより優しさを感じますね。「魚」に「いらか」の組み合わせは、昨日の今日の草履同様、ある意味ベストマッチでしょう。可愛いお魚プリントはこちらです。




昨日のこと、町内在住の女性が角館草履を試し履きして、『土踏まずがちょっと気になるなぁ』とお話でした。ときにあるご相談が、足裏の痛みについてなんです。記憶ではこれまで3人ほどと思いますが、「うおの目」で苦労されている方がいますね。それでも室内草履に関心が高い場合、刺激を小さくする意味で「土踏まずなしタイプ」をお作りしたことがあります。

こちらの女性にも『うおの目ですか?』と訊いてみると、『いえ、そうじゃないんですけど、子どもの頃から足の裏に痛みがあるんですよねぇ』。言われてみれば、確かに以前同じようなことを聞いた憶えがあります。それでも女性が室内草履に関心が高いのは、通っている鍼灸師の先生に勧められたからなんですね。
というわけでこちらの女性にも、「土踏まずなしタイプ」をお作りすることになりました。

今日お越しの女性は、『一年前に北海道のともだちが遊びにきたとき、記念に二人で買ったんですよ。そのともだちが新しい草履を送ってって言うもんだから、また二つ欲しいと思って…』。リピーターさんのお訪ねは、一年中いつでも嬉しいものです。

その後のおしゃべりで分かったのは、北海道のおともだちが現在闘病生活をしていることでした。病名はガン、発見されたのは昨秋と言いますから、一年前に草履をお買い上げくださったときはまだわかっていなかったんですね。ご本人が女性との電話で、『新しいのは病室で履きたいから…』と話していたそうです。

角館草履は健康効果が大きな特徴です。健康な人が健康に過ごすためのお手伝いは当然ながら、体調が思わしくない人や闘病生活を送っている人、そうした方々の生活に僅かでも「癒し」をお届けできたなら、作り手としてこれ以上の喜びはないと思っています。

コメント
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