角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

人生の潮時。

2011年02月17日 | 地域の話


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
赤基調のうさぎ&麻の葉プリントをベースに、合わせはピンク基調の桜花プリントです。
鮮やか・華やか・豪華といった言葉を並べたくなる配色ですね。中高年のおばさまたちにもお勧めしたいのですが、やはり大奥のお局様というよりは、若き日の姫様「お江」に似合いそうですかね。

少々不躾なんですが、「人生の潮時」というのは自身で分かるものでしょうか。
先々回の大河ドラマで織田信長が明智光秀軍に襲われた際、最期を感じた信長は『潮時かもな…』という言葉を発します。もちろんこれは脚本家が書く台詞でしょうが、人生五十年が当時としては当たり前でした。まして何十倍もの敵に囲まれ、48歳の信長がこれを口にしたとして不思議はありません。

昨晩、同期生のお父上が亡くなりました。先ほど仕事帰りに伺ってきたのですが、いつものように晩酌をする前の入浴で倒れていたそうです。ご高齢のうえ、病気療養中と聞いていました。それでも最近は晩酌を楽しめるくらいの体調ですから、よもや今の死は予想もしていなかったそうです。
実際お父上のお顔のどこにも苦しさは見えず、一言で言えば安らかな寝顔に見えました。

これまでの私自身の体験や知人などから漏れ聞くに、死亡日やその時季が遺族を考えてくれたんじゃないかと思える事例が多々あります。根拠も論拠もありませんからそう思うしかないのですが、もし仮に人には「最期のとき」を決められる力があったとしたら…。
人は最期のときでさえ、自分のことより家族のことなのかもしれません。

20日は葬儀参列のため、公開実演をお休みさせていただきます。
コメント
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