<生地詳細・素材感>
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
濃紺地のひらがなプリントをベースに、緒は定番のエンジです。私の代表的配色「秋田おばこ調」のひとつと思えますが、ひらがなプリントの綺麗さに「洋」の雰囲気もありますね。
この「濃紺ひらがなプリント」、最近の新柄でかなりお気に入りなんですが、あと3足ほどで終了となってしまいます。
日々実演をご覧くださる中に、『私にも出来るかしら?』とか『今見て行ったら出来るようになる!?』とおっしゃる方がいます。
前者の問いには例外なく、『大丈夫、頑張れば出来るようになりますよ!』とお応えしています。問題は後者の問いなんです。少なくとも、その日そのとき30分程度の見学で、私の草履を複製するのは無理でしょう。
これまでのブログでもたびたび登場する「布草履」の作り手さん、ほんとに多いんです。大げさでなく、『私も布草履作ってるんです』とか『挑戦したんだけど挫折しちゃって…』という方、ひとりもお会いしない日はまずないんですね。
今日大館市からお越しのおばさま、実演を見つけるなり声が裏返りました。『あらららららら~、なんでこんなふうに編めるのっ!? 私も挑戦したんだけど、右と左がゼッタイ同じにならなくてあきらめたのぉ。今まで私が手作りした中で、草履が一番難しいっ』。
こちらのおばさまに『何足編みました?』とお尋ねすると、『最初の一足でギブアップよぉ』。
東京からお越しのおばさま、しばし実演を眺めながら、『私が作るとだんだん細くなっちゃうのよねぇ』。やはり同じ質問をしてみると、『2足でやめちゃったぁ』。
『やっぱりコツってあるんでしょ?』と尋ねられたので、『コツは唯ひとつ、たくさん編むことですよっ!』とお応えしました。
私が「布巻草履」を頭に描いていた五年前、旧雄和町の「ワラ細工同好会」を訪ね、「ワラ草履作り」の講義を受けました。角館からわざわざ習いに来た夫婦がいるというのが面白かったのでしょう、生徒ふたりに先生が五人も集まりました。その中の長老的男性が言いましたね、『生まれたときがら草履編めだ奴はいねぇ』。
草履作りに関心のあるみなさま、最初の1足や2足で草履になるとは思わないでください。ただし、頑張れば誰でも必ず上手になります。私が紛れもないそのひとりなんですから。